今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
8月26日 〜9月1日
ドル/円
103.50〜106.50
ユーロ/円
116.00〜120.00
豪ドル/円
69.50〜72.50

米中貿易戦争が泥沼化したことで、ドル円は再び下値を探る展開になってきました。先週最も注目されたジャクソンホールでのパウエル議長の講演は、市場へのインパクトはほとんどなく、利下げは示唆したものの、その利下げがどの程度継続されるかといった点についてのヒントはありませんでした。議長は、むしろ、進行している米中貿易戦争には金融政策に関する先例がなく、金融政策による限界に苦慮していることを打ち明けた格好でした。

米景気に対する見方の違いから、FRB内部でも利下げスタンスは一様ではありません。ジャックソンホールでの経済シンポジュームを主催したカンザスシティー連銀のジョージ総裁は利下げは不要との立場をとり、前回FOMCでの会合でも政策金利据え置きに1票を投じています。またフィラデルフィア連銀のハーカー総裁も、「現時点では行動を起こす必要はない」と述べています。一方でセントルイス連銀総裁のように、次回FOMCでは50bpの利下げ議論が活発になるだろうとの見方を示すメンバーもいます。ただ、今後米中が表明した「関税引き上げ合戦」が実際に行われた場合、その影響は決して小さくはないと見るべきでしょう。特に中国はその影響を大きく受けることになり、中国政府が景気刺激策を行ったとしても、景気後退を避けるのは簡単ではありません。同時に、その影響が米国に波及することも必至でしょう。

週明けのドル円は窓を開けて始まりましたが、その前にすでに105円を割り込み、一時は104円46銭前後までドルが急落しています。急落のスピードがかなり早かったことから、104円70−80銭前後ではストップロスが執行された可能性が高いと思われます。ドル円は、その後105円台で推移し、昼には105円79銭までドル高が進むなど、荒っぽい動きが続いています。

見方を変えれば、米中貿易戦争も行く着く所まで来たとも言えます。中国から米国に輸出されるほぼ全品目に対して課税される可能性が高まり、逆に米国から中国に輸出される製品についてもほぼ同様です。今後は「輸入制限」などの対抗策も考えられますが、関税に関しては来る所まで来たと言えます。今週もドル円は、やはり下値目線で見ておくべきでしょう。上記、関税問題もある程度峠を越したとも言えますが、米中問題は貿易だけに限らず、ロシアも含め、中距離核戦力問題でも緊張が高まっており、加えて日韓問題の悪化やイタリアの政局不安、香港の民主化デモなど、リスクオフがさらに高まる材料に事欠きません。ドル円の底値を探る動きが続きそうです。

今週の注目材料

  • 8/26(月)
    独 独8月ifo景況感指数
    欧 G7(仏ビアリッツ、最終日)
    英 カーニー・BOE総裁講演
    米 7月耐久財受注
  • 8/27(火)
    中 中国7月工業利益
    独 独4−6月期GDP(改定値)
    米 6月FHFA住宅価格指数
    米 6月ケース・シラ−住宅価格指数
    米 8月リッチモンド連銀製造業指数
    米 8月消費者信頼感指数
  • 8/28(水)
    独 独9月GFK消費者信頼感
    欧 ユーロ圏7月マネーサプライ
    米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
  • 8/29(木)
    独 独8月失業率
    独 独8月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏8月景況感指数
    欧 ユーロ圏8月消費者信頼感指数(確定値)
    米 新規失業保険申請件数
    米 4−6月GDP(改定値)
    米 7月中古住宅販売件数成約指数
    米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 8/30(金)
    豪 豪7月住宅建設許可件数
    日 7月失業率
    日 8月東京都区部消費者物価指数
    日 7月鉱工業生産
    独 独7月小売売上高
    欧 ユーロ圏8月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏7月失業率
    米 7月個人所得
    米 7月個人支出
    米 7月PCEコアデフレータ
    米 8月シカゴ購買部協会景気指数
    米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
    加 カナダ4−6月期GDP
  • 8/31(土)
    中 8月製造業PMI(速報値)
    中 8月非製造業PMI(速報値)
  • 9/1(日)
    米 中国からの輸入品に10%追加関税を一部品目対象に発動
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。