今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
03月09日 〜03月15日
ドル/円
100.00〜106.00
ユーロ/円
114.00〜120.00
豪ドル/円
64.00〜69.00

本稿は週明け9日(月)の午前中に書いていますが、今朝の金融市場の混乱は、まさに「パニック」と言ってもいい状況です。ドル円は朝方の104円台半ばから101円台半ばまで、ほぼ3円も急落しました。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことはもちろんですが、その拡大が米国にも及んできたことと、感染拡大中のイタリアでは感染による死者の数が増加し、8日には133人増えて366人になりました。この数は中国を除けば圧倒的に多い数で、死者数と感染者数では韓国を上回っています。

さらに本日の「アナリストレポート」でも書きましたが、先週末、OPECと非OPECで構成する「OPECプラス」の会合で、原油の減産で合意できなかったばかりか、サウジアラビアが「増産」に踏み切る可能性が報じられ、先週末のWTI原油先物市場では10%を超える下落で取引を終えています。この原油市場の混乱も投資家心理を不安定にさせ、円を買う動きへとつながっています。原油価格はさらに下げ足を速め、今朝の段階では先週末41ドル台で取引を終えたWTI原油価格が30ドル台(約25%)まで急落する場面もありました。原油価格の急落にドル円も一気に101円台半ばを付けています。シカゴ先物市場では、米国債がさらに買われ、長期金利は0.5%台まで低下し、S&P500の先物は一時5%を超える下げとなり、一段とリスク回避の流れが強まっている状況です。

この先、どこまでリスク回避の動きが続くのか予想するのは難しい状況ですが、日米欧が協調して対策を講じるなどの行動に出ない限り、好転するのは難しそうです。単に、政策金利を引き下げるだけでは混乱の終息にはつながらない気もします。あえて強気の見方をすれば、この種の混乱の最後には「パニック的な売りが出る」ことが多く、その後緩やかに終息に向かうこともあります。過去の経験では、為替も株も投げが出て、売りが売りを呼ぶ「パニック・セリング」で幕を引くという見方もできないことはありませんが、これはあくまでも「楽観的過ぎる予測」と言えるのでしょう。

ドル円は105円台を割り込んでからは次々と下方にあるサポートを割り込んできました。101円台半ばまで下落したことで、次の下値をメドは「100円」という、大台であり、心理的な節目ということになります。この水準は2016年の、BREXITとトランプ氏が大統領選で勝利した直後のレベルになります。そして100円を明確に割り込むと、なかなか下値のメドを探ることも難しくなります。投資家の皆さんは、出来るだけリスクを避ける姿勢を維持するしかありません。先週からに動きを見ていると、為替も株式も日米でキャッチボールをしながら下げています。本日の日経平均は2万円の大台どころか、1万9500円も割り込んでいます。本日のNYでもう一段下げるようだと、明日の日経平均株価もさらに下げる可能性があります。中国発の新型コロナウイルスの感染拡大で始まった今回の大混乱は、各国中銀による金利引き下げでは止まらない状況にまでなっているように思います。

今週の注目材料

  • 3/9(月)
    日 1月貿易収支
    日 2月景気ウオッチャー調査
    独 独1月貿易収支
    独 独1経常収支
    独 独1月鉱工業生産
    加 カナダ2月住宅着工件数
    加 カナダ1月建設許可件数
  • 3/10(火)
    中 中国2月消費者物価指数
    中 中国2月生産者物価指数
    欧 ユーロ圏10−12月期GDP(確定値)
  • 3/11(水)
    英 英1月鉱工業生産
    英 英1月貿易収支
    米 2月消費者物価指数
    米 2月財政収支
  • 3/12(木)
    欧 ユーロ圏1月鉱工業生産
    欧 ECB政策金利発表
    欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
    米 2月生産者物価指数
    米 新規失業保険申請件数
  • 3/13(金)
    独 独2月消費者物価指数(改定値)
    米 2月輸入物価指数
    米 3月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 3/14(土)
  • 3/15(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。