今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年6月2日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 週末の雇用統計を占ううえで重要なADP雇用者数が、
    予想を大幅に下回ったことからドルは主要通貨に対して下落。
  • ドル円は81円を割り込み、80円台半ばまで売られたものの、
    日本の政局の混迷もあり、81円近辺まで買い戻されて引ける。
  • 米長期金利が急低下したことや、その他の米経済指標の悪化もあり
    円、スイスフランなどが避難通貨として買われる。
  • ユーロも対ドルでは上昇。ただ重要な節目とみられた1.44台半ば
    は抜けきれず反落。
  • 株式市場は今年最大の下げ幅を記録。民間部門の雇用者数が市場予想を
    大きく下回ったことなど、米景気の減速は予想以上との声も。
  • 経済指標の悪化と株価の大幅下落を受け、債券市場は大幅に上昇し、
    長期金利は約半年ぶりに3%の大台を割り込む。
  • 金は続伸し1540ドル台に。原油価格は米景気の減速見通しを材料に
    大幅下落。
  • 5月ADP雇用者数 → 3.8万人(市場予想は17.5万人)
  • 5月ISM製造業景況指数 → 53.5(市場予想は57.1)



ドル/円80.66 〜 81.29
ユーロ/ドル1.4321 〜 1.4459
ユーロ/円115.76 〜 116.78
NYダウ−279.65 → 12,290.14ドル
GOLD+6.40 → 1,543.20ドル
WTI−2.41 → 100.29ドル
米10年国債−0.115 → 2.944%


本日の注目イベント

  • 豪   豪4月貿易収支
  • 豪   豪4月小売売上高
  • 日   5月マネタリー・ベース
  • 独   フランクフルト市場休場(キリスト昇天祭)
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 欧   週間原油在庫






ドル円はアジアから欧州時間にかけては81円台を維持していたものの、NY市場開始直後にはあっさり81円を


割り込み、80円66銭までドル安が進みました。


きっかけはやはり米経済指標の悪化でした。


しかも、昨日の数値は市場予想とは全く欠け離れた数字で、「市場予想が違うのか、発表された数値が間違っているのか」


そんな疑問も出る程の事前予想とのかい離でした。





給与明細から雇用者の増減をはじき出すADP雇用者数は市場予想を13万人以上も下回る内容で、ドル下落に弾みをつけました。


この結果、明日の雇用統計でも雇用者数が大幅に減少しているのではないかとの連想が働き、株価の大幅な下落、長期金利の大幅な低下


に繋がり、米景気の減速はいよいよ現実味を帯びてきた格好になってきました。


週末の雇用者については概ね19万人前後の増加と予想されていましたが、ADP雇用者数の結果を受けて、主要金融機関も


週末の雇用統計の内容を下方修正しています。


ブルームバーグによれば、ゴールドマンは従来の15万人から10万人に、シティーグループも17万人から10万人にr>

予想を引き下げています。





ただ、注意したいのはADP雇用者数と労働省が発表する雇用者数とは、民間部門でも必ずしも一致しないという点です。


今回と同じケースが過去にもあり、実際の雇用者数は金融機関が下方修正した内容より改善していたことがありました。


昨日はISM製造業景況指数でも大幅な悪化を示していました。


これまでにも何度か指摘してきましたが、米景気の減速はいよいよ「踊り場」に差しかかってきたようです。


自動車産業の急回復を中心に製造業が堅調に推移してきましたが、住宅市場の低迷に加え、株価が長期的に低迷する


ようだと、個人消費が急速に落ち込み景気の足を引っ張る危険性が出てきました。


明日の雇用統計が気になります。





ドル円は再び80円台半ばまで売り込まれましたが、現在は80円台後半で推移しています。


日本国債の格付け引き下げ見通しで1円もドル高方向に押し上げられたものの、わずか1日で「元の鞘」に戻されています。


市場では政局の混迷が再び円売り材料になるのではといった見方もあります。


本日の午後には内閣不信任案の採決が行われます。


政権与党の民主党内からも不信任案に賛成する議員が多く出ており、民主党はすでに分裂状態と言えそうです。


仮に不信任案が可決された場合には、次期総理のポストを巡っては党再編の動きも出てくるなど「政治的混迷」が


一時的にも出てきそうです。


これまでも何度も言われてきた「国民不在の政権闘争」が、円売り材料と捉えられる可能性はありますが、それも短期的な


反応かと思われます。


そもそも日本の「政治的要因」で円が長期間に渡って売られたことはありません。


1年間に総理が3人も代わったときでさえ円売りは限定的でした。





上値が重くなりじわじわと円高方向に傾きつつあるドル円ですが、ここ3日間は80円台半ばで下げ止まりを見せています。


先ず最初のサポートは80円半ばと見られます。その下値では先月13日の80円30銭近辺、さらには心理的な節目である


80円の大台ということになりそうです。


上値ははやり重いと見ざるを得ません。


米株式市場の急落から、シカゴ・オプション取引所のVIX指数(恐怖指数)は約1ヵ月ぶりの水準に急上昇しています。


また、債券市場では長期金利が3%を割り込み、市場は「リスク回避」の動きを強めていることを物語っています。


午前中は日経平均の下落をにらみながらドル円の下値を探る展開で、午後には国会の動きに注意を払う展開を予想します。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
4/29  バーナンキ・FRB議長 「失業率はなお高い水準にとどまっており、マイノリティーや若者、教育水準の低い人々の間でその傾向が強い」バージニア州での講演で。      ----    
5/4  ローゼングレン・ボストン連銀総裁 「金融引き締めによって景気を減速させる理由は見当たらない」「FRBの二つの責務である雇用確保とインフレ抑制の双方で一層の進展が見られるまで現行の金融緩和スタンスは適切だ」ボストンでの講演で      ----    
5/5  コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 コアインフレが今年1.5%上昇した場合「FF金利誘導目標を0.5%前後引き上げるべきだ。私の基本的見通しに基づくと、年末にかけてFOMCがFF金利を緩やかに引き上げることが望ましい」サンタバーバラでの講演で      ----    
5/6  パパンドレウ・ギリシャ首相 「このようなシナリオは犯罪に近い。非公式な場でさえ議論されない」ギリシャのユーロ圏からの離脱報道を受けて。      ----    
5/18  ブラード・セントルイス連銀総裁 「一部のインフレ指標は高くなっており懸念材料ではある」「下期に景気が改善すれば、厳密に監視しなければならない」ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで      ----    
5/26  ユンケル・ユーログループ議長 「IMFには明確な規定があるが、その一つは向こう12ヵ月間の借り換え保証が付与されない限り、IMFは行動を起こせないというものだ」 「IMF,EU,ECBのトロイカが、保証が付与されたとの結論に至るとは思わない」ルクセンブルクでの会議で ユーロドル1.42台 →1.40台に。ユーロ円116円 →114円台に。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和