中国発の新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、報道も連日「コロナウイルス一色」の状況です。トランプ大統領の弾劾裁判も英国のEU離脱も、この報道の陰に隠れた印象です。やむを得ないと思います。今朝の発表では、感染による死者の数が361人となり、SARSを超えたとの報道です。感染者数も2万人近くおり、今後も亡くなる方の数は急激に増えていきそうです。週明けの東京株式市場では、日経平均株価が一時400円を超える下落を見せ、ドル円も108円32銭前後まで円高が進む場面がありました。全てはコロナウイルスのニュースに売られる展開で、どこまで行くのかは分かりません。この種ニュースに耳を研ぎ澄ませて聞くしかありませんが、当分このニュースのヘッドラインで一喜一憂する展開が続きそうです。
大型連休が終わり、今日から市場が開くのに合わせて、中国人民銀行は混乱を回避する目的で、金融市場に1兆2000億元(約18兆7000億円)の資金供給を行いました。中国国家発展改革委員会の連副主任は「新型コロナウイルスによる経済的な影響は一時的で、全体の状況を変えるまでには至らない」(ブルームバーグ)との見方を示していますが、この見方に同調する人は少ないでしょう。また、タイの病院では新型コロナウイルスに感染した中国人の重症患者に抗ウイルス剤2剤を投与したところ、効果があったとの報道もあります。
先週末に発表された1月のシカゴ購買部協会景況指数は「42.9」と、前月の「48.9」から急落していました。これは2015年12月以来の低水準で、米製造業は依然として減速していることを表しています。製造業のデータではやや底入れ感も出たようでしたが、まだそう簡単には底入れしていないという見方が裏付けられた格好です。その意味では今夜発表される1月のISM製造業景況指数は非常に注目されそうです。また今週末には雇用統計も出ます。新型コロナウイルスの感染問題で市場はネガティブな材料に反応しやすい状況になっています。予想を上回ってもドルの上昇が抑制され易く、逆に予想を下回るようだと、ドル売りがさらに強まることも予想されます。
今週のドル円レンジは107円50銭〜109円50銭程度を予想しますが、目先のサポートは108円前後です。一目均衡表の「週足の雲の下限」がこの辺りにあるからです。上で述べたように、コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、米経済指標が追い打ちをかけるような結果になると、107円台半ばから下方の水準も意識しなければならない状況もあり得ると思います。過度に悲観的になる必要はありませんが、これまでの楽観論が修正を迫られる状況になりつつあります。上値のメドは109円50銭前後と予想しています。ドル円も株も「戻り売りが有効」だといったスタンスに傾きつつあります。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
