今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年6月24日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円はアジア市場でのドル高の流れを受け朝方は堅調に推移。
    80円80銭まで上昇したものの、上値の重さと、ユーロドルが
    上昇しユーロ高が進んだことから下落し、80円半ば引け。
  • ユーロドルは下落し1.41台前半まで売られた後、ギリシャに
    対する支援合意との一部報道により急速に買い戻され1.42台半ばまで
    反発。ギリシャのパパンドレウ首相はEU首脳に対して、緊縮財政策の実現を
    断言したとの報道も。
  • 株式市場は朝方急落し、ダウは一時230ドル安まで売られる。
    IEA(国際エネルギー機関)が石油備蓄の放出を発表したことから、エネルギー株
    などが下げを主導。その後は買い戻しも入り底堅く推移し、ダウは59ドル安、
    ナスダックは19ドル高で取引終了。
  • 株安から債券相場は上昇。失業保険申請件数などが増加していたことなども
    材料となり、価格は上昇し利回りは低下。
  • 原油価格は急落。IEAが石油備蓄を日量200万バレルを30日間放出
    すると発表したことで、WTI原油先物価格は一時4ヵ月ぶりに90ドルの大台を
    割り込む。引けにかけてはやや反発し91ドル台で取引を終える。
  • 石油価格の急落で、金も利益確定の売りに押され大幅安。前日比32ドル
    下落し、約1ヵ月ぶりに1520ドル台に。
  • 週間失業保険申請件数 → 42.9万件
  • 5月新築住宅販売件数 → −2.1%



ドル/円80.39 〜 80.80
ユーロ/ドル1.4126 〜 1.4264
ユーロ/円113.84 〜 114.89
NYダウ−59.67 → 12,050.00ドル
GOLD−32.90 → 1,520.50
WTI−4.39 → 91.02ドル
米10年国債−0.066 → 2.914%


本日の注目イベント

  • 欧   ゴンザレスパラモ・ECB理事講演
  • 独   独6月ifo景況指数
  • 英   キング・BOE総裁記者会見
  • 米   5月耐久財受注
  • 米   1−3月期GDP(改定値)






IEA(国際エネルギー機関)による「石油備蓄放出」というサプライズがあり、原油価格は大きく下落しました。


原油価格は堅調に上昇している金とは異なり、5月に115ドル台の高値を記録した後は「調整局面」にありました。


100ドル台に乗せると売られ、90ドルに近づくと売られ「90−100ドル」のボックス相場を形成している状況でした。


背景の一つが米国の景気減速です。


景気低迷が続けば、製造業を中心に石油の需要が減少します。


ただ、それでも原油価格は高止まりしており、IEAは石油価格の高騰が世界経済に影響を与えることを懸念し、備蓄放出という


行動に出たようです。


WTI原油先物取引は、もともと投機的色彩も強く、投機筋は今回の措置でかなりのポジションを手じまった結果、急落に繋がった


ものと思われます。





ドル円はNY市場で80円80銭まで上昇し、「やっと動き出した」といったところです。


東京時間に80円の半ばを抜き、やや上昇に弾みがついた格好でしたが、このあたりにはテクニカルでのレジスタンス・ポイントも多く、


一気に上昇するには材料が必要でした。


ひとまず、80円80銭まで上昇はしましたが、この水準から上値にも重要なテクニカル・ポイントがあり、まだまだ上昇への


ハードルは高いと言えそうです。





ドル円は先週末から今週の半ばにかけて何度も80円割れを試してきましたが割り込むことに失敗し、底堅さを確認したうえで今度は


上値を試している過程にあると思います。


前日のバーナンキ議長の会見で「QE3」への言及がなかったことから、消極的なドル買いで反応しましたが、ドル円が上昇に転じるには


材料としては足りないと言えます。


昨日の80円80銭は「8時間足」の120日移動平均線で見事に止められています。


その後下落し80円半ばで推移していますが、上値には再び上記120日移動平均線が80円78銭にあり、


さらに上には雲の上限もあります。







そして「日足」に目を移せば、ほぼ同水準に「雲の下限」があり、全体として81円近辺では「かなりの抵抗」が見られると考えられます。


しかしだからと言って上には抜けないというわけではなく、抜けるにはさらに「時間と材料」が必要だということです





豪ドル円の上値が重く、チャート(日足)を見ても明らかに上値が切り下がってきています。


85−88円のレンジを下方に修正し83−86円のレンジ内で動くと予想していますが、昨日も84円台前半まで下落し反発しています。


84円目前までが売られますが83円台には入らず反発するこの動きを「底固い」というのか、あるいは「上値が重い」というのか


難しいところです。


オーストラリアの利上げ観測が後退したことと、中国の利上げ観測が高まっていることが背景ですが、


ここは上記83−86円のレンジだと割り切って


大きな値幅を狙わず、こまめに利益を積み上げていく方法が賢明かと思います。





日々のトレードの中で債券相場や株式相場は為替にも影響を与えるため値動きには注意が必要ですが、さらに昨日のIEAの英断から


資源価格、商品相場にもこれまで以上に目配せが必要になっています。


またギリシャの緊縮財政問題の行方からも目が離せません。


ギリシャのベニゾロス財務相は昨日アテネで記者会見を行い、金融支援を確保するために必要な780億ユーロ(約9兆円)の


連帯税などを含む追加提案が、EUとIMFの当局者から支持されたことを明らかにしています。


最も重要な緊縮財政計画の国会承認は来週28日(火曜日)に予定されています。





天候不順で遅れていた「さくらんぼ」が最盛期を迎えています。


良い週末を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
6/2 トリシェ・ECB総裁 「単一市場と単一通貨、単一の中央銀行がすでにあり、経済的見地からユーロ圏財務省を想定するのは大胆過ぎるだろうか」ドイツでの講演で。   ----    
6/6 ユンケル・ユ−ログループ議長 「われわれは為替レートの政策を持つべきだとこれまで以上に思っている」「ユーロは他の主要通貨に対して過大評価されている」 ユーロドル1.46台から → 1.45台に
6/7 バーナンキ・FRB議長 「米経済の生産活動は依然として潜在力を大きく下回る水準だ。そのため、緩和的な金融政策がなお必要とされる」アトランタの会合で ドル円、80円台前半からやや円高ドル安に。
6/9 トリシェ・ECB総裁 インフレ圧力が続いていることに関して「これはわれわれが次回の政策委員会で利上げを決める可能性のある状態を意味するが、ECBはあらかじめ判断することはせず、政策金利に関する次の決定について特定のペースを示唆しているわけではない」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.46台から → 1.44台後半に
6/9 ダドリー・NY連銀総裁 「米経済成長は今年下期に上向き、緩やかな回復を支えられるようになるだろう。ただし、最近の失望を誘う経済データは見通しに対する下向きのリスクが増えたことを示している」NYでの講演で。   ----    
6/14 ドラギ・イタリア中銀総裁 「ECBは債務再編やヘアカット(債務減免)には反対だ」「純粋に自発的なものを除き、いかなる概念も受け入れられない」欧州議会での指名承認公聴会で。   ----    
6/16 グリースパン・前FRB議長 ギリシャ危機を解決する上で「政治システムが機能する可能性は極めて低い」「ギリシャがデフォルトに陥らない公算は非常に小さい」TV番組のインタヴューで。   ----    
6/19 パパンドレウ・ギリシャ首相 「ギリシャは重要な岐路に立っている。この状況の変革はわれわれの手に委ねられており、それがわれわれの責務だ」議会で。   ----    

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和