今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年5月10日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 原油、金など大幅な調整局面で売られていた商品相場が反発した
    ことでドルが売られ、再びリスク許容度が増しドル安の流れに。
  • S&Pがギリシャ国債の格付けをこれまでの「BBー」から
    「B」に格下げをしたことからユーロが再び下落。
  • 円も避難通貨として買われ、80円19銭まで上昇し、
    高値圏で引ける。
  • 一方、豪ドル、ノルウェー・クローネなどが資源高の影響から
    買われ主要通貨間でもまちまちの動きに。
  • 米中戦略・経済対話がワシントンで開催され、ガイトナー財務長官は
    引き続き人民元の柔軟な為替レートの運用を求めたものの、依然平行線の
    まま溝は埋まらず。
  • 商品相場が反発したことから、エネルギー、素材セクターに買いもの
    があつまり、ダウは46ドル高。
  • ギリシャ国債が格下げされたことで米国債は堅調に推移し、
    高値近辺でのもみ合い。
  • 金は反発し1500ドル台を回復。原油も6日ぶりに大幅反発し、
    102ドル台に。ルイジアナ州にある製油所が洪水の被害に合うのでは
    との観測も買いを誘った。



ドル/円80.19 〜 80.78
ユーロ/ドル1.4254 〜 1.4408
ユーロ/円115.02 〜 115.64
NYダウ+45.94 → 12,684.68ドル
GOLD+11.60 → 1,503.20ドル
WTI+5.37 → 102.55ドル
米10年国債+0.007 → 3.157%


本日の注目イベント

  • 中   4月中国貿易統計
  • 豪   3月豪貿易収支
  • 欧   ビニスマギ・ECB理事講演
  • 欧   バローゾ・欧州委員長講演
  • 米   デューク・FRB理事講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演







先週大きく調整した商品市況が反発しドルが売られたことからユーロを除く主要通貨が買われ、ドル安が進みました。


ドル円も80円台後半まで上昇はしたものの、81円台に乗せることなく80円19銭まで下落しています。


「4時間足」では一目均衡表の「雲」がローソク足の上にあり上値を抑えていることは度々指摘してきましたが、


「それにしても上値が重い」というのが率直な感想です。


株高、金、原油などの商品相場高から「リスク許容度」が増し、豪ドルなど高金利通貨が買われ、ドル安が進む展開でした。


もちろん、その中で円の金利も低いことからクロス円では売られ易いものの、昨日はユーロの続落に助けられた格好でした。





格付け会社S&Pがギリシャ国債の格下げを発表しました。これまでの「BB−」(ダブルBマイナス)から、「B」


(シングルB)へ、2段階引き下げられ、特に新鮮味はない発表だったにも関わらずユーロは大幅に下落しました。


クレジットウォッチが継続されていることから、デフォルト(債務不履行)リスクが高まる中でさらに格下げが行われる


可能性も残っており、仮にギリシャがもう1段階引き下げられれば、欧州域内で最低の格付けになります。





先週半ばまでのユーロは「金利先高観とソブリンリスク」との綱引きで、「金利先高観」が優勢でしたが、先週のECB理事会後の


トリシェ総裁の記者会見から「潮目」が変わった様です。


これまでにもギリシャ格下げの報道はありましたが、追加利上げ観測に打ち消された格好になっており、市場も特段反応を


見せませんでした。


しかし、来月の利上げの可能性が無くなった足元では「ユーロ圏の悪材料」には過敏な程反応します。


ギリシャの「ユーロ圏からの離脱観測」と「2段階格下げ」という2つの悪材料だけで、ユーロドルは1.48台から1.42台まで


600ポイントの下落を見せたことは驚きでした。


昨日も書きましたが、シカゴの通貨先物市場でのユーロロングが過去最高水準にまで積み上がっていたことが背景です。





投機筋もユーロの追加利上げが近いと読んでいたようです。そのため「ユーロ買いドル売り」のポジションは約10万枚近くまで膨らんで


おり、これがユーロの急落に伴いストップロスのユーロ売りを誘発したものと思われます。


ただ、依然としてユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は、ECBの目標値からは高く、7月以降の利上げ観測は燻(くすぶ)っています。


利上げ観測が再び「綱を引き寄せ」綱引きを優位に進める時には、ユーロが急上昇するものと思います。





ドル円は80円台でのもみ合いが続いています。


「日足」では上値が見事に切り下がってきて下落傾向を見せています。下値では80円台割れを実現し、その後81円近くまで値を戻した


ことから、やや下げ渋っていることが伺えます。


目先は、昨日一旦上回ってその後割り込んでいる「1時間足」での「120日移動平均線」を上抜けすることが求められます。


現在80円61銭の値位置にあるこの水準を抜ければ、短期的な「雲」も上値けが完了することを意味します。


結局、上値が重い展開が続く状況の中、市場は次の材料を待つスタンスと言えそうです。





本日は豪州の貿易収支が発表されます。


対ドルで1.1の史上最高値から商品相場の下落に歩調を合わせるように売られ、1.05台で折り返している豪ドルですが、


依然利上げ観測も根強く、再び1.1を目指すのかどうか注目されます。


今週は豪州の雇用統計など、豪ドル自体の材料もありますが同時に中国の経済指標も多く発表されます。


値動きも大きくなりそうですが、1.05を下回るリスクはそれほど高くはないと観ています。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
4/29  バーナンキ・FRB議長 「失業率はなお高い水準にとどまっており、マイノリティーや若者、教育水準の低い人々の間でその傾向が強い」バージニア州での講演で。      ----    
5/4  ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「金融引き締めによって景気を減速させる理由は見当たらない」「FRBの二つの責務である雇用確保とインフレ抑制の双方で一層の進展が見られるまで現行の金融緩和スタンスは適切だ」ボストンでの講演で      ----    
5/5  コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 コアインフレが今年1.5%上昇した場合「FF金利誘導目標を0.5%前後引き上げるべきだ。私の基本的見通しに基づくと、年末にかけてFOMCがFF金利を緩やかに引き上げることが望ましい」サンタバーバラでの講演で      ----    
5/6  パパンドレウ・ギリシャ首相 「このようなシナリオは犯罪に近い。非公式な場でさえ議論されない」ギリシャのユーロ圏からの離脱報道を受けて。      ----    

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和