今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
6月3日 〜 6月9日
ドル/円
107.00〜109.50
ユーロ/円
119.50〜123.50
豪ドル/円
74.00〜77.50

米中貿易問題の手詰まり感を背景にドルの上値が重い展開が続いていましたが、それでもドル円はよく健闘して109円台割れを3回ほど回避する動きを見せていましたが、先週末の東京市場でついに109円を割り込み、NY市場では108円28銭までドル安が進みました。週明けの東京市場でも108円10銭までドル安が進み、108円台割れも時間の問題といった状況になってきました。

引き金を引いたのはまたトランプ大統領の武器である「関税引き上げ」でした。トランプ氏はツイッター投稿で、「メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで同国からの輸入品に5%の関税を課す」と述べ、関税は6月10日に発効し、不法移民の問題が解決しなければ最高25%まで引き上げる可能性があると表明しました。トランプ大統領は自身を「タリフマン」(関税男)と称し、米国に対する貿易黒字国への攻撃の手を緩めません。

投資家は、このような米国の「自国第一主義」が続く限り貿易問題が長期化するとの連想からリスク回避の姿勢を強め、安全通貨の円を買い、株売り・債券買いを活発化させています。その結果、円は対ドルだけではなく、ユーロやポンドに対しても強含んでおり、円を除く他の主要通貨が対ドルで弱含んでいることから、「円独歩高」の展開になっています。また米長期金利の低下傾向も円買いをサポートしており、米長期金利は今週中にも「節目の2%」を割り込む公算が高いと見られます。

トランプ政権の貿易戦争に対して、中国やEUも対抗意識を強め、このままでは今月末の「G20」で、仮に米中首脳会談が実現したとしても「合意」には程遠く、物別れになる可能性もあります。こうなると、好調さを維持している米経済にも影響が出てくることも予想されます。そして、その先にあるのがFRBによる金融緩和ということになります。本日時点でのフェデラル・ファンド(FF)先物実効レートでは、7月の会合までには75%の確率で利下げが行われ、10月までの会合では86%まで利下げがあると予想しています。クラリダFRB副議長も先週行われた講演で、条件つきながら利下げの可能性があることに言及しています。

ドル円はなかなか浮上のきっかけを掴めません。日足だけではなく、週足でもドル円が下落基調にあることが鮮明になってきました。何かのきっかけでドルが反発することがないとは言えませんが、今週もドルの底値を探る展開が続くと予想するのが順当でしょう。

今週の注目材料

  • 6/3(月)
    中 5月財新製造業PMI
    独 独5月製造業PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏5月製造業PMI(改定値)
    米 5月ISM製造業景況指数
    米 5月自動車販売台数
    米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
    米 ブラード・セントルイス連銀総裁講演
    米 トランプ大統領、国賓として英国訪問(5日まで)
  • 6/4(火)
    豪 豪4月小売売上高
    豪 豪1−3月期経常収支
    豪 RBA、キャッシュターゲット
    欧 ユーロ圏4月失業率
    欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)
    米 4月耐久財受注
    米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
    米 パウエル・FRB議長挨拶
  • 6/5(水)
    豪 豪1−3月期GDP
    中 中国5月財新サービス業PMI
    中 中国5月財新コンポジットPMI
    独 独5月サービス業PMI(改定値)
    欧 ユーロ圏5月総合PMI
    欧 ユーロ圏5月サービス業PMI
    欧 ユーロ圏4月小売売上高
    欧 ユーロ圏4月生産者物価指数
    米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
    米 5月ADP雇用者数
    米 5月ISM非製造業景況指数
    米 クラリダ・FRB副議長挨拶
    米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
  • 6/6(木)
    日 黒田日銀総裁講演
    欧 ユーロ圏1−3月期GDP(速報値)
    欧 ECB政策金利発表
    欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
    英 カーニー・BOE総裁講演
    米 4月貿易収支
    米 労働生産性(1−3月)
    米 新規失業保険申請件数
    米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
    米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
    加 カナダ4月貿易収支
  • 6/7(金)
    日 4月景気動向指数
    中 中国5月外貨準備高
    独 独4月鉱工業生産
    米 5月雇用統計
    独 独4月貿易収支
    米 4月消費者信用残高
    米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
    加 カナダ5月就業者数
    加 カナダ5月失業率
  • 6/8(土)
    日 G20財務相・中央銀行総裁会議(9日まで、福岡)
  • 6/9(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。