2011年6月16日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ユーロの急落をきっかけにドル高が進み、ドル円も約2週間
ぶりに81円台に乗せる。 - ギリシャのパパンドレウ首相が野党との連立政権樹立を引き換えに
辞任の意向を示すなど、ギリシャの経済運営に不透明さが増したことから
ユーロが急落。対ドルでは前日の高値から340ポイント以上の下落を
見せ、一時1.4156まで売られる。 - ユーロ売りが主導する形でドル買い戻しが優勢となり、この日発表された
米経済指標の悪化には反応せず「ドル高、円高」が進む。 - 株式市場は大幅反落。NY連銀製造業景況指数の悪化や、ギリシャの債務問題
の混乱などから、ダウは前日の大幅高を帳消しする178ドル安に。 - 株式市場の大幅安から債券は反発し長期金利は下落。10年債利回りは
3%台での定着はならず。 - 金相場は反発。原油価格は4ドルを超える大幅安で、約4カ月ぶりに
94ドル台まで下落。 - 5月消費者物価指数(CPI) → +0.2%
- 5月NY連銀製造業景況指数 → −7.8
- 5月鉱工業生産 → +0.1%
- 6月NAHB住宅市場指数 → 13
| ドル/円 | 80.59 〜 81.08 |
| ユーロ/ドル | 1.4156 〜 1.4308 |
| ユーロ/円 | 114.56 〜 115.68 |
| NYダウ | −178.84 → 11,897.27ドル |
| GOLD | +1.80 → 1,526.20ドル |
| WTI | −4.56 → 94.81ドル |
| 米10年国債 | −0.126 → 2.975% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(CPI・確報)
- 欧 ドラギ・イタリア中銀総裁講演
- 欧 コンスタンシオ・ECB副総裁講演
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 5月住宅着工件数
- 米 6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数
ドル円が約2週間ぶりに81円台に乗せ、NY市場では81円08銭まで「ドル高円安」が進みました。
昨日の夕方の時点で今週月曜日の高値を抜いており、80円70銭台までドルが買い戻されたことで、NY市場での
ドル一段高に期待が膨らみましたが、そこからのドルの上伸は小幅にとどまっています。
昨日の円売りの主因はあくまでも、「ユーロ安」の影響によるものだということです。
昨日の夜10時時点ではドル円が80円65−70銭、ユーロドルは1.43台を大きく割り込み1.4270近辺で推移していましたが
ギリシャの債務問題で、前日の緊急ユーロ圏財務相会合でも民間部門を関与させるかどうかで協議が難航していることを材料に
その後もユーロ売りが継続的に出された模様です。
ドル円はその水準から約30銭程度円安方向に推移した一方、ユーロドルは約100ポイントもユーロ安が進んだことで、
ユーロ円も大幅に下落しています。
ドル円の81円台乗せは、ユーロドルで大幅にユーロ安が進んだ影響と、クロス円の売りが優勢だったことが主因です。
これまでは米経済指標の悪化が伝えられる度に「ドル売り円買い」で反応していたものが、
昨日はギリシャ問題の混迷からユーロの悪材料に強く反応した格好になりました。
このところよく言われる「不美人投票」の結果、ユーロが最も「不美人」だったということになります。
ユーロドルは前日の高値1.4498から1.4156まで売られました。
さすがに下落する時のスピードの速さに改めて驚かされますが、下値のサポートを次々に割り込んできたため、
さらに下のメドを探すと、日足の「120日移動平均線」の1.4019と、週足の「200日移動平均線」がある1.4012となり、
1.40台前半が重要なサポートになることが予想されます。
もちろん、ここで下げ止まるというものではありません。
ただ注意したいのは、ドルサイドの悪材料も依然として残っており、現状の米ファンダメンタルズを考えると、このままドル高が続くことは
考えにくいということです。
事実、昨日発表されたNY連銀製造業景況指数は、日本の震災の影響を受けたとは言え「マイナス7.8」と、昨年11月以来の低水準で、
バーナンキ議長をさらに「いらいら」させるには十分な内容でした。
このため、今後もユーロドル、ユーロ円を手掛ける場合にはどちらにも振れる可能性があり、難しい展開が予想されます。
上記のように、ドル円の81円台乗せはユーロ安の影響を強く受けたものと思われますが、テクニカルで見ると、81円前後には
8時間足の「120日移動平均線」があり、しっかり抵抗を見せています。
また、日足の「一目均衡表」では雲の下限が81円手前にあり、これも機能しているように思えます。
今後はしっかりと81円台にのせてくれば上値をテストする可能性もでてきますが、主体的な値動きにかける円は
やはり、米国、ユーロ圏の情勢をもろに受けるものになりそうです。
特に米株式市場の調整が長引いている足元では、
米長期金利の下落傾向からドルが売られ易い地合いがもうしばらくは続くのではないかと予想しています。
80円割れがやや遠のいてきてはいるものの、81円台定着にはまだ時間がかかりそうです。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 6/2 | トリシェ・ECB総裁 | 「単一市場と単一通貨、単一の中央銀行がすでにあり、経済的見地からユーロ圏財務省を想定するのは大胆過ぎるだろうか」ドイツでの講演で。 | ---- |
| 6/6 | ユンケル・ユ−ログループ議長 | 「われわれは為替レートの政策を持つべきだとこれまで以上に思っている」「ユーロは他の主要通貨に対して過大評価されている」 | ユーロドル1.46台から → 1.45台に |
| 6/7 | バーナンキ・FRB議長 | 「米経済の生産活動は依然として潜在力を大きく下回る水準だ。そのため、緩和的な金融政策がなお必要とされる」アトランタの会合で | ドル円、80円台前半からやや円高ドル安に。 |
| 6/9 | トリシェ・ECB総裁 | インフレ圧力が続いていることに関して「これはわれわれが次回の政策委員会で利上げを決める可能性のある状態を意味するが、ECBはあらかじめ判断することはせず、政策金利に関する次の決定について特定のペースを示唆しているわけではない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.46台から → 1.44台後半に |
| 6/9 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「米経済成長は今年下期に上向き、緩やかな回復を支えられるようになるだろう。ただし、最近の失望を誘う経済データは見通しに対する下向きのリスクが増えたことを示している」NYでの講演で。 | ---- |
| 6/14 | ドラギ・イタリア中銀総裁 | 「ECBは債務再編やヘアカット(債務減免)には反対だ」「純粋に自発的なものを除き、いかなる概念も受け入れられない」欧州議会での指名承認公聴会で。 | ---- |
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