米大統領選挙まで1カ月余りとなり、いよいよ世界の目もここに集中し始め、為替もこの動きを材料視し始めることになります。そんな中トランプ大統領は26日、連邦最高裁判所のギンズバーグ判事の死去に伴い、後任にエイミー・バレット氏を指名しました。11月3日の大統領選挙では、コロナ禍で郵便投票を行う予定の有権者も多く、トランプ氏は「郵便投票は不正の温床になる」と、強く反対しています。報道によると、郵便投票を行うとした有権者の多くが「バイデン氏支持」を決めており、このまま郵便投票が実施されるとトランプ氏の敗北がより濃厚になるため、上記言葉につながったと思われます。それでも郵便投票が実施され、トランプ氏が負けた場合、「選挙は無効」と、連邦最高裁判所に提訴することも考えらえます。その際には上記エイミー・バレット氏を判事に指名したことが有利に働くとの考えがトランプ氏にはあると見られ、今回の指名につながったのではと言われています。
世論調査の行方は、バイデン氏の10ポイント程有利との当初の状況からその差が縮小しています。ただ、それでも直近の調査はバイデン氏リードで変わっていません。ワシントン・ポスト紙とABCニュースによる共同調査では、バイデン氏がトランプ氏に10ポイントの差を付けており、NYタイムズ紙とシエナ大学の調査では、バイデン氏のリードは8ポイントとなっています。その結果、全米平均ではバイデン氏のリードは7ポイントになっています。また、女性からの支持はバイデン氏が65%なのに対し、トランプ氏は34%。一方男性の支持率はトランプ氏が55%で、バイデン氏の42%を上回っています。どうやら女性の投票率が高まれば、バイデン氏勝利の確率が高まる構図のようです。
ただ、まだまだ勝負の行方は分かりません。29日に行われる直接討論では、現役大統領のトランプ氏が有利と思われます。声も大きいし、ジェスチャーも体が大きい分、国民に訴える力はありそうです。性格的にも、バイデン氏はトランプ氏ほど個性が強くはないのでしょう。では、為替への影響はどうでしょうか。トランプ氏が再選されれば、FRBへの利下げ圧力は継続され、ドルにとってはマイナス材料かと思いますが、一方で株式市場は歓迎するかもしれません。株価の上昇につながり、リスクオンから円が売られる可能性も否定できません。逆にバイデン氏が勝利すれば、ウォール街には優しくないため、株価の下落に伴い円が買われる事態もあるかもしれません。ただ民主党は、追加の経済対策には大規模の予算を計画しており、この予算が議会で通りやすくなるため、バイデン氏が勝っても株価は言われるほど下げない可能性もあります。今回の大統領選挙は、結果が判明するのがかなり遅れるとの予想もあり、途中経過からも為替は乱高下することも考えられます。いずれにしても、2016年大統領選挙のように、為替は大きく動く可能性が高いと予想されます。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
