今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
3月1日 〜 3月7日
ドル/円
105.50〜107.50
ユーロ/円
126.00〜130.00
豪ドル/円
81.50〜84.50

先週は米債券市場で大きな動きがあり、それに伴って日米の株式市場も乱高下しました。一方為替市場ではドルが底堅く推移し、緩やかなドル高傾向が鮮明になっています。特にドル円は、先週23日に105円台を一時割り込んでからはほぼ一貫してドルが買われる展開となっており、「リスクオン」でも「リスクオフ」でもドルが買われるというより「円が売られる」といった状況が続いています。一貫して買われたドル円は足元では「週足」の雲に突入し、いよいよこの上方にある、抵抗帯や抵抗線に挑むといった形になっています。

2月初旬からは株式市場に引っ張られる形で、米金利が動き、リスクオンに伴ってドルが買われてきましたが先週は、米長期金利が上昇したことで、ドル高に振れ、長期金利が1.61%まで上昇したことを嫌気して、日米の株価が急落しました。今週もこの長期金利が各市場のドライバー的な役割を演じることに異論はなく、長期金利の行方に注目が集まります。個人的には1.61%まで一気に上昇した金利の早さには驚きましたが、これはいわゆる「悪い金利上昇」に属します。景気拡大に伴い物価が上昇すれば、金利も上がりますが、まだコロナ感染拡大の封じ込めには至っておらず、現時点ではそういった状況とは言えません。今週は、ブレイナードFRB理事など、FOMCメンバーの発言機会が多くあります。足元の金利高をけん制する発言が出て来ると予想されます。

市場の一部には先行する金利高は、近い将来のFRBによる金融政策を先取りした動きで、この先「催促される」格好で、FRBが金融政策の変更を余儀なくされるといった見方もあるようです。今日から3月です。今年はまだ2カ月しか経っていませんが、バイロンウイーン氏の「2021年びっくり予想」に『米成長率は6%を上回り、10年債利回りが2%に上昇する』という予想があります。ウイーン氏自身は確率が5割以上と予想していますが、この分でいくと2%の達成は確実のように思えてきます。

今週は本日のISM製造業景況感指数をはじめ、重要経済指標の発表が相次ぎます。ISM非製造業景況指数、ADP雇用者数、雇用統計と、労働市場と景気を判断する上で注目されます。米国では、1月下旬から厳しい移動制限の解除が段階的に進んできました。一時は1日あたり30万人にも達した感染者数は、現在では7万人程度に減少してきました。加えて、J&Jが米国では3番目となるワクチンの開発に成功し、米食品医薬品局(FDA)が27日承認しています。同社のワクチンは1回の接種で済むとされ、通常の冷蔵庫でも保管が可能といった特性があります。今後米国では一気にワクチン接種が進む可能性があります。コロナのパンデミックから抜け出す国は、米国が一歩リードしたかもしれません。

上述のように、今週の経済指標ではコロナからの復活がどの程度なのかを計る手掛かりになります。市場予想を上回る結果になると、バイデン大統領が掲げる1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策も規模の縮小を余儀なくされることにもなるかもしれません。ドル円は堅調に推移していますが、ここから107円台では予想以上に壁が高いのではないかと見ています。

今週の注目材料

  • 3/1(月)
    中 2月財新製造業PMI
    独 独2月製造業PMI(改定値)
    独 独2月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏2月製造業PMI(改定値)
    英 英1月消費者信用残高
    米 2月ISM製造業景況指数
    米 2月マークイット製造業PMI(改定値)
    米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
    米 アトランタ連銀総裁、クリーブランド連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、パネル討論に参加
  • 3/2(火)
    豪 豪10−12月期経常収支
    豪 RBA、キャッシュターゲット
    日 1月失業率
    日 2月マネタリーベース
    独 独2月雇用統計
    欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(速報値)
    米 2月自動車販売台数
    米 ブレイナード・FRB理事、討論会に参加
    米 デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演 
    加 カナダ10−12月期GDP
  • 3/3(水)
    豪   豪10−12月期GDP
    中   2月中国サービス業PMI
    中   2月コンポジットPMI
    トルコ トルコ2月消費者物価指数
    独   独2月サービス業PMI(改定値)
    欧   ユーロ圏2月サービス業PMI(改定値)
    欧   ユーロ圏1月生産者物価指数
    米   2月ADP雇用者数
    米   2月マークイットサービス業PMI(改定値)
    米   2月マークイットコンポジットPMI(改定値)
    米   2月ISM非製造業景況指数
    米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
    米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
    米   ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、討論会に参加
  • 3/4(木)
    豪 豪1月貿易収支
    欧 ユーロ圏1月小売売上高
    欧 ユーロ圏1月失業率
    米 新規失業保険申請件数
    米 1月製造業受注
  • 3/5(金)
    中 中国全国人民代表大会
    独 独1月製造業新規受注
    米 1月貿易収支
    米 2月雇用統計
    米 1月消費者信用残高
  • 3/6(土)
  • 3/7(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。