それにしてもFRBの政策決定の速さというか、機動力には正直驚きました。3月3日に臨時会合を開き、50ベーシスの利下げに踏み切ったと思ったら、今回は2日後に定例会合を控えている状況の中、日曜日(現地15日)にも拘わらず再び臨時会合を開き、今度は100ベーシスの利下げを決め、市場にサプライズを与えました。
裏を返せば、連日の株価の大幅下落で、17日からの会合を待てない程事態はひっ迫していたのかもしれませんが、その対応の速さは評価できます。ただ、市場への影響は早朝のわずかな時間にすぎませんでした。東京時間には、S&P500の先物指数は4%を超える大幅な下げに見舞われ、100ベーシスの利下げだけでは、「不十分」といった反応を見せています。パウエルFRB議長は緊急利下げ後に「新型コロナはやがて終息し、米経済は通常の活動水準を回復するとわれわれは承知している。それまでの間、金融当局は信用の流れを支えるため、引き続き自らの手段を活用していく」と述べています。(ブルームバーグ)ただ今回の利下げで政策金利がゼロになったことから、今週17−18日の会合ではマイナス金利まで踏み込まない限り、さらなる政策金利の引き下げはありません。これについて議長は「われわれはマイナス金利が適切な政策対応になる可能性は低いと見ている」と述べ、日欧のようなマイナス金利の採用には否定的な姿勢を示しています。だとすると国債購入を含む、量的緩和策を再び採用するということかもしれません。
FRBに刺激されたわけではないと思いますが、日銀は今週18−19日に予定されていた金融政策決定会合を本日12時からに前倒しし、1日で会合を終えることを発表しました。本稿執筆時時点ではまだ会合は続いていると見られ、終わり次第、政策変更を公表し、黒田総裁の会見もあるものと思われます。ただ会合でどのような対策が出されるのか、その内容が注目されています。政策金利はすでにマイナスで、ETFの購入額も少なくはありません。副作用が議論されているマイナス金利のさらなる深堀りや量的緩和の拡大、あるいはフォワ−ドガイダンスの強化などが考えられますが、果たしてそれで市場を納得させることが出来、株価の大幅下落に歯止めがかかるのか、不透明です。
ドル円は先週月曜日には101円台まで円高が進み、その後週末には108円台半ばまでドルが買い戻されるなど、非常に荒っぽい動きが続いています。101円台はややオーバーシュートであったとしても、ドルの上値が重い展開を予想していますが、米国で拡大中の新型コロナウイルスの感染がどこで止まるのかが重要な要素となります。ドル円の値動きは早く、しかも値幅も大きい展開が続いています。指値は、上も下も「ここまではないだろう」といったレベルでもいいかと思います。繰り返しになりますが、相場が落ち着くまで「Stand aside」(傍観)でもいいかと思います。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
