今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年6月23日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 注目のFOMCでは米景気判断を下方修正したものの、
    事前に予想された内容とは大きな相違はなかった。
    バーナンキ・FRB議長の記者会見も特にサプライズはなく、
    株式市場は下落、債券市場では債券高に振れる。
  • 為替市場では全体的にドル買いで反応。「QE3」などドルの価値下落に
    繋がるコメントなどがなかったことが背景。
  • ユーロドルは1.44台から再び1.43台まで下落。ドル円は朝方80円を
    試す展開があったが、ユーロ安に引っ張られ80円38銭までドル高に。
    しかし、依然として膠着状態からは抜け出せず。
  • 株式市場はFOMC待ちの展開から小動きだったものの、バーナンキ議長の
    会見が進むにつれて下落しダウは80ドル安。
  • 債券市場は量的緩和を拡大する可能性を示唆しなかったことから、それまでの
    上昇分を吐き出す格好で下落、前日比同水準で引け。
  • 金は7日続伸し1550ドル台に。原油は2ドルを超える大幅高に95ドル台を回復。
  • 4月住宅価格指数 → +0.8%



ドル/円80.02 〜 80.38
ユーロ/ドル1.4342 〜 1.4442
ユーロ/円115.15 〜 115.76
NYダウ−80.34 → 12,109.67ドル
GOLD+7.00 → 1,553.40
WTI+2.01 → 95.41ドル
米10年国債±0 → 2.980%


本日の注目イベント

  • 豪   豪4月CB景気先行指数
  • 欧   ユーロ圏6月製造業PMI
  • 欧   ユーロ圏6月非製造業PMI
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   5月新築住宅販売件数






注目されたFOMCでは事前予想通り「QE2」は6月末を持って終了することを確認し、一部で指摘されていた「QE3」の


予定には言及されず大きなサプライズはありませんでした。





発表された声明文によると、景気回復は「緩やかなペースで進行中だが、委員会が予想していたよりは幾分ペースが遅い」とし、


今後数四半期をかけて持ち直すとしています。


今年の経済成長を、4月時点での予想3.1〜3.3%から、2.7〜2.9%に下方修正しました。


またインフレについては、従来予想を幾分上回ると説明し、4月時点での予想を若干引き上げています。





結局、金利は据え置かれ、量的緩和拡大の見通しもなかったことからドルに取ってマイナス材料とはならず、主要通貨に対して


ドルが買われる展開になっています。


一方株式市場では「QE3」への言及がなかったことや、インフレ見通しを上方修正したことなどが悪材料とみなされ、大引けにかけては


値を崩しています。





FOMC後の会見でバーナンキ議長は、商品価格が下落し、製造業が日本からの供給混乱を乗り切れば、景気は持ち直す可能性が高い、と


指摘し、欧州の混乱も懸念材料の一つであると述べています。


興味深いのは、「景気減速は一時的な現象である部分もあれば、長期化する可能性のある部分もある」としながらも、「われわれは成長加速を


確信している」とした点です。


先の会見で述べた「年後半には景気は回復する」との姿勢は維持し、楽観的な見方を変えてはいません。





さらに議長は、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を「長期にわたり」低水準に維持していることに関して、


「(長期にわたり維持する)という文言は、少なくとも2−3回のFOMC会合を意味する」と述べている点です。


今後開催されるFOMCの予定を見ると、7月には開催されず、8月、9月、そして11月には今回と同様に2日間の日程で開催


され、バーナンキ議長の記者会見もあります。


議長の発言を考えると、この11月の会合あたりが重要な節目になってくる可能性がありそうです。





今回のFOMCでは景気見通しは下方修正しながらも、インフレ予想を引き上げています。


さらなる量的緩和には消極的な理由がこのあたりにありそうですが、原油価格の高止まりなどを背景に、インフレに対する警戒感も


堅持していることが伺えます。


このあたりのバランスが今後の「出口戦略」に微妙な影響をあたえてくることになりそうですが、少なくとも年内の利上げの可能性は


かなり無くなってきたと言えそうです。





バーナンキ議長の会見を受けて、今朝の為替市場ではやや「ドル高傾向」が強まっているようです。


ドル円では膠着状態が続いていますが、先週から1週間届かなかった80円40銭レベルを今朝、ワンタッチしています。


そのため短期的な値動きを示す「1時間足」では、ローソク足が120日移動平均線を上抜け、200日移動平均線に絡んで


来ています。


この「1時間足」では上値で抵抗する「雲」も抜けており、上昇を伺わせるパターンを見せてはいますが、少し長い「4時間足」では


「雲」の中に入り、120日移動平均線がある80円49銭を試そうとしています。


先ずは、目先の80円の半ば、そして80円90−81円にかけて集中している各時間足のレジスタンスゾーンを抜けることができるかどうかと


いうことになります。


3日程連続して80円割れを試し跳ね返されたことで、今度は上値をトライする番ですが、この水準が抜けずに押し戻される


ようだと、ますます「ドル円離れ」が進むことになりそうです。















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
6/2 トリシェ・ECB総裁 「単一市場と単一通貨、単一の中央銀行がすでにあり、経済的見地からユーロ圏財務省を想定するのは大胆過ぎるだろうか」ドイツでの講演で。   ----    
6/6 ユンケル・ユ−ログループ議長 「われわれは為替レートの政策を持つべきだとこれまで以上に思っている」「ユーロは他の主要通貨に対して過大評価されている」 ユーロドル1.46台から → 1.45台に
6/7 バーナンキ・FRB議長 「米経済の生産活動は依然として潜在力を大きく下回る水準だ。そのため、緩和的な金融政策がなお必要とされる」アトランタの会合で ドル円、80円台前半からやや円高ドル安に。
6/9 トリシェ・ECB総裁 インフレ圧力が続いていることに関して「これはわれわれが次回の政策委員会で利上げを決める可能性のある状態を意味するが、ECBはあらかじめ判断することはせず、政策金利に関する次の決定について特定のペースを示唆しているわけではない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.46台から → 1.44台後半に
6/9 ダドリー・NY連銀総裁 「米経済成長は今年下期に上向き、緩やかな回復を支えられるようになるだろう。ただし、最近の失望を誘う経済データは見通しに対する下向きのリスクが増えたことを示している」NYでの講演で。   ----    
6/14 ドラギ・イタリア中銀総裁 「ECBは債務再編やヘアカット(債務減免)には反対だ」「純粋に自発的なものを除き、いかなる概念も受け入れられない」欧州議会での指名承認公聴会で。   ----    
6/16 グリースパン・前FRB議長 ギリシャ危機を解決する上で「政治システムが機能する可能性は極めて低い」「ギリシャがデフォルトに陥らない公算は非常に小さい」TV番組のインタヴューで。   ----    
6/19 パパンドレウ・ギリシャ首相 「ギリシャは重要な岐路に立っている。この状況の変革はわれわれの手に委ねられており、それがわれわれの責務だ」議会で。   ----    

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和