2011年6月1日(水)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は昨日のアジア時間にムーディーズが、日本国債
を格下げ方向で見直すと発表したことから円売りが加速し、
81円台後半まで「ドル高円安」がすすむ。 - ユーロは欧州当局者が来月、ギリシャへの追加支援を
承認するとの観測が広がり、買い戻しが優勢となり上昇。
対ドルでは1.43台から1.44台に乗せ、対円でも一時
117円台半ばまで上昇し、約1ヵ月ぶりの高値に。 - 株式市場は大幅高。ギリシャの財政問題が一服するとの見通しに
加え、インテル、アップルなどの株価が相場の上昇をけん引。
ダウは128ドル高で、1万2500ドル台を回復。 - 債券価格は株価上昇にも関わらず買われ、長期金利は年初来
最低水準を更新。消費者信頼感指数や住宅関連指数の悪化が米景気の
減速感に繋がる。 - 金価格は小幅に反落。原油は大幅高となり102ドル台乗せ。
ギリシャ支援でEUが合意するとの見方が背景。 - ユンケル・ユーログループ議長は、EU首脳は6月末までに
新たなギリシャ支援パッケージを決定する見通しだと述べた。 - 5月シカゴ購買部協会景気指数 → 56.6(市場予想は62.0)
- 5月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 60.8(市場予想は66.6)
- 3月ケース・シラー住宅価格指数 → −3.61%(市場予想は−3.4%)
| ドル/円 | 81.18 〜 81.66 |
| ユーロ/ドル | 1.4360 〜 1.4415 |
| ユーロ/円 | 116.73 〜 117.64 |
| NYダウ | +128.21 → 12,569.79ドル |
| GOLD | −0.50 → 1,536.80ドル |
| WTI | +2.11 → 102.70ドル |
| 米10年国債 | −0.013 → 3.059% |
本日の注目イベント
- 豪 豪1−3月期GDP
- 日 白川日銀総裁講演
- 日 5月新車販売台数
- 中 中国5月製造業PMI
- 独 独5月製造業PMI(確報値)
- 欧 ユーロ圏5月製造業PMI(確報値)
- 欧 トリシェ・ECB総裁講演
- 英 英5月製造業PMI
- 米 5月ADP雇用者数
- 米 5月ISM製造業景況指数
- 米 5月自動車販売台数
- 米 ガイトナー・財務長官、下院で議会証言
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講
昨日の午前中、格付け会社ムーディーズが日本国債の格下げ見通しを発表したことで、ドル円は約1円、ドル高方向に
押し上げられました。
この発表まではドル円の上値が重く、80円半ばを試すような雰囲気でしたが、「格下げ見通し」で一気に流れが
変わったようです。
ただ「格下げ見通し」は、すでにS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が同様の発表を行っており、「特別目新しい話」
ではなかったものの市場は大きな反応を見せました。
正直、この反応の大きさに驚きましたが、逆に言えば、円が売られる材料はとしては「巨額な財政赤字」にスポットが
当てられた時以外にないのかもしれません。
円は81円台後半まで売られ、対ユーロでも約1ヵ月ぶりに117円台半ばを超える水準にまで円安が進みました。
前回の時もそうでしたが、個人的には格下げ見通しの影響は短期的に終わるものと考えています。
昨日のNY市場の経済指標発表を見ても、明らかに米景気の減速を示す結果が出ています。
消費者信頼感は、市場予想の66.6に対して60.8と今年に入って最も低い数値を示しています。
そして、相変わらず回復を見せないのが、住宅市場です。
主要20都市を対象にした3月のケース・シラー住宅価格指数は、前年同月比で−3.6%と、2009年11月以来の
大幅低下で、リーマンショック後の最安値を更新し、「2番底」を探る動きになっています。
主要20都市のうちワシントンを除く19都市で価格は下落し、特にミネアポリスの下落幅が大きかったようです。
サブプライムローンに翻弄された米住宅バブルは、今だにその後遺症に苦しんでいることが伺えます。
不透明だったユーロにやや明るさが戻ってきました。
ユンケル議長はEUがギリシャ支援で合意する見通しだと述べたことで、ひとまずギリシャに対する600億ユーロ
(約7000億円)の融資が行われることになりそうです。
市場ではこのニュースが好感され、ユーロの買い戻しが活発となり、ユーロドルは3週間ぶりに1.44台まで上昇しました。
さらに、この日発表された5月のユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は前月よりも低下していたものの、2.7%の上昇と、
ECBの目標値を大きく上回っていたことで、再び利上げ観測が高まりユーロ買いを促したようです。
ユーロ圏はドイツが自動車産業を中心に域内全体の景気をけん引する構図が鮮明で、ドイツ国内の失業者数は約19年ぶりに
300万人を割り込んでいます。
ギリシャの財政問題がひとまず払拭されれば、金利先高感の残るユーロと、経済指標の悪化が相次ぐドルでは
「ユーロ高ドル安」に振れる危険性をはらんでいます。
2月のECBの利上げを契機に1.4940まで上昇したユ−ロドルは、その後ギリシャ問題から1.39台後半まで、
約1000ポイントの下落を見せましたが、ここで再び「ソブリンリスクから追加利上げ」へと市場の関心が移るようだと
予想外のユーロ高が進む可能性も出てきます。
「ユーロ高ドル安」はドル円での「ドル安円高」に繋がり易く、ドル円の上値を抑えることにもなります。
本日発表のADP雇用者数も含め、重要指標の発表が相次ぐ今週にも、指標の好転を材料に83円台までのドル反発
がない限り、ドルじり安の展開が続くのではないかと予想しています。
最大の懸念材料は何といっても週末の雇用統計です。
為替への影響が大きいだけに、市場予想を下回るようだと80円を目指す展開もありそうです。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 4/29 | バーナンキ・FRB議長 | 「失業率はなお高い水準にとどまっており、マイノリティーや若者、教育水準の低い人々の間でその傾向が強い」バージニア州での講演で。 | ---- |
| 5/4 | ローゼングレン・ボストン連銀総裁 | 「金融引き締めによって景気を減速させる理由は見当たらない」「FRBの二つの責務である雇用確保とインフレ抑制の双方で一層の進展が見られるまで現行の金融緩和スタンスは適切だ」ボストンでの講演で | ---- |
| 5/5 | コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 | コアインフレが今年1.5%上昇した場合「FF金利誘導目標を0.5%前後引き上げるべきだ。私の基本的見通しに基づくと、年末にかけてFOMCがFF金利を緩やかに引き上げることが望ましい」サンタバーバラでの講演で | ---- |
| 5/6 | パパンドレウ・ギリシャ首相 | 「このようなシナリオは犯罪に近い。非公式な場でさえ議論されない」ギリシャのユーロ圏からの離脱報道を受けて。 | ---- |
| 5/18 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「一部のインフレ指標は高くなっており懸念材料ではある」「下期に景気が改善すれば、厳密に監視しなければならない」ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで | ---- |
| 5/26 | ユンケル・ユーログループ議長 | 「IMFには明確な規定があるが、その一つは向こう12ヵ月間の借り換え保証が付与されない限り、IMFは行動を起こせないというものだ」 「IMF,EU,ECBのトロイカが、保証が付与されたとの結論に至るとは思わない」ルクセンブルクでの会議で | ユーロドル1.42台 →1.40台に。ユーロ円116円 →114円台に。 |
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