先週末のNY市場では、株価の下落やトランプ大統領が「香港人権法」に署名を行い、同法が成立したことで米中貿易協議への不透明感が強まったことで、ドル円は一時109円38銭辺りまで下げました。ドル円も株も高値警戒感があり、先週末のNYの取引の終え方からも、週明けの月曜日はやや軟調に始まると予想していましたが、ドル円は109円73銭(2日14時現在)まで上昇し、先週末のNY市場での高値をわずかですが抜いています。また株式市場でも、日経平均株価は250円以上も上昇し、年初来高値を更新している状況で、やや予想外の展開です。昨日の日曜日に発表された中国の製造業PMIが予想を上回ったことが、「世界景気の悪化に歯止めが掛かる」といった期待感につながり、市場センチメントを好転させたものと理解出来ます。
今週はISM製造業景況指数や雇用統計といった重要指標が発表されます。近いようで遠い110円台ですが、今週はドル円が110円台に乗せることが出来るのかどうかが焦点の一つです。ISM製造業は、10月が「48.3」と節目の「50」を下回り、3カ月連続で「50」を下回っている状況で、11月分も「49.2」と予想されています。仮に「50」を上回るようだと、米景気の中でも特にその落ち込みが懸念されている製造業でも、改善傾向が示され、ドル円にとっても好材料になるものと思われます。
また11月の雇用統計でも、非農業部門雇者数が10月の「12.8万人」から大きく増え、「18.8万人」と予想されており、引き続き労働市場は拡大していると見られます。こちらは予想通りであっても、どちらかと言えばドル買い材料として捉えられることになるのではと予想しています。先週末の「ブラック・フライデー」でも好調な株価に支えられ個人消費はネット販売がかなり好調でした。製造業では設備投資を中心に米中貿易戦争の影響が色濃く見られますが、個人消費と住宅市場の拡大が米経済全体を牽引する構図が続いていると判断できます。
いよいよ12月に入りました。今のところ相場に大きなイレギュラーな動きは見られませんが、徐々に海外勢を中心に参加者が減少してきます。いつどんなタイミングで急激な動きが起こるかは全く予想ができません。もちろんそんな動きなどないまま年末を迎える可能性が高いとは思いますが、用心にこしたことはありません。「終わり良ければ全て良し」という言葉もあります。資金とポジションの管理には注意しましょう。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
