上値の重い展開が続いていたドル円は、日本が4連休中の21日、欧州市場で104円ちょうどまでドル安が進みました。「緩やかなドル安が進む」と予想した通りの展開で、しかも、104円前後は非常に重要なサポート水準でもあるため、「1回の攻撃」では抜け切れない可能性が高いと想定していましたが、それに沿った動きとなりました。ただ、翌日22日には105円10銭近辺まで急速に値を戻した動きは想定外です。ドル反発が思った以上に速い印象ですが、これは多分に、ユーロドルでドル高が進んだ影響もあったと考えられます。
ユーロドルは9月1日に節目の1.20台に乗せ、その後調整が続いていましたが、それでも1.17台を割り込むとは思っていませんでした。ドイツを中心に景気回復の流れが続き、新型コロナの感染が収束した際には、日米欧でも最も速く景気回復の軌道に乗せる可能性があると見られていました。そのユーロドルが1.17を割り込み、週明けの東京市場では1.1674前後までユーロ安が進行しています。ユーロが売られ、ドルが買われたことで、ドル円でもドル高が進んだと思われます。欧州ではフランスを中心にコロナ感染が再拡大しており、これが嫌気され、欧州株の下落とともにユーロが売られたと見られます。足元のユーロドルは1.17を割り込んだことで、今後の明確な方向感が見つけにくい状況になって来ました。1.15〜1.20のレンジが想定されますが、これまでのユーロに対する強気の姿勢は、個人的には修正を迫られています。
ドル円は日足チャートでは、2月の112円23銭と、3月の101円18銭をそれぞれスタートとする三角もち合いを、104円まで下落したことで下抜けしています。従って、足元ではドルの買い戻しが優勢な状況が見られますが、戻りは限定的ではないかと思います。今週は戻っても105円台半ば、仮にその水準を抜けても106円に届くかどうかという水準でいっぱいだろうと思います。
来週29日(火)には、第1回大統領候補によるテレビ討論会が行われます。現職大統領でもあり、自身で数々の政策を実行してきたトランプ氏にとって、バイデン氏有利を覆す絶好のチャンスでもあります。全米に中継されるテレビ討論会で起死回生の演説をぶち上げるかもしれません。テレビ討論会は29日に始まって10月15、22日と、都合3回行われ、副大統領候補についても10月7日に1回行われます。11月3日の米大統領選まであと1カ月強です。2016年の大統領選挙で為替が大きく乱高下したことを考えれば、今回も同じような動きがあるかもしれません。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
