ドル円は上値が重く、先週は徐々に上値を切り下げてきた印象がありますが、一方で下値の方も、106円台半ばを中心に底堅い動きになっています。今週も106円台半ば〜107円台半ばをレンジの中心と予想しますが、なかなか動きにくい展開が続き、個人投資家の方にとってもコロナ感染の広がりとともに、気の滅入る日々が続きそうです。
今週も予定されているイベントを見る限りは動かない相場を予想するしかありませんが、さらにわれわれにとっては木曜日から4連休で、市場と対峙する雰囲気でもありません。夏休みももうすぐですが、市場の方はとっくに夏休みモードです。もっとも、今年の夏休みは4月からの長い休校があったため、ほとんどの学校で夏休み期間の短縮が予定されており、例年とは異なり夏休みをのんびりと過ごそうといった雰囲気でもありません。また多くのIT企業では今後も「リモート・ワーク」を継続する意向で、日立製作所などの大企業でも継続されるようです。
動かないドル円ですが、動き方にもやや変化が表れています。「リスク回避」の円買いや、「避難通貨」の一つと見られていた円は、リスク回避の流れが強まると、むしろ先週などは売られ気味でした。「リスク回避のドル買い・円売り」が見られる傾向があります。基軸通貨である米ドルは、世界の貿易決済や資金の調達や運用に利用されているため、リスクが高まるとひとまずドルを手当てしておこうといった動きが想起されているようです。
そんな中、今週の注目はユーロドルの動きでしょう。先週末から始まったEU首脳会議では、復興基金を巡る議論が4日を費やしてもまだ合意に至っていません。復興基金の原資の割合いを巡って意見が分かれており、合意形成を目指すドイツのメルケル首相は「今回妥協点が見つかるかは断言できない」と述べ、現在示されている案に反対しているオランダのルッテ首相は、「合意できる確率は50%以下だ」と述べているようです。ただそれでも市場の見方はやや合意できるという見方に傾いているようで、週明けのユーロドルは1.14台前半で推移しており、合意への期待感も高いことが窺えます。従って今週何らかの形で合意に至れば、ユーロドルはもう一段上昇し、1.15を試す可能性が考えられます。テクニカル上でユーロ上昇を示唆していることも、ユーロ買いにつながりやすいものと思われます。もちろん、合意に至らず議論を再延期するようだと、利益確定のユーロ売りを誘発することになりますが、それでも、日足の雲の上限である1.12前後は重要なサポートになりそうです。ユーロについては、対ドル、対円ともに今週は上値がどこまであるのかを確認する週になるのではないかと思います。ドル円も上記106円台半ばと107円台半ばのレンジをどちらかに抜けて欲しいと思いますが、仮にレンジの上限を抜いたとしても、引き続き上値は限られるのではないかと予想しています。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
