「一難去ってまた一難」ということでしょうか、中国発の新型コロナウイルスの感染拡大がとまりません。まだ猛威を振るうということまではいっていませんが、今後感染がさらに広がるようだと、世界経済への影響も無視できず、米国の好調な景気にも関税面からだけではなく影響が及びそうです。さらにその影響が心配なのは、日本と欧州、とりわけドイツです。日本は言うまでもなく春節による観光客が減ることで、インバウンド効果が著しく減少する可能性があります。また感染予防が進まないようだと、今年の夏のオリンピック・パラリンピックの来日観光客の数も大きく減少する可能性があります。もちろん、そこまで今回の混乱が続くとは思いませんが、現時点ではわかりません。またようやく低迷を続けていた製造業の底打ち気配が出てきたドイツにとっても、今回の新型肺炎ウイルス騒動は大きな影響が出そうです。ドイツ経済は輸出への依存度が日本よりも高く、それも中国への依存度が高水準です。メルセデスやBMWなどのドイツ車は中国ではかなり売れていますが、今回の新型ウイルスの感染拡大で販売にも黄信号がともり、ドイツの製造業を直撃する可能性もあります。
今朝の時点で、56人だった感染による死亡者数は、すでに80人に増えています。まだ300人を超える重症の感染者もいるようです。今後も死亡者の数は増えると思いますが、中国政府の対応が注目されます。感染拡大がさらに続くと見られますが、今のところ金融市場ではリスク回避の動きが強まってはいますが、まだ混乱という水準にまでは行っていません。今週の市場を注視するほかありません。
ドル円は今朝がた109円を割り込み、108円73銭前後まで円高が進みました。これで、1月8日のドルの底値であった107円65銭から上昇し、110円29銭までドルが買われたその値幅の半分(108円97銭)を割り込んでしまいました。徐々にドルの上値が重い展開に移行しつつあるようですが、今週の動きは今年1年の相場を占う意味で重要な動きになると思います。ドル円が108円台で踏みとどまり再び110円に向かうのか、あるいはこのままずるずると上記107円65銭に向かうのか、重要な局面です。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
