今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
4月26日 〜 5月2日
ドル/円
107.00〜109.00
ユーロ/円
129.00〜132.00
豪ドル/円
83.00〜85.00

米長期金利が低下し株価も乱高下する中、ドル円は先週約1カ月半ぶりとなる107円台半ばまで下落しました。週を通じてドルの上値は重く、一部には3月まで続いていたドル高局面にも変化が出てきた可能性も浮上してきたとの観測もありますが、筆者としてはまだ「ドル高基調」を基本とするシナリオを維持しています。それは、ドル円の動きを左右するドライバーである米長期金利がこのまま低下する可能性が低いと見ているからです。

3月30日には1.77%まで急騰した米長期金利はその後緩やか低下に転じ、先週は一時1.53%近辺まで低下する場面がありました。米長期金利は債券価格と逆の動きをしますが、その債券の今後の需給を考えたら、大幅な価格の上昇は考えにくいということです。大規模な経済対策の財源としての国債の増発は避けられず、今後詳細が発表される2兆ドルを超えるインフラ投資計画も、規模の縮小を迫られる可能性はありますが、財源に国債が充てられることは変わりません。また、先週報道された富裕層に対するキャピタルゲイン税引き上げによる財源確保についても、報道されたような規模の増税は難しく増税率の軽減がなされるとの見方もあります。先週、富裕層に対する増税が報道されたことで株価が急落する場面があったように、増税幅が軽減されるようだと、株が買われ、債券が売られることにもつながります。株と債券がともに買われることも無いとは言えませんが、今後米国ではコロナワクチンの接種がさらに進み、経済指標が予想を上回る状況が続けば、いずれ市場はFRBによる債券購入の縮小を意識し始めることになると予想します。

今週の注目点は3点かと思います。まずは28日のFOMCです。政策変更はないと予想されますが、今後の政策スタンスに関するヒントが出て来る可能性があります。とりわけ、先週カナダ中銀が主要国の先陣を切って「テーパリング」に踏み切ったことで、どのような認識を示すのか、次回以降のFOMCを占う意味では重要になってきます。良好な経済指標が続く中、カナダ中銀のサプライズを受け、テーパリングに対するFRBのハードルもやや下がったと見ています。

2つ目は同日に行われるバイデン大統領の上下両院合同会議で演説です。ここでは先に報道された富裕層に対する増税がより詳細に判明すると見られるほか、トランプ前大統領が引き下げた法人税も元の水準に戻される可能性も指摘されています。

そして3つ目が、本格派する米企業決算の発表です。本日6日にもEV専門メーカーの「テスラ」が決算発表を行いますが、同社のEVは中国を中心に販売台数を大きく伸ばしており、決算の内容が注目されます。

「テスラ」以外にも今週は「アップル」、「アルファベット」など、GAFAの一角が決算発表を行うため、内容次第では株式市場全体のセンチメントに大きな影響を及ぼすことも想定され、為替、金利も影響を受ける可能性があります。言うまでもなく、好決算が相次ぐと、リスクオンが強まり米金利の上昇からドルが買われることにもつながります。逆にセンチメントを悪化させることになると、ドル円にとっても重石になりそうです。今週は日本企業の2021年3月期決算の発表も多く控えており、日米株式市場の動きが、為替、金利を動かすドライバーになるかもしれません。

今週の注目材料

  • 4/26(月)
    日 2月景気先行指数(CI)(改定値)
    独 独4月ifo景況感指数
    米 3月耐久財受注
    米 企業決算 → テスラ
  • 4/27(火)
    日 日銀金融政策決定会合
    日 黒田日銀総裁記者会見
    中 中国3月工業利益
    米 2月ケース・シラ−住宅価格指数
    米 2月FHFA住宅価格指数
    米 4月消費者信頼感指数
    米 4月リッチモンド連銀製造景況業指数
    米 企業決算 → スターバックス、アルファベット、GE、イーライリリー、マイクロソフト
  • 4/28(水)
    豪 豪第1四半期消費者物価指数
    独 独5月GFK消費者信頼感
    米 FOMC 政策金利発表
    米 パウエル議長記者会見
    米 バイデン大統領、上下両院合同会議で演説
    米 企業決算 → アップルフェイスブック、ボーイング
    加 カナダ2月小売売上高
  • 4/29(木)
    豪 豪1−3月四半期輸入物価指数
    日 東京市場休場(昭和の日)
    独 独4月雇用統計
    独 独4月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏3月マネーサプライ
    欧 ユーロ圏4月景況感指数
    欧 ユーロ圏4月消費者信頼感(確定値)
    米 新規失業保険申請件数
    米 1−3月GDP(速報値)
    米 3月中古住宅販売成約件数
    米 企業決算 → アマゾン、キャタピラー、マクドナルド、メルク、ブリストルマイヤーズ
  • 4/30(金)
    豪 豪第1四半期生産者物価指数
    日 4月東京都区部消費者物価指数
    日 3月失業率
    日 3月鉱工業生産
    独 独1−3月期GDP(速報値)
    欧 ユーロ圏3月失業率
    欧 ユーロ圏4月消費者物価指数(速報値)
    欧 ユーロ圏1−3月期GDP(速報値)
    米 1−3月雇用コスト指数
    米 3月個人所得
    米 3月個人支出
    米 3月PCEコアデフレータ
    米 4月シカゴ購買部協会景気指数
    米 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 5/1(土)
  • 5/2(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。