今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
04月20日 〜 04月26日
ドル/円
106.50〜109.50
ユーロ/円
116.00〜120.00
豪ドル/円
66.50〜69.50

世界中で感染拡大が続いている新型コロナウイルスですが、欧米では感染者数の増加ペースが明らかに鈍化してきたことから、経済活動を再開する動きも出てきました。米国では、ミシガンやフロリダ、テキサ州が経済活動を再開する模様で、欧州でもドイツやフランス、オーストリアなどが近いうちに規制を緩和するようです。世界で最も多くの死者を出した米国では、その数がすでに3万9000人余りに上り、5万人にも届くと見られています。そのため新型コロナの発生源である中国に対する非難の声も日増しに強くなり、トランプ大統領は、中国がコロナウイルスを意図的に引き起こしたのではないかとの疑問を呈しています。「故意であれば報いを受ける」とトランプ大統領は述べており、「管理できなくなったミスだったのか、故意になされたのか、この2つには大きな違いがある」と語り、ホワイトハウスの新型コロナ対策調整官のバークス氏も「新型コロナのパンデミックに最初に見舞われた国は、その対応に透明性を確保する道義的義務がある」との認識を示しています。

わが国でも「非常事態宣言」が発令されてから今週で2週間目になります。引き続き東京都の感染者数は高水準ですが、先週後半あたりから地方での感染拡大が目立ってきました。盛り場や交通機関での人の数はかなり減少してきましたが、一方で郊外の公園などでは「密」が発生しており、新たなリスクと見る向きもあります先週末は中国のGDPが予想以上に悪化していたことがサプライズでしたが、今後日本の経済データでも同じようなことが起こる可能性が高いと予想されます。「自粛疲れ」が起きるタイミングではありますが、われわれに出来ることは、気を緩めずに出来るだけ外出を避けるしかありません。コロナ騒動はいずれ終息します。ただその「Xデー」が何時なのかが予測できないことで、不安が払しょくできない状況が続いています。

ドル円は方向感がなく、先週後半からは1日の値幅も徐々に縮小してきました。個人的にはまだ、ドルの戻りを売るスタンスが有効かと思いますが、先週トランプ大統領は、これまで自身が繰り返し発言してきた「ドルは強すぎる」といったスタンスから、ドル高支持に転換したのかと思わせる発言を行いました。発言は「ドルはとても強い。強いドルは全体としてとても良いことだ」というものです。この発言の真意はわかりませんが、一部には新型コロナ対策への大規模な財政出動で、その財源となる「米国債を海外の機関投資家に買ってもらうためのリップサービスでは?」といった声もあります。いずれにしても、この発言は「米国の貿易不均衡はドルが強すぎたことによるもの」との強い信念を持っているトランプ大統領の本心とは思えません。まだしばらくは方向感のない展開が続くと予想しています。

今週の注目材料

  • 4/20(月)
    日 3月貿易収支
    欧 ユーロ圏2月経常収支
    欧 ユーロ圏2月貿易収支
  • 4/21(火)
    豪 RBA議事録
    独 独4月ZEW景気期待指数
    英 英2月失業率
    英 英失業率(12月−2月)
    米 3月中古住宅販売件数
    米 企業決算 → コカ・コーラ、ネットフリックス、ロッキード
    加 カナダ2月小売売上高
  • 4/22(水)
    トルコ トルコ中銀政策金利発表
    欧   ユーロ圏4月消費者信頼感指数(速報値)
    英   英3月消費者物価指数
    米   2月FHFA住宅価格指数
    米   企業決算 → AT&T、アルコア
    加   カナダ3月消費者物価指数
  • 4/23(木)
    日 2月景気一致指数
    独 独5月GFK消費者信頼感
    独 独4月製造業PMI(速報値)
    独 独4月サービス業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月製造業PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月総合PMI(速報値)
    欧 ユーロ圏4月サービス業PMI(速報値)
    米 3月新築住宅販売件数
    米 企業決算 → イーライリリー、インテル
  • 4/24(金)
    日 3月消費者物価指数
    独 独4月ifo景況感指数
    米 3月耐久財受注
    米 4月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
    米 企業決算 → アメックス、ベライゾン、サノフィ
  • 4/25(土)
  • 4/26(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。