米国とイランの停戦協議が決裂したことで、今朝の「今日のアナリストレポート」でも、ドル円での円安進行に加え、株と債券が売られる「トリプル安」が進む可能性を指摘しました。ドル円は160円前後では「実弾介入」が予想され、一気に円安が加速しないまでも、159円85銭まで円売りが進みました。債券市場では債券が売られ、長期金利の指標となる新発10年国債利回りは一時1997年以来となる、「2.49%台」まで上昇しました。また株式市場でも日経平均株価は売られ、一時先週末比600円程下げる場面もありました。米国とイランが週末の協議で戦争終結に向けた合意に至らなかったことと、トランプ大統領がエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の全面的な海上封鎖を発表し、WTI原油先物価格が105ドル台まで上昇したことが材料になりました。政府は「年明けまでの原油確保のメドがたった」と述べていましたが、それでも「油に弱い日本」の構造転換は一朝一夕にはできず、「原油高=円売り」の構図はそう簡単に変わりません。
最近、とみに暴力的な言葉使いが増えてきたように思えるトランプ大統領ですが、一部には高齢者特有の認知機能の低下を指摘する声もあります。その点は、直ぐに同意はできないとしても、自身が考えていた以上に強い「イランの徹底抗戦」に、いらだっていることの表れかもしれません。このままイランが抵抗を続けるようだと、一旦は延期されたイランへの「過去に例を見ない大規模攻撃」を発令することも考えられます。石油がからんでいるだけに、ロシアがウクライナへ侵攻した際の影響よりも、今回の方が遥かに大きいと言えます。
米国ではインフレの進行が確実に進んでいますが、ブルームバーグは、米国民の「質屋」通いが増えてきたと伝えています。米国に「質屋」が存在していたこと自体、筆者は知りませんでしたが、なぜ今このタイミングで増えているのか・・・・。
カリフォルニア州ストックトンで代々続く質店のキャシディーズ・ジュエリー&ローンを営むティム・キャシディ氏は、「質入れの件数は大幅に増えている。人々は仕事に行くためにガソリンを入れなくてはならないからだ」と語っているとか。また、同州サンタローザの質店アビーズ・ポーン・アンド・コインの共同創業者アビゲイル・ミエルカレク氏は、「高級腕時計の持ち込みがやや増えている」と話し、「比較的余裕のある人たちも、物価上昇の影響を感じている」と証言しています。「一般に低所得世帯は富裕層に比べ、収入に占める燃料費の負担が大きく、ガソリン価格上昇の影響を受けやすい。全米のガソリン平均価格はイラン戦争前には1ガロン当たり2.984ドルだったが、4月8日時点で4.1664ドルへと急騰している。(ブルームバーグ)ことが要因で、「質入れ」することで、ガソリン代を捻出しているケースが増加しているとのことです。質店を利用する人は銀行口座などを持てない人が多く、質店の動向は、消費者の負担の強まりを示す先行的な指標となり得るようです。
外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。
