今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

今週のレンジ予想
8月10日 〜 8月16日
ドル/円
155.00〜160.00
ユーロ/円
180.00〜185.00
豪ドル/円
110.00〜113.00

日本銀行が7月30、31日に開いた、金融政策決定会合での「主な意見」が公表されました。その中で、従来よりも利上げペースを加速する必要性に複数の政策委員が言及していたことが判明しました。政策委員の1人は「一時的要因を除いた基調的な物価上昇率が2%に近づく中、物価の上振れリスクにはこれまで以上に配慮する必要がある」と指摘。その上で、「経済・物価・金融情勢によっては、利上げのペースが市場の想定より早まることも考えられる」と述べていました。その委員は「待つことのリスクが小さいとは言えない。金融緩和度合いの調整をペースアップする必要がある」と主張していました。会合では、政策金利を1%程度に据え置くことを賛成多数で決めていました。日銀は6月に利上げを実施しており、ペースについて市場では「半年に一回程度」との見方が大勢で、事実、前回の利上げは昨年12月だったことで、そのようなペースでの利上げが市場のコンセンサスとなっています。またある委員は、グローバルな利上げ局面に転じる中で、一定の利上げペースにとらわれないことの重要性を指摘し、「海外の金融環境の転換にも応じた機動的対応や利上げ幅の議論が必要となる新たな局面に転換した」と述べていたとされています。

一方、米国側からは利上げへの圧力が増しているとも言えます。ベッセント米財務長官は4日、米経済専門局CNBCとのインタビューで、円相場の安定が重要との認識を示し、日銀が「必要なことは実行すると信じている」と述べていました。7月末に行われたNYでの「協調介入」はサプライズでしたが、その後徐々に判明した舞台裏では、米国が日本の通貨当局と足並みを揃えて円売り介入したのは、「円が一段と下落するのを懸念したのではなく、日本の国債がさらに売られ、円の金利が「一断高になることを懸念しての協調介入だった」ことがトランプ政権に近い米政府高官からのインタビュー発言で明らかになっています。だからこそ、ベッセント氏の口からは上記発言が出たものと理解できます。筆者は、日銀追加利上げは早くても10月と予想していますが、「円相場次第では9月利上げも可能性として浮上して来るのではないか」とも考えています。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、日米通貨当局が米東部時間7月31日に実施した外国為替市場への協調介入に関し、欧州中央銀行(ECB)には、事前に知らされていなかったと報じました。自国通貨である「米ドル」を使わず、ユーロ圏の通貨である「ユーロ」を使う場合、通常ならばその通貨を管理するECB当局にも通知があってしかるべきところ、今回は事前に連絡がなかったとのこと。この部分でも、NY連銀の「ユーロ売・円買い」介入が異例だったことが分かります。FTによれば、ラガルドECB総裁とベッセント財務長官は8月1日に介入について話したということで、ECBの一部当局者は、介入の取引手段にユーロを用いた米国の決定に関し、「西側金融当局の慣行を破る前例のない違反と受け止めた」と伝えています。米財務省の報道官は同紙に対し、介入に用いた「為替安定化基金(ESF)」の外貨準備の配分に関する決定は、外国当局と調整を行っていないと説明しています。

今後の焦点は、このような異例な形で日米が協調介入を行ったことで、「円安の流れが変わるのかどうか」という点です。「単独の介入だけで長期的な流れが変わったことは、経験上はない」ことを、これまでに何度もコメントしてきましたが、今回は「協調介入」です。今後の動きを注意深く見ていかなければなりません。

今週の注目材料

  • 8/10(月)
    日 6月国際収支・貿易収支
    日 7月景気ウオッチャー調査
  • 8/11(火)
    豪 豪7月NAB企業景況感指数
    豪 RBA、キャッシュターゲット
    米 7月中古住宅販売件数
    米 サウスカロライナ州で共和党上院議員の予備選
  • 8/12(水)
    豪  豪第2四半期賃金指数
    中東 OPEC月報
    独  独7月消費者物価指数(改定値)
    米  7月消費者物価指数
    米  7月財政収支
  • 8/13(木)
    欧 ユーロ圏6月鉱工業生産
    英 英4−6月期GDP(速報値)
    英 英6月鉱工業生産
    米 7月生産者物価指数
    英 英6月貿易収支
    米 新規失業保険申請件数
    米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
  • 8/14(金)
    欧 ユーロ圏4−6月期GDP(改定値)
    欧 ユーロ圏6月貿易収支
    米 7月小売売上高
    米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 8/15(土)
  • 8/16(日)
 
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。

・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。

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外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。