今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(12/6 〜 12/10)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  81.00 〜 85.00
ユーロ/円 ・・・ 108.00 〜 113.00
豪ドル/円 ・・・  80.00 〜 83.00
ユーロ/ドル・・・ 1.3000 〜 1.3500





先週1週間のドル円は週央に83円台半ばまで円高に振れる場面もありましたが、総じて小動きで、



ユーロドルの動きに左右される展開が多く観られました。



また、明確な方向感もなく、ほぼ84円を挟む展開でした。



そんな状況の中、週末には11月米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が事前の予想を大幅に下回ったことから



ドル売りが加速し円は一時、82円52銭まで急騰しました。






前日発表されたADP雇用者数が大幅に伸びていたことで



「雇用統計もかなり上振れる」との期待感が支配的だったことも影響しています。



実際蓋を開けてみると11月の雇用統計は悲惨なものでした。



雇用者数、失業率ともに市場予想を大きく下回り、米労働市場の回復はまだ道半ばであることが再確認させられた結果に終わりました。



雇用統計の悪化はドル売りだけではなく、米景気回復の遅れから株式市場でも売り材料と観られ、



資金は債券へとシフトするのが一般的です。



ただ、先週末はバーナンキFRB議長がテレビ番組の中で、先の追加緩和(QE2)の正当性を説明するとともに、



追加資産購入の可能性を否定しなかったことを好感し、株高に繋がりドルも一段安で反応しました。



しかしながら、だからと言ってFRBによる追加緩和第3弾(QE3)の可能性を議論するのは時期尚早かと思います。



QE2についてさえも、エコノミストや共和党有力議員からは反対の声があがり、



記憶に新しい所です。



バーナンキ議長がその正当性を説得するのに躍起になったことは



さらに振興国からも、米国の金融緩和策が新興国通貨高を招いた元凶とされ、その副作用を指摘されています。



今後さらなる追加緩和(QE3)の実施に向けた議論がなされる可能性は極めて少ないと思います。






今後の相場展開については非常に読みにくくなってきました。



米景気の回復が緩やかながら確認されるという状況から、一気に労働市場の減速となったわけです。



それまで続いた景気の回復傾向がメインの流れで、今回の指標は一時的なものであれば再びドル高に向かうことも考えられますが、



現状では判断できません。



短期的なテクニカルを観るとドルの下落を暗示しています。



下値のメドとしては「100日移動平均線」と「200日移動平均線」が集まっている82円20−40が目先のサポートになろうと観られます。



この値位置は先月のドル高値と安値(84円41銭 − 80円21銭)の半値戻しの水準にも当たります。



そしてさらに下値では、81円90銭前後に一目均衡表「雲」の下限が控えています。



この水準を割り込むには相当なパワーが必要です。



当面は先月初旬の様な「80円割れは時間の問題」といったような相場観にはならないと観ています。






米景気の大幅減速を示す指標がでてくれば別ですが、



米株式市場の安定や原油相場の上昇などを考えるとその可能性は少ないと思います。



しばらくは今回の「雇用統計ショック」を吸収しながらもみ合いの相場展開が続くと予想します。



ただ、相場の活況が続くのも残り2週間程度となり、



第4週あたりからは欧米市場がクリスマス入りするため閑散な取引が予想されるため、



ドル円は81ー85円の水準で越年する可能性が高いと思われます。






ユーロも一時ほどの売り圧力は遠のいたと思われますが、こちらの問題はまだ小康状態です。



ギリシャから始まった財政危機はアイルランドへ波及。ひとまずEUとIMFからの緊急融資で最悪の事態は避けられましたが、



今後再び域内金融機関のより厳格なストレステストを実施すべきだとの意見もあります。



危機がポルトガルとスペインへ波及することを防ぐことが最大の懸案事項ですが、緊縮財政から両国の経済成長率もかなり鈍化



すると予想されています。



現在でも20%に迫るスペインの失業率はさらに悪化するとの見通しもあります。



財政問題だけではなく、ユーロ圏内の経済指標が弱含みに推移することを考慮すれば、ユーロの戻りには限界があろうかと思います。






豪ドルは先週末からの資源価格の急騰で、対ドルで0.99台前半まで回復しています。



11月の利上げをきっかけにパリティーを大きく超え、1.0183まで豪ドル高が進みましたが、その後はユーロ安もあり



0.95台まで下落しました。



しばらく利上げは無いとの見方から「調整」を余儀なくされていましたが、現在の4.75%という政策金利は相対的に魅力的であることに



変わりは無く、徐々に底値を固めてくる動きになるのではないでしょうか。







■ 今週の注目材料 ■



12/6 (月)

      
  • 欧   EU財務相会合
  • 欧   ファンロンパイEU大統領講演
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演(ノースカロライナ)



  • 12/7 (火)

  • 豪  RBAキャッシュターゲット 
  • 日   10月景気動向指
  • 欧   EU財務相理事会
  • 欧   アイルランド2011年予算案議会提出
  • 加   カナダ中銀政策金利発表



  • 12/8 (水)

     
  • 日   景気ウオッチャー調査
  • 独   10月独貿易収支
  • 独   10月独鉱工業生産



  • 12/9(木)

     
  • 豪   11月雇用統計
  • 英   BOE政策金利発表
  • 独   11月消費者物価指数(確報値)
  • 米   週間失業保険申請件数                            



  •  
    12/10(金)

  • 中   11月中国貿易収支
  • 欧   トリシェECB総裁会見
  • 米   10月貿易収支  
  • 米   12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
  • 米   ボルカー元FRB議長講演(ワシントン)




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。