今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年5月25日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ユーロが反発。ドイツのifo景況感指数が予想超え、過去最高付近を
    維持したことと、このところの売られすぎからユーロ買い戻しが
    優勢となり対ドルでは1.41台前半、ユーロ円でも116円台まで上昇。
  • ドル円は81円台後半から小幅に上昇し、ユーロ円の買い戻しの影響もあり
    82円台前半までドル高円安が進む。ただこの水準はここ数日でも
    トライして抜け切れておらず、昨日も同様な動きに。
  • ギリシャ政府は60億ユーロ(約6900億円)の追加の
    財政赤字削減案を決定。しかし、ギリシャ最大野党党首はこの削減案を
    拒否したことで、その実行については不透明。
  • 米株式市場は3日続落し約1ヵ月ぶりの安値に。朝方は反発して
    始まったものの、上昇は続かず、ダウ、ナスダックはともに小幅安。
  • 債券相場は続伸。2年債入札が好調だったことと、株安が材料と なり長期金利は低下。
  • 金は5日続伸し1523ドル台に。原油も米投資銀行による
    原油高見通しを材料に大幅に反発。
  • 4月新築住宅販売件数 → +7.3%
  • 5月リッチモンド連銀製造業指数 → −6



ドル/円81.82 〜 82.21
ユーロ/ドル1.4078 〜 1.4133
ユーロ/円115.36 〜 116.19
NYダウ−25.05 → 12,356.21ドル
GOLD+7.90 → 1,523.30ドル
WTI+1.89 → 99.59ドル
米10年国債−0.013 → 3.116%


本日の注目イベント

  • 日   4月貿易収支
  • 独   6月独GFK消費者信頼感指数
  • 欧   ドラギ・イタリア中銀総裁講演
  • 欧   シュタルク・ECB理事講演
  • 英   1−3月期英GDP(改訂値)
  • 米   4月耐久財受注
  • 米   3月住宅価格指数
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演






ユーロが反発し対ドルで1.41台前半、対円でも116円台を回復しました。


前日、1.40の大台を割り込み、1.39台半ばまで売り込まれたユーロでしたが、昨日はドイツ


ifo景況感指数が114.2と市場予想を上回ったことでユーロの買い戻しを誘いました。


しかし、ユーロ圏では依然としてギリシャの財政問題が重くのしかかり、解決策も見いだせていないことから


ユーロの大幅反発には繋がっていません。





ギリシャ政府は昨日、60億ドルの追加的な財政赤字削減案を決めていますが、野党はこれを拒否し実行に移せるかどうかは


不透明な状況です。


国有企業の民営化や富裕層への課税強化、さらには社会保障へも手をつけ、2011年度の財政赤字をGDP比7.5%まで


削減しようというものです。


EU、ユーロ圏も一層の財政赤字削減を追加融資の条件としているものと見られ、仮に議会で拒否されるようなことに


なると、今後ギリシャの資金調達の道が断たれることにもなりかねません。





これらを受け、ギリシャ国債の利回りはさらに上昇し、同国債に対するCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッドは


1496bp(ベーシス・ポイント)まで上昇し、これは5年以内のデフォルト(債務不履行)の確立71%を織り込んだ水準です。


(ブルームバーグ)さらに、ギリシャ国債だけではなく、ポルトガル、スペインの国債も「連想」から売られる(金利は上昇する)


展開が続いています。





ドル円は81円台半ばから82円を挟み一進一退の動きです。


GWの5日に80円台をいったん割り込み、すぐに80円台を回復してからは約3週間、80−82円台の値動きが続き、さらに


ここ1週間は81−82円の値幅に概ね収まっています。


底値が徐々に切り上がってはいるものの、足元では82円20−30銭が上値の上限として抑えられているようです。


この水準を抜けきるにはさらなる米景気の回復を示す指標が必要で、それにはまだしばらく時間がかかると見られます。


昨日発表された4月の新築住宅販売件数は市場予想を大幅に上回っていましたが、先週発表された住宅着工件数などは


依然として低水準で、住宅市場の本格的な回復はまだ先のことと思われます。


このため、高水準の数字の割には市場の反応は限定的だったようです。





上述のようにドル円は82円台に入ると上値を抑えられ、81円台に押し戻される展開が続いていますが、今週の動きを


見る限りドルは上昇したがっているように見えます。


上記82円30銭を明確に抜けきれば、その上には「ストップロスのドル買い」もあるとみられ、82円半ばを抜ける可能性も


出てきそうです。


そのきっかけになりそうなのが1時間後に発表される4月の日本の貿易収支です。


「貿易赤字」は確実で、問題はその赤字幅です。


市場は7000億円程度の赤字を予想していますが、赤字幅がさらに拡大しているようだと「円売り材料として」捉えられる


可能性もあります。


また、貿易収支の発表を受け日経平均株価がどのような反応を見せるかも注目です。


株価が上昇するようだと82円30銭を試しに行くことも考えられます。





もちろん下値不安がないわけではありませんが、現状では81円70銭あたりがサポートされそうです。


短期的な動きを示す「1時間足」では、この水準に「120日移動平均線」と「雲の上限」が来ているからです。


さらにその下では81円20−30銭が重要なポイントとなりそうです。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
4/29  バーナンキ・FRB議長 「失業率はなお高い水準にとどまっており、マイノリティーや若者、教育水準の低い人々の間でその傾向が強い」バージニア州での講演で。      ----    
5/4  ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「金融引き締めによって景気を減速させる理由は見当たらない」「FRBの二つの責務である雇用確保とインフレ抑制の双方で一層の進展が見られるまで現行の金融緩和スタンスは適切だ」ボストンでの講演で      ----    
5/5  コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 コアインフレが今年1.5%上昇した場合「FF金利誘導目標を0.5%前後引き上げるべきだ。私の基本的見通しに基づくと、年末にかけてFOMCがFF金利を緩やかに引き上げることが望ましい」サンタバーバラでの講演で      ----    
5/6  パパンドレウ・ギリシャ首相 「このようなシナリオは犯罪に近い。非公式な場でさえ議論されない」ギリシャのユーロ圏からの離脱報道を受けて。      ----    
5/18  ブラード・セントルイス連銀総裁 「一部のインフレ指標は高くなっており懸念材料ではある」「下期に景気が改善すれば、厳密に監視しなければならない」ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで      ----    

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和