ドル円は108円を挟む展開から先週末には108円台後半までドル高が進み、ややドル高方向にシフトしていますが、基本知的には大きな動きには至っていません。それは、やはり今週水曜日に予定されている夏休み前最後のFOMCの結果を見極めたいという投資家心理が背景にあるせいだろうと思います。
実際今週はFOMCだけではなく、明日には日銀決定会合があり、1日にはISM製造業景況指数もあります。また、週末には早くも7月の雇用統計があり、ある意味「夏休み前の最後のかき入れ時」ということになります。さらに中断していた米中通商協議も、米中首脳会談をきっかけに再開される見通しとなり、明日から上海で次官級協議が始まります。このように今週は材料が豊富なため、相場の方もこれまでとは異なり動きも出てくると予想していますが、希望でもあります。利下げ観測が強まり、今週のFOMCでは25ベーシスの利下げが確実視されており、場合によってはさらに年内1回から2回の利下げが見込める状況ですが、その割には思ったほど円高が進んでいません。
6月25日に106円台後半まで円高が進む場面もありましたが、それ以来106円台には沈んでいません。「ドル安円高が進む」と予想している市場参加者が多いにも関わらず、円高が進まない理由は、これといってはっきりしたものは見つかりません。日本の機関投資家が外債投資のためドルが下がった局面ではドル買いを行っており、これがドルの下落を抑えているといった指摘もあります。また米国株が堅調で、株価の上昇は基本的にはリスクオンにつながることから、これもドル安を抑制しているとの見方もできます。ただいずれも決定的な材料としてはやや説得力に欠けそうです。個人的にも、目先は依然としてドル下落のリスクの方が上昇のリスクよりも高いと考えていますが、ここに来て、「ひょっとしたら、109円台を回復しドルがゆっくりと上昇する可能性」も意識しています。
とりわけ今週のように、材料が目白押しの状況の中でもドルが売られることがないようだと、来週からは本格的な夏休みも始まり、さらに動意が乏しくなることも予想され、「閑散に売りなし」と言われるように、ドルが緩やかに上昇することもないとは言えません。FOMCに先行して日銀決定会合もありますが、まずはFOMCの声明文とパウエル議長の会見に注目です。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
