先週のドル円は久しぶりに動きが出て、週末には103円18銭までドル安が進みました。今年最大のイベントと言ってもいい、米大統領選が注目材料でしたが、そこに加えてFOMCや雇用統計もあり、さすがに動きの鈍いドル円も大きく動きました。大統領選挙の開票が始まると、トランプ氏の善戦が伝えられ、ドル円は105円35銭近辺まで上昇しましたが、その後は開票結果が進むにつれドル安が進み、週末の雇用統計発表後は103円台前半までドル安が進んでいます。バイデン氏の勝利が確実になりましたが、「リスクオフのドル買い」の裏返しとも言えるように、株価の上昇と逆行するようにドル安傾向が進んでいます。
週明けの東京ではバイデン氏の勝利宣言を受け、日経平均株価が急騰し、本稿執筆時では先週末比620円高の2万5000円に迫る水準まで株高が進んでいます。一方ドル円の方は103円台前半の動きで、ほとんど水準を変えていません。しばらくは「株高・ドル安」の流れが続きそうな気配です。4年に1回の米大統領選もまだバイデン氏の勝利は確定してはいないものの、どうやら終わりそうです。2016年と大きく違うのは、まず事前予想通りバイデン氏の勝利で終わったことです。そのためサプライズはなく、2016年には開票直後から2カ月ほどで18円以上も大きく動いたドル円は、現時点では極めて限定的な動きに留まっています。
市場ではドル安が進んでいることからユーロドルも先週末には1.18台後半までユーロ高が進み、こちらも節目の1.20まで再び上昇できるかが注目されます。ドル円は3月に記録した101円18銭が重要なポイントで、100−101円ミドルのゾーンがサポートと言っていいと思います。株高がドル安に繋がるとすれば、反対にトランプ氏が敗北を受け容れずに大統領の就任が決まらないというような事態になれば、株価が調整することも無いとは言えません。そうなると足元のドル安の流れに変化が出る可能性もあります。また、仮に101円を割り込み100円を試す展開になれば、日銀による追加緩和なども想定されそうです。コロナ禍の中、景気後退が顕著になっている状況で円高による景気のさらなる悪化は避けたいところ。市場介入といった実弾は考えにくいとしても、何らかの行動を取るか可能性はあるかもしれません。ドル安目線は変わらないとしても、突っ込み過ぎには注意が必要かと思います。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
