今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年4月28日(木)


おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • FRBはFOMCを開催し、予定通り6月末で期限の来る
    量的緩和策(QE2)を終了することを決定。
  • 市場では米国の低金利が今後しばらく続くとの見通しから
    高金利通貨の豪ドルやユーロなどが一段高に。
  • ドル円は、昨日の東京時間にスタンダード・アンド・プアーズ
    (S&P)が日本国債の格付け見通しをステイブルからネガティブに
    引き下げたこともあり、ドル買い円売りが加速。
    NY市場では82円台後半までドルが買い戻される。
  • この結果、クロス円ではさらに円安が進み、ユーロ円では約2週間
    ぶりの121円台半ば、豪ドル円でも89円台半ばまでそれぞれ上昇。
  • FOMCの政策決定と、その後のバーナンキ議長の記者会見の内容
    から低金利が継続される見通しとの判断で株価は上昇。
    ダウは95ドル高で年初来高値を連日更新。
  • 米国債購入を6月で終了するとの決定を受けて債券相場は下落。
    長期金利は小幅に上昇し、3.35%台に。
  • リスク選好の流れが続くことで、金、原油価格はともに上昇。
    金は大幅高で史上最高値を更新。
  • 3月耐久財受注 → 1.3%



ドル/円82.02 〜 82.82
ユーロ/ドル1.4630 〜 1.4796
ユーロ/円120.48 〜 121.47
NYダウ+95.59 → 12,690.96ドル
GOLD+13.60 → 1,517.10ドル
WTI+0.55 → 112.76ドル
米10年国債+0.050 → 3.359%


本日の注目イベント

  • 日   日銀金融政策決定会合
  • 日   3月消費者物価指数
  • 日   3月失業率
  • 日   3月鉱工業生産
  • 独   4月独失業率
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   1−3月期GDP(速報値)
  • 米   3月仮契約住宅販売指数
  • 米   デューク・FRB理事講演








注目されたFOMCでは予定通り量的緩和第2弾(QE2)は6月末で終了し、政策金利を据え置くことが決定されました。


現在の低金利政策が継続されることが確認されただけで、特にサプライズはありませんでした。


また、その後に行われたバーナンキ議長の第1回目の記者会見では、景気は緩やかな成長を続けているとの認識を


示しながらも、今年度の経済成長見通しを1月時点の3.4−3.9%から、3.1−3.3%に下方修正しました。


同議長の会見も特にサプライズはなく、時折笑みを浮かべながら記者の質問に丁寧に答えていたとの印象を持ちました。


今回の大震災における日本人と、日銀の政策に対して賞賛の念を示したことも印象に残りました。





6000億ドルの国債購入プログラムは終了するものの、現在のインフレ加速は一時的なものになるとの認識を示し、市場は現行の


低金利はしばらく続くとの見通しを確認した格好になりました。


これを受けて為替市場ではドル安がさらに進み、株式市場では株価の上昇に繋がり、商品価格は一段と上昇するなど、「リスク選好」の


動きがさらに強まる結果になっています。





ユーロドルは1.48台前半まで買われ、2009年12月以来の水準まで上昇しています。


また豪ドルも、昨日発表された四半期の消費者物価指数(CPI)が市場予想より高かったこともあり、追加利上げの期待感から


大きく買い進まれ、1.09台前半を記録しました。


豪ドルについては来週にも1.1台を目指す展開を予想していますが、ポジションの積み上がりも膨らんでいることから


目先「達成感」が出てくることも予想されます。


場合によっては100−150ポイント程度の調整が見られるかもしれません。


一旦は、ポジションの整理、もしくは圧縮が必要かと思います。





ドル円は逆に円売りが加速し、ドルが反発しています。


FOMCの結果発表前に82円82銭まで上昇し、82円台半ばのストップロスを巻き込む格好で上昇しました。


これは、昨日の東京時間にスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債の見通しを引き下げたことが影響している


と見られ、海外市場で改めて蒸し返されたことで円売りに繋がったものと思われます。


米国の低金利がさらに続くとの見通しから主要通貨に対してドル安が進んだことを考えれば、日本の低金利はさらに長く続く


との観測がある中、円も同様に売られることは容易に理解できます。


昨日の朝方には81円の半ばを割り込み、81円27銭まで円が買われた後、その日のうちに約1円50銭の反落は、今回の85円台からの


ドル下落局面では初めてのことになります。





このためテクニカルでも少しづつ変化が出ています。


トレンドラインでは「日足」までのレジスタンスを抜けて買いシグナルが点灯したと観られますが、


82円後半を付けた後、82円10−20銭まで下落したことで「長い上ヒゲ」を残しています。


これはテクニカルでは天井を付け、下落するパターンと見られます。


また、「日足」の「MACD」ではデッドクロスも表れていることで注意が必要です。


一方で、上昇していた一目均衡表の「基準線」は「横ばい」でまだ下落は示していません。





今後、さらにリスク選好が進み、ユーロ、豪ドルなどがどこまで上昇するのかにも依りますが、この傾向がさらに強まると


円も上記通貨に引っ張られる形で「ドル安円高」が進むことも考えられます。


その場合の下値のメドは「日足」のトレンドラインのある82円前後と、「1時間足」の雲のある81円84銭あたりと見られます。


上値については82円30銭(4時間足の雲の下限)と、昨日のNY市場のドル高値である82円80銭前後ということになりそうです。





最大の「ヤマバ」と見られたFOMCでは低金利の維持が確認された訳ですが、米国の力強い景気の回復は現段階では見込めない、という


ことのようです。


今後は再び発表される経済指標を観ながら一喜一憂する展開が続きそうですが、来週の「雇用統計」がその第1弾となりそうです。





明日からGWが始まります。


自粛ムードでどこの観光地も厳しい状況が続きそうでが、経済紙でジュリアーニ前NY市長が語っていたように、このような時にこそ


普通に行動することがいいのかも知れません。





良い連休を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
3/31  ラッカー・リッチモンド連銀総裁 「米経済指標が改善されていることから、FOMCが米国債6000億ドル購入を圧縮するかを検討すべきだ」 ドル円82円後半から → 83円台前半に
3/31  コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利が2011年遅くまでに75ベーシスポント上昇する必要があるかも知れない」      -----    
4/1  ダドリー・NY連銀総裁 3月の雇用統計について「歓迎するが、方針を転換する理由にはならない」 ドル円84円台後半 → 84円台前半に
4/4  ロックハート・アトランタ連銀総裁 「米景気は依然として課題に直面している」フロリダ州の講演で。 これまでと異なり「ハト派」的な発言だったことから、市場はややドル売りで反応。
4/6  ロックハート・アトランタ連銀総裁 年内の引き締めについて「可能性を完全に排除することはしないが、私個人としては、それが絶対必要だとの考えに傾いてはいない」ジョージア州の講演で。      ----    
4/7  トリシェ・ECB総裁 「われわれはこれが一連の利上げの第1回だと決めたわけではない」「ECBは常に、中期的な物価安定を達成するために必要な行動を取る」利上げを決めた後の記者会見で。      ----    
4/11  イエレン・FRB副議長 「食品と燃料の価格上昇がインフレや個人消費に与える影響は一時的であり、金融緩和策の変更を正当化するものではない」NYでの講演で。      ----    
4/19  ガイトナー・財務長官 「米国は『AAA』格付けを必ず維持する。」長期格付けの見直しを受けて、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで。      ----    
4/26  ガイトナー・財務長官 「これまでも、また私が長官である限り今後も、強いドルが国家としての米国の利益であることに変わりはない」NYで。      ----    

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和