今週のレンジ予想[毎週月曜日 更新]

マーケット・プレディクション(3/7 〜 3/11)


■ 今週のレンジ予想 ■


ドル/円  ・・・  81.00 〜 84.00
ユーロ/円 ・・・ 113.00 〜 118.00
豪ドル/円 ・・・  82.00 〜 85.00
ユーロ/ドル・・・ 1.3800 〜 1.4200





ドル円は先週末、米雇用統計の発表を受け、約2週間ぶりに83円台に乗せました。


雇用統計の内容事体は強弱まちまちのものでしたが、失業率が3ヵ月連続の改善を示したことと、さらには2009年4月


以来の9.0%を下回ったことで、市場は発表直後にドル買いで反応したものと思われます。


しかしその後、リビア情勢の悪化を背景に原油価格が104ドル台まで急騰したことで、ドル売りが加速し、結局


82円台前半の水準まで戻され、元の鞘に戻った形で越週しています。


この結果日足チャートでは「長い上ヒゲ」を形成しており、テクニカル的には「上値が重い」と観られ、ドル下落に


繋がり易い形となっています。





先週まではどちらかと言えばドルの下値を試す展開が続きましたが、こちらも81円50銭を割り込めなかったことで、


上下とも抜けにくく、しばらくは81円50銭−82円50銭の展開が続くものと予想されていました。


しかし、上述のように雇用統計をきっかけに上値を試しに行きましたが、こちらも簡単には抜け切れなかったわけです。


中東情勢の混迷がドル円の読みをより難しくしていますが、今週は再び81円−84円のレンジを予想せざるを得ません。


もう少しレンジを狭めても81円50銭−83円50銭ということで、依然としてドル円では明確な方向感が出ていません。





そんな中、注目したいのは先週末に発表されたシカゴ先物市場の「円の建て玉」です。


本欄でも何度か紹介していますが、それまで長い間「ドル売り円買い」にポジションを維持していたものが、2月15日には


「ドル買い円売り」に転換させました。その後もドル買いポジシンを拡大させ、「円売り建て玉」を増やしていたのが先週までの状況でした。


それが、発表された3月1日の建て玉では、一気に円買いに転換しています。


それも4万1千枚強のポジションメイクを行っていますから、前の週からは都合7万枚を超える円を買ったことになります。


現在シカゴの先物市場の建て玉は、1枚が1250万円です。


7万枚以上の円買いを行ったということは、ドル換算で106億ドル以上の「ドル売り円買い」を行ったことになります。


ドル円レートがその後83円台まで上昇したことを考えると、直近の円買いポジションは減少しているものと


思われますが、このポジションの変化が語るところは、ヘッジファンドなどの投機筋もドル円レートの読みに苦労している、


と言うことです。


通常、彼らがわずか2週間でポジションをひっくり返すことは極めて稀だからです。


年初来低調な取引レンジが続いていますが、レンジブレイクのきっかけがほしい所です。




一方、ユーロは対円、対ドルで上昇しています。


ユーロはそれまでも、トリシェ総裁が「ユーロ圏の物価安定を維持するため必要な決定を行う」などの発言を繰り返し、


スマギ・ECB専務理事も「利上げの必要性が生じる可能性がある」と、利上げに向けた地ならしを行ってきました。


トリシェ総裁は先週の理事会後の記者会見でさらに踏み込んだ発言をし、利上げの時期についても言及を行い、ユーロ買いに


拍車をかける結果になりました。


ユーロドルはそれまでにも何度かはね返された来た、1.38台半ばを抜き、一時は1.40台乗せまで上昇しました。


今後についても、南欧諸国の財政問題が悪材料として残ってはいるものの、足元では「利上げ」がより材料視されており、


既に「年内2回は利上げを行う」との観測も出ております。


現在の政策金利は1.0%であることから、今後1.5%程度まで上昇する可能性があり、通貨ユーロを下支えするものと


考えられます。


4月にはポルトガルが国債の大量償還を控えています。そのため、ここ2−3週間は「利上げ」と「財政問題」との綱引きが


予想されます。





今週は雇用統計明けの週ということでそれほど重要な指標はありませんが、引き続き中東情勢とそれに伴う原油価格の動き、


さらには、欧米中央銀行関係者の発言には注目していきたいと思います。






■ 今週の注目材料 ■



3/7 (月)

     
  • 日   1月景気動向指数(速報値)
  • 米   1月消費者信用残高
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演(バーゼル)
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演



  • 3/8 (火)

  • 日   1月貿易収支
  • 日   2月マネーストック
  • 日   2月景気ウォッチャー調査
  • 日   白川日銀総裁講演(フランクフルト)
  • 加   2月カナダ住宅着工件数



  • 3/9 (水)

     
  • 米   1月卸売在庫



  • 3/10(木)

     
  • 日   第4四半期GDP(2次速報)
  • 中   2月中国貿易収支
  • 欧   EUバローゾ委員長講演
  • 英   BOE政策委員会
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   1月貿易収支



  • 3/11(金)

  • 中   2月中国生産者物価指数
  • 中   2月中国鉱工業生産
  • 中   2月中国消費者物価指数
  • 欧   EU臨時首脳会議
  • 米   2月小売売上高
  • 米   3月ミシガン大学消費者信頼感指数




  • ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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    外為オンラインのシニアアナリスト 
    佐藤正和

    邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
    インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
    通算30年以上、為替の世界に携わっている。
    ・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
    ・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
    ・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
    ・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書。