今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年5月11日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は80円台半ばから後半でのもみ合い。
    急落していたユーロが買い戻されたこともあり、クロス円でも
    円売りが優勢な展開となり、米長期金利が上昇したこともドル円を
    押し上げた。
  • ユーロドルが上昇。独メルケル首相の報道官がギリシャの債務再編は
    検討していないと述べたことや、一部通信社が、ギリシャは新たに
    600億ユーロの支援を受けるとの報道が手掛かり。
  • 米中戦略・経済対話は人民元の一層の弾力化を進めることで合意。
  • 株式市場は続伸。マイクロソフトがスカイプを買収したことなどが
    好感され、ダウは75ドル高に。
  • 債券相場は反落し長期金利は上昇。このところ上昇していた債券は
    今週入札を控えていることから利益確定の売りに押され下落。
  • 金、原油は共に続伸。原油は4日ぶりの高値。ミシシッピ川の増水で
    石油製品の供給障害の可能性が懸念された。
  • シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は、WTI原油先物取引について
    取引証拠金を25%引き上げると発表。



ドル/円80.54 〜 80.92
ユーロ/ドル1.4320 〜 1.4413
ユーロ/円115.45 〜 116.55
NYダウ+75.68 → 12,760.36ドル
GOLD+13.70 → 1,516.90ドル
WTI+1.33 → 103.88ドル
米10年国債+0.057 → 3.214%


本日の注目イベント

  • 日   3月景気動向指数
  • 中   4月中国消費者物価指数(CPI)
  • 中   4月中国生産者物価指数(PPI)
  • 中   4月中国鉱工業生産
  • 中   4月中国小売売上高
  • 独   4月独消費者物価指数(確報値)
  • 英   イギリス3月貿易収支
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米   3月貿易収支






ドル円は方向性が定まらない展開の中、80円台半ばから後半でのもみ合いに終始しました。


重要な経済指標もなく、クロス円の流れを受けた落ち着いた取引だったようです。


81円台ではドル売り意欲も強いと観られ、大台替えには至っていませんが、短期的なトレンドを見る上で重要な


「1時間足」では80円60銭の上にある一目均衡表の「雲」を上抜け、さらにその上の「200日移動平均線」も


抜けています。


昨日もこの欄で書きましたが、目先80円割れのリスクがやや遠のき、79円台での「2番底」を確認してきた可能性も


わずかながら出てきました。


現状ではドルの上値が重い展開は変わりませんが、先週末の雇用統計をきっかけにドル買い戻しの動きが出てきたと


見られるのかもしれません。


円買い材料は見当たらない中、ドル買い材料があればドル円の上昇に繋がる可能性はありそうです。





今後ドル円が上昇するためには先ず81円台にしっかり乗せることが重要で、その後に「4時間足」の「雲の上限」がある


81円18銭を明確に抜けてくる必要があります。


81円台半ばまで上昇すると「ストップロス」のドル買い戻しも誘発する展開になるかもしれませんが、


まだ手放しでドル買いに走るわけには行きません。





ユーロの下落が一旦止まったように見えます。


ギリシャの財政問題で、600億ユーロ(約7兆円)の資金援助を受ける報道や、ユーロ圏離脱観測が否定されるなど、


ギリシャを取り巻く霧が少し晴れ、視界が開けてきたことが背景です。


ドイツのザイベルト首相報道官は電子メールで、ギリシャの債務再編は「協議されていない」との声明を発表、ギリシャのユーロ離脱は


「これまでも議論されていないし、現在もない」と述べた、とブルームバーグは伝えています。


ただ、ギリシャの財政再建計画は遅れており、景気の悪化から財政赤字の対GDP比率は上昇しており、


問題の解決には債務再編などの「荒治療」が不可欠なように思えます。


今後もユーロ乱高下の震源地であることには変わりありません。





シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油先物取引の証拠金を


一気に25%引き上げると発表しました。


原油価格は先週初めにザラ場で117ドルまで急騰した後、わずか1週間で97ドル台(約17%)まで下落するなど、かなり投機的な


値動きになっていることに対応したものです。


WTI原油価格は取引量も多く、既に埋蔵量を上回っているとも言われ、世界の原油価格の指標銘柄になっています。


米国の金融緩和政策が長期間にわたって継続されていることを背景に大量の資金がこの市場にも流れ込んでおり、


何かのきっかけで乱高下するリスクを常にはらんでいます。


また、この価格が豪ドル、ユーロ、あるいはノルウェー・クローネなどの為替相場にも大きな影響を与えます。


さらに原油取引の決済は米ドルが基本です。


大幅な原油高を背景にサウジなどの産油国には大量の米ドルが溜まっており、長期間ドル安が続いていることから


「資産としてのドルの価値」が低下しています。


このため産油国だけではありませんが、ドル保有国はリスクヘッジの手段の一つとして「ドル売りユーロ買い」「ドル売り金買い」を


行い、それがさらにドル安に繋がるという悪循環に陥っています。


このように原油価格も為替にかなりの影響を与えることから、商品相場、株式相場、さらには重要な債券相場からは目が離せず、


相場の先読みが一段と複雑になっていると言えそうです。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
4/29  バーナンキ・FRB議長 「失業率はなお高い水準にとどまっており、マイノリティーや若者、教育水準の低い人々の間でその傾向が強い」バージニア州での講演で。      ----    
5/4  ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「金融引き締めによって景気を減速させる理由は見当たらない」「FRBの二つの責務である雇用確保とインフレ抑制の双方で一層の進展が見られるまで現行の金融緩和スタンスは適切だ」ボストンでの講演で      ----    
5/5  コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 コアインフレが今年1.5%上昇した場合「FF金利誘導目標を0.5%前後引き上げるべきだ。私の基本的見通しに基づくと、年末にかけてFOMCがFF金利を緩やかに引き上げることが望ましい」サンタバーバラでの講演で      ----    
5/6  パパンドレウ・ギリシャ首相 「このようなシナリオは犯罪に近い。非公式な場でさえ議論されない」ギリシャのユーロ圏からの離脱報道を受けて。      ----    

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和