今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
4月14日 〜 4月20日
ドル/円
138.00〜146.00
ユーロ/円
157.00〜164.00
豪ドル/円
85.00〜92.00

「相互関税」が90日間延期されたことや、スマートフォンなど一部電子機器が一時的かもしれませんが、適用除外になることなどから、週明けの東京市場では日経平均株価が一時700円程上昇するなど、リスク回避の流れがやや後退気味です。ただ、NYでは144円台まで上昇したドル円については、再び円高方向で推移し、午前中には142円25銭まで売られています。

今週は、赤沢経済財政・再生大臣が訪米し、17日(木)にはベッセント財務長官と日本に対する関税について協議することになっていることが、くすぶっているようです。ベッセント財務長官はすでに、日本に対しては楽観的な内容になると示唆していましたが、こればかりは蓋を明けて見なければわかりません。赤沢大臣は先週、為替に関して交渉するかを問われ、「相手方が持ち出すことについて、最初から頭ごなしにシャットアウトすることは出来ない」と答え、その上で、「そういう話題が米国側から出れば、もちろんそれについて議論に応じることになる」と話していました。

仮に為替が議題に上がるとすれば、現在の水準よりも円高方向で合意する公算が高く、市場もその辺りを意識し始めているといった状況です。もしそうだとすれば、ドル円は「議題に出た」というヘッドラインだけでも節目の140円を割り込む可能性がありそうです。日本に対する25%の相互関税はある程度軽減されると予想していますが、同時にそのために米国が何を求めてくるのかが焦点です。因みに、米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した8日時点でのヘッジファンドなどが利用していると見られるポジションは、記録的な「円買い・ドル売り」である14万7千枚に膨らんでいました。投機筋は今後円高方向に振れると考え、ポジションを構築していると見られます。

トランプ大統領は、免税措置については、「14日にその答えを教えよう。14日にかなり詳しく説明する」と述べており、今夜にもその詳細が判明するかもしれませせん。多くの貿易相手国がトランプ政権に接触し、関税の減免措置を願い出ているようです。中にはベトナムのように、すでに互いが関税ゼロで合意に近い国もあるようです。トランプ氏が良く口にするのが、「米国では何百万台の日本車が走っているが、日本で米国車が走っているのは見たことがない」といったフレーズです。これはオバマ元大統領も述べていたことです。日本政府は、米国車には関税をかけていません。つまり、関税障壁はないことになります。それでも米国車が日本で売れないのは、その理由があるからに他なりません。まず、大きいことで燃費が悪い。さらに右ハンドルの車を製造していない。また、電気系統の故障が多い、そして極め付きは、米国車はデザイン等が魅力的ではないということです。上記欠点は、多少言い古されたことで、旧聞に属することかもしれませんが、要はドイツ車に比べ総合的に劣っているということです。米国で多くの日本車が走っているのは、米国人が選んだ結果で、日本で米国車が走っていなのも日本人が選んだ結果です。それを関税という「伝家の宝刀」を持ち出すトランプ氏こそ、フェアーではないと思いますが、どうでしょう。

今週の注目材料

  • 4/14(月)
    日 2月鉱工業生産(確定値)
    中 中国 3月貿易収支
    米 NY連銀、3月消費者インフレ期待
    米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
    米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会に参加
    米 決算発表 → ゴールドマン
  • 4/15(火)
    豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表
    独 独4月ZEW景気期待指数
    欧 ユーロ圏2月鉱工業生産
    英 英3月失業率
    英 英ILO失業率(12−2月)
    米 4月NY連銀製造業景況指数
    米 3月輸入物価指数
    米 3月輸出物価指数
    米 2月鉱工業生産
    米 決算発表 → ジョンソンエンドジョンソン、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ
    加 カナダ3月住宅建設許可件数
    加 カナダ3月消費者物価指数
  • 4/16(水)
    中 中国3月小売売上高
    中 中国3月鉱工業生産
    中 1−3月GDP
    欧 ユーロ圏2月経常収支
    欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(確定値)
    英 英3月消費者物価指数
    米 3月小売売上高
    米 3月鉱工業生産
    米 3月設備稼働率
    米 4月NAHB住宅市場指数
    米 パウエル・FRB議長講演
    米 メスター・クリーブランド連銀総裁、質疑応答
    米 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁、ダラス連銀総裁と討論
    加 カナダ中銀政策金利発表
  • 4/17(木)
    豪 豪3月雇用統計
    日 3月貿易統計
    独 独3月生産者物価指数
    欧 ECB政策金利発表
    欧 ラガルド・ECB総裁記者会見
    米 株式・債券市場、短縮取引
    米 新規失業保険申請件数
    米 3月住宅着工件数
    米 3月建設許可件数
    米 4月フィラデルフィア連銀景況指数
    米 決算発表 → ブラックストン、ネットフリックス
  • 4/18(金)
    日 3月全国消費者物価指数
    米 グッドフライデー(聖金曜日)の祝日で米、欧州、英国など休場
  • 4/19(土)
  • 4/20(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。