新型コロナウイルスの感染が韓国やイタリアにも拡大し、昨日の海外の株式市場では「世界同時株安」の様相でした。NY株の大幅安を受けた連休明けの東京株式市場では朝方には、一時1000円を超える下げを見せました。ドル円はNYではリスク回避の流れが強まり、110円33銭まで下げましたが、今日の東京を見る限り、「円売り、株売り」が進み、先週見られたように、「日本売り」の動きが強まったようです。世界同時株安が進めば、リスク回避の円高が進む一方、日本での感染拡大が報じられると円売りに振れるなど、投資家としても取り引きが難しい局面にいると思われます。
先週には110円の節目を超え、特に110円30銭を超えると、一気にドル買いが強まり、112円20銭前後までドル高が進みました。市場が急激にドル高に進んだものの、東京が連休中には一転して110円台前半まで売られるなど、ドル円のボラが高まってきました。ドル高が緩やかに進む中、円だけが出遅れていたのが、これでユーロやポンドに追いついた印象ですが、コロナウイルスの影響が大きい分、日本の投資家は難しい判断に立たされていることになります。
焦点は、もちろん新型コロナウイルスの感染拡大がいつまで続くのかということに尽きますが、まずは中国の景気をどれだけ下押しするのかという点です。今週末には2月の製造業PMIが発表されますが、すでに予想は「45.1」と先月の「50」から大きく悪化すると見られています。サービス業PMIも同様に悪化が見込まれています。この予想が正しいとすると、1−3月期のGDPがマイナス成長になる可能性も否定できません。世界第2位の経済規模を誇る中国がマイナス成長に陥るということは、日本、欧州、さらには米国でもその影響が避けられないことになります。
もう一つの焦点は米国景気です。先週も好調な経済指標が続き、これがドル高に寄与したと思われますが、昨日のNYダウの1000ドルを超える下げは「米国でも中国景気の鈍化の影響は避けられない」といった見方の裏返しだと思われます。今後その影響が経済データに表れて来るのかが注目されます。金利先物市場ではすでに年内の利下げを織り込む格好になっていますが、米金利がさらに低下するようだと、米金利との相関が高いドル円はさらに低下するリスクがあります。現時点ではそのような兆候はみられませんが、今回の混乱がさらに長引くようだと、グローバル企業の多い米国にもじりじりと影響が及ぶことにもなります。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
