世界で新型コロナの感染が拡大する中でも、経済活動を止めるわけにはいかず、主要先進国では段階的に制限を緩和する方向で進んでいるようです。東京都では、4日連続で100人を超える感染者が確認され、全国でも感染者数が増加傾向にありますが、西村経済再生担当大臣は6日、新型コロナウイルスの感染拡大で制限を設けていたイベントの上限人数をさらに引き上げるなど、10日から想定している次の段階への移行について、専門家からの意見を聞いて対応すると述べています。西村氏は、「命を守りつつ、経済、暮らしを守るという両方を皆で力を合わせてやっていかなければならない」と述べ、「10日からはさらに経済レベルを引き上げていく段階入る」と指摘しました。感染者が世界でも断トツの米国でも同じように、経済活動再開を進めながら、コロナ対策を行う政策が取られていますが、個人的には感染第2波が押し寄せている現況では、やや経済に重きを置き過ぎるのではといった印象があります。感染第2波がパンデミックにつながらなければいいのにと思います。
今週も感染がどこまで広がるのかを確認しつつ、米中関係の緊張度にも目を向ける必要がありそうです。トランプ大統領は今週にも「香港自治法案」とは別に、中国に対する幾つかの制裁内容を公表する予定だと伝えられていますが、4日の独立記念日の演説でも、「中国の秘密主義の策略と隠ぺいが世界中にウイルスを拡散させた。中国に全責任をおわせなければならない」と語っていました。一方中国側も、仮に米国が制裁を発動した場合には対抗措置を取ると述べており、米中関係は悪化の一途をたどっている状況です。ただ為替や株式などの市場では、今のところこれらを材料視する動きはなく、週明けの東京株式市場では日経平均株価が大幅な上昇を見せ、一時先週末比400円近くも上昇する場面もありました。「リスクオン」とまではいかないものの、機関投資家も個人投資家も強気姿勢を崩していない状況になっています。
今週は特段重要な経済指標の発表はありません。そのため、株価の動きが一段と為替に影響を与える可能性がありますが、その株価の方も一進一退が続いており、その意味ではドル円も無風状態が続きそうです。ユーロ圏では9日にユーロ圏財務相会合が予定されており、ここで先に発表された「復興基金」の財源を巡る議論が行われます。7500億ユーロ(約91兆円)という大規模な基金がまとまるのかが焦点ですが、ユーロドルの動きがドル円にも波及する可能性があります。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
