3月は本日を含めてあと3日です。3月末は多くの企業にとっては「2021年3月期」の決算日にもあたります。今期は期を通じてほぼ「コロナ禍」でした。そのため、「巣ごもり」需要の恩恵から最高益を記録する企業がある一方、飲食や旅行、さらに運輸といった企業では記録的な赤字を余儀なくされており、最早、企業努力の域を超えています。輸出企業にとってはドル円など、主要通貨では円安が進行し、その意味では予想外の恩恵もありました。週明け月曜日の東京時間にも109円80銭程度までドル高が進み、値ごろ観から輸出企業のドル売りも持ち込まれたようで、この時間帯に関してはドルの上値が重い展開が見受けられます。
木曜日から4月ということもあり、今週は米景気、とりわけ労働市場がどこまで改善傾向を示すのか確認できることになります。1日(木)に発表される3月ISM製造業景況指数は前月の「60.8」からさらに改善すると見られ、予想は「61.8」としています。昨年4月には急激なコロナパンデミックにより節目の「50」を割り込んでいましたが、もし予想通りの結果であれば、実に1983年12月以来の高水準ということになります。同指数は「50」を超えると拡大していると見られ、今年に入っては「60」を超えており、コロナ前の水準を大きく上回っています。
31日(水)には3月ADP雇用者数の発表です。こちらも先月の「11.7万人」に対して予想は「55万人」と、大きく改善していると見られています。先週発表された新規失業保険申請が「68.4万件」と、コロナ前の水準には遠く及びませんが、2020年3月の第2週以来となる低水準でした。2日(金)の雇用統計でも非農業部門雇用者数は好調だった先月よりもさらに増加が見込まれ、「63.5万人」と予想されています。コロナワクチンの接種が進み、バイデン大統領も4月末までに2億回の接種を行うという新たな目標を設定するなど、企業はコロナ後をにらんで、そろりと攻めの姿勢に動き出したことを物語っていると思われます。また、個人も株高による資産効果が続いており、さらに今回の大規模な経済対策で現金給付も実施されたことから今後消費が底堅さを見せ、拡大も見込める状況です。ただ、今回の市場予想はすでに相当改善されているのと見方が基準となっているため、予想そのものが高水準となっており、予想を下振れする可能性もないとは言えません。市場予想通り米経済回復の足取りが確かであることが確認され、ドル円が110円台を固めるのか、あるいは市場の期待が先行しているのか、確認することが出来る週になります。結果通りかあるいはそれを上回るようだと、インフレ観測から長期金利が再び大きく上昇し、株価は下がるものの、ドル円が上昇するケースも想定されます。今週もドル円はもみ合いながらも堅調に推移すのではないでしょうか。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
