今週は本日からの日銀金融政策決定会合を皮切りに、主要中銀の金融政策会合が開催されます。23日にはECBの会合があり、来週には今年最初のFOMCも開催されます。ただ、今回の会合では何れも政策変更はないと見られ、市場への影響も軽微といったところでしょう。
日銀はもともと政策余地が狭く、ドル円が110円台を回復した足元の状況からすると、少なくとも為替面からの政策変更の可能性はほとんど不要ということになります。もっとも、そのように言うと「為替面から金融政策を決めているわけではない」といった声が、聞こえてきそうですが、ドル円が仮に100円台を割り込めば、追加緩和観測が急速に高まるのも事実です。また「2%の物価目標達成のためのモメンタムが著しく損なわれた場合には、速やかに行動する」と会見の度に黒田総裁は述べていますが、依然として2%のインフレ達成は困難ですが、「損なわれている」と定義できるほどの逆風は吹いていません。注目されるのは、同総裁の発言だけということになるでしょう。
FOMCも今回は動かないと見られます。今年にはいっての地区連銀総裁発言でも、「足元の景気は、金利を下げる必要もないし、上げる必要もない」といった趣旨の内容が目立ちます。また、絶好調の米株式市場も政策変更の必要性を低下させています。NYダウは今年に入ってすでに800ドル以上も上昇しています。住宅市場も引き続き好調で、先週末に発表された12月の住宅着工件数は160.8万件と13年ぶりの高水準でした。「住宅市場に死角はない」といったところで、FRBとしても、「次に何か予想できない事態が起こった時のための準備」という位置づけと捉えているようです。ECBについては、これまでの金融政策を根本的に調べ直し、検証する段階と見られます。域内の景気は落ちこみのペースは鈍化しつつあるものの、まだ金融緩和の手綱は緩めるわけにはいかず、引いたままの状況が続くと思われます。「手綱の引き具合」が焦点になります。
むしろ今週市場が注目しているのは、明日からスイスのダボスで開かれる「世界経済フォーラム」、通称「ダボス会議」での要人発言です。今年は、日銀やECBのトップだけではなく、トランプ大統領もムニューシン財務長官や、ライトハイザーUSTR代表を引き連れて参加するようです。米大統領選を意識したパフォーマンスに終わる可能性はありますが注目度は高いと見られます。今週もドル円は緩やかな上昇をイメージしていますが、中東の地政学的リスクは残ったままです。トランプ氏の不用意な発言も予想できません。110円台半ばをクリアし、111円を伺うようなら、ドル円も先行きの見方にも安心感が生まれ、相場の上昇につながると予想しますが、今週はそこまでのドル高は見られないかもしれません。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
