いよいよ金融市場は11月3日の米大統領選をにらむ展開になってきそうです。直近の世論調査によれば、ソースにもよりますが、バイデン氏の支持率がトランプ氏を10ポイント以上引き離しているようです。追加の経済対策で民主党案に歩み寄る姿勢は見せてはいますが、仮にトランプ氏が民主党案まで経済対策の規模を引き上げても議会の承認を得なければなりません。その議会では、先に任命した連邦最高裁判所判事にバレット氏の承認を最優先しており経済対策案の審議に時間を割けないといった見方もあります。ペロシ下院議長もホワイトハウス案に妥協する姿勢を見せず、大統領選挙前に合意に達する可能性は低いと言わざるを得ません。
そのような中、10日にはホワイトハウス中庭で自身のコロナからの回復ぶりをアピールしたトランプ大統領でしたが、最後の逆転を掛け今週は選挙遊説に奔走するようです。15日の第2回討論会が中止になったこともあり、12日夜にはフロリダ州オーランドでの集会に参加し、13日にはペンシルベニア州、14日はアイオワ州へ飛び、演説を行う予定です。トランプ氏は11日、FOXニュースとのインタビューで、「一度回復すれば免疫が備わる。あなたたちの大統領は、ライバル候補者のように地下室で身を潜めている必要はない」とコロナからの完全回復を訴えていましたが、医師団からのコメントはありません。
大統領選ではバイデン氏リードの構図は変わっていませんが、同時に行われる上・下院連邦議会選挙の行方にも注目する必要があります。現在上院は共和党、下院では民主党が多数を占め、「ねじれ議会」となっています。今回の選挙でバイデン氏が勝利し、上院でも民主党が過半数を占めるようだと、上記民主党が主張する大規模な経済対策案が実施に移される可能性が高まり、ドル高・株高に振れることも予想されます。一方、大統領選で勝利しても、上院では過半数とれない場合は、これまで通りの「ねじれ」でバイデン新大統領の政策も簡単には実行されにくいことになります。バイデン氏リードがさらに広がる足元の情勢では、市場の目も、徐々に議会選挙の行方にシフトしつつあるとの指摘もあります。この辺りの情報にも注意しながら11月3日を迎えたいと思います。
ドル円は105円〜106円台半ばが目先のレンジかと思いますが、今後は大きく変動する可能性があります。2016年の大統領選の時ほどの大きな値動きはないとは思いますが、一旦動き出したらこれまでとは異なる動きになることは容易に想像できます。その前にポジションを調整しておくことが肝要です。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
