今朝の「アナリストレポート」でも触れたように、今日の東京市場では株価の大幅上昇が見込まれたことで、株高に伴う「ドル高円安」と、一方で158円台ということで、これまで以上に介入警戒感が強まることから、「株高に伴う円売りと介入警戒感のせめぎ合い」とのコメントを残しました。さらに、この流れは変わらず近い将来どこかの時点で昨年のドルの高値である158円88銭をテストすると予想しました。その可能性は予想された以上に早かったようです。
東京株式市場では日経平均株価が1800円以上も上昇し、ドル円もNYの高値であった158円20銭を上回り、午後1時20分時点では158円91銭まで上昇し、上記ドルの最高値をわずかですがクリアしました。介入警戒感がありながらも、株価の上昇に伴う円売りが勝った格好です。投機筋からすれば、G7会合に出席のため片山財務大臣や三村財務官が日本を離れていることも、円売りを加速させやすかったのかもしれません。どちらかと言えば、ドル売り意欲の強い東京時間での最高値更新には、こうした背景があったのかもしれません。
その片山財務相は13日、ワシントンでベッセント財務長官と会談し、一方的な円安を憂慮していると伝え、認識を共有したと述べ、急激な円安をけん制しています。片山財務相は、「9日に一方的に円安が進んだ場面が見られた」とした上で、ベッセント長官には為替動向を「憂慮していることを伝え、長官もこうした認識を共有した」ことを明らかにしました。片山財務相の会見後、同省幹部は、為替相場への対応について、必要に応じて日米の大臣代理レベルで連絡を取りあうことを確認したとも話しています。また、尾崎内閣官房副長官も13日午前の定例会見で、為替市場の動向について「足元で一方的また急激な動きも見られており、憂慮している」と発言。相場は「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要だ」とし、政府としては「投機的な動きも含め、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていく」考えを改めて示しています。
ただ、先週末のNY時間で一部新聞社が報道した「高市首相、衆院の解散を検討」について、新たな動きも見られます。共同通信は13日、「高市首相が、23日招集予定の通常国会冒頭で衆院解散する意向を自民党幹部に伝達した」と報じました。筆者は、この週末の動きから、「1月中には解散する」との確信を持ちましたが、こちらも想定したよりも早く、この動きが、「円安・株高」といった高市トレードを復活させています。考えてみたら、筆者は昨年の夏場以降、一貫して「ドル高」を主張してきました。時間はかかりましたが、ようやく昨年の最高値に達しています。FRBによる3回の利下げと、日銀による1回の利上げでも円高に振れたのはほぼ一瞬だったと言えます。もはや、日米金利差だけでは説明がつかない状況かと思っていました。そこに高市政権の誕生です。支持率の極めて高い高市首相のこと、解散総選挙となれば勝利すること間違いないでしょう。その結果、「責任ある積極財政」は国民から支持を得たこととなり、長期政権の可能性すら出てきます。つまり、円安・株高が長期化する可能性があるということです。最大のリスクは、日中関係がさらに悪化することでしょうか。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
