日本政府が「非常事態宣言」を発令する可能性が日増しに高まっていますが、本日月曜日、安倍首相は特措法に基づく「非常事態宣言」に踏み切る意向を固めたとメディアは報じています。小池都知事などが、早期の宣言を要請する動きが強まっていましたが、東京都の感染者数が3日連続で100人を超え、今後欧米で確認されているように、「爆発的増加」の可能性も出てきていることから、ようやく宣言を行うことを決断した模様です。
この報道が今朝の段階で伝わると、株価の上昇に伴ってドル円は109円台を回復し、午前中には109円08銭までドル高が進みました。「非常事態宣言」自体は、景気にとってマイナスに作用すると思われますが、政府が改めて「非常事態宣言」を行うことで、コロナに対する国民の意識が一層高まり、感染拡大に歯止めがかかるといった期待感が株価を押し上げているようです。午後にはS&P先物も3%を超える上昇を見せており、株式市場にやや安心感が出てきたといった状況です。
ただ、日本では今後も感染拡大が続くと見られ、米国の急拡大とともに、両国がいつピークに達し、感染者が減少に向うのにどの程度の日数を要するのか不明です。新型コロナウイルスの感染拡大が経済に与えている影響が徐々にデータとして表れてきました。米国では先週、新規失業保険申請件数が約645万件と、桁違いの数字が発表されました。その前の週と合わせて、2週間で1000万件と、サービス業を中心にレイオフが急速に進んでいる状況が浮き彫りになりました。それは先週末の3月雇用統計でも確認されています。雇用者数が70万人も減少し、2月には27万人以上増加した状況とは雲泥の差です。ただ、この数字は「景気悪化の始まり」の「始まり」と捉えるべきで、今後発表される数字は、リーマンショックのそれを大きく上回る内容が出て来ると認識しておくべきでしょう。
今後はトランプ大統領が「不幸なことに非常に恐ろしい期間が待ち受けている」と述べたように、これまでに見たこともないほどの死者の数が予想されています。ただ、米国では先に2兆ドル(約218兆円)の景気対策を講じましたが、すでに追加の対策をするべく話合いが近く行われる見込みです。野党民主党のペロシ下院議長も「超党派法案で新型コロナに追加対策が必要だ」と、追加対策には前向きな発言を行っており、早期の追加対策実施に期待が高まっています。個人に対する「30万の現金支給」がようやく決まり、その受給要件が今後検討される日本とはスピードという点では大きく異なります。
ドル円は109円台まで戻ってきました。105−110円が今後しばらくのレンジだとしたら、予想の上限に迫っています。「基軸通貨度ドルへの信認」という部分はあろうかと思いますが、このまま110円を超えて今年のドルの最高値を試す展開でもないと思われます。ある程度のロングは一旦手仕舞うことも必要かと思います。多くの投資家が手探りの中、ポジションメイクをおこなっていますが、その裏付けはほとんどないのが現状です。ここは、こまめに利益を取っていくしかありません。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
