歴史は繰り返す「【ジョージソロスの話】Vol:11」|FX|外為オンライン FX取引 − あなたの為の、外為を。

歴史は繰り返す

 最後に



 これまでジョージ・ソロスの金融市場での活躍ぶり、そして時としてかなりの損出を

出したことにも触れてきました。

そのソロスも既に78歳・・・・。一般的にはとっくに引退している年齢です。

21世紀に入ってからはほとんど彼の名前が市場に流れることはありません。

慈善事業家として活躍している事実はありますが、もはや金融の第一線からは完全に

退いているのかもしれません。

そのソロスのコメントが久しぶりに表舞台に出てきたことは「臨時号」で

お伝えしましたが、

年初から高騰が続いた原油価格に対して「現在の原油価格はあきらかにバブルだ。」

この頃のWTI原油価格は130ドルを伺う水準で、米ゴールドマンサックスは

「原油価格200ドル」とリポートしていた時期です。

ここから147ドルまで上昇しましたが、その後、ピークの1/4以下の33ドル台まで

落ちたことはご承知の通りです。

ショートポジションを取っていたソロスが大きく儲けてことは容易に想像できます


イングランド銀行を負かした男、世界最大の投資家、市場を動かす男・・・・。

全てはソロスを賞賛する言葉に違いありません。巨万の富を築いたことも事実です。

しかし、実際のところ、ジョージ・ソロスにとっても、あれほどの富を稼ぎ出すのは

簡単ではなかったと振り返っています。

とくに、最初の何年間は、苦難連続でした。しかし、結果としてソロスはそれまで

誰も成しえなかった莫大な富を稼いだのです。

ソロスは投資の世界のごくありふれた道具、すなわち頭脳とコンピューター、卓越した

分析力を駆使して、競争相手を全て退け、頂点に登り詰めたのです。

それは、幼いころ「自分は神だ」と信じていた領域に近づいたということでしょう。



        参考図書:ロバート・レイスター著、三上儀一訳「ソロス」

                           (早川書房)

外為オンラインのシニアアナリスト 
佐藤正和

邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算20年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。