2011年7月1日(金)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ギリシャでは前日の緊縮財政法案に続き、関連法案も議会を通過
したことで、デフォルトリスクが遠のいたとの見方からユーロが買われ、
対ドルでは3週間ぶりに1.45台半ばまで、対円でも117円台前半まで上昇。
欧州時間の朝方、トリシェ・ECB総裁が議会でインフレに対して強い懸念を示した
こともユーロの買い材料に。 - ユーロ圏6月の消費者物価指数(CPI)は2.7%と、7カ月
連続でECBの目標値である「2%未満」を超えた。 - ドル円はユーロ高に引っ張られる形で「円高ドル安」が進み、
NYタイムには80円27銭まで下落。その後株高、長期金利上昇を
背景に80円台半ばを越える水準まで買い戻され、80−81円のレンジ突破
には至らず。 - 株式市場は大幅に続伸。ギリシャ問題の進展に加え、シカゴ購買部協会景況指数
が予想以上に良かったことから、ダウは4日続伸し1万2400ドル台を回復。 - 債券相場はさえない展開。株高から債券価格は4日続落し、10年債利回りは
3.16%まで上昇。 - 金は反落。原油価格は続伸し1週間ぶりの95ドル台乗せ。
- 週間失業保険申請件数 → 42.8万件
- 6月シカゴ購買部協会景気指数 → 61.1
| ドル/円 | 80.27 〜 80.86 |
| ユーロ/ドル | 1.4447 〜 1.4538 |
| ユーロ/円 | 116.12 〜 117.19 |
| NYダウ | +152.92 → 12,414.34ドル |
| GOLD | −7.60 → 1,502.80 |
| WTI | +0.65 → 95.42ドル |
| 米10年国債 | +0.039 → 3.160% |
本日の注目イベント
- 日 5月失業率
- 日 5月消費者物価指数(CPI)
- 中 中国6月製造業PMI
- 欧 ユーロ圏5月失業率
- 米 6月ISM製造業景況指数
- 米 6月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
世界最大の株式市場で、世界の主要株式市場にも大きな影響力をもつNY株式市場がダイナミックな上昇を続けています。
ここ3日間で320ドルの上昇を見せていたことから、「利食いの売りも出て一旦は下落する」と見ていましたが、
昨日のダウは過去3日間でも最大の上げ幅である153ドルの上昇となりました。
これで今週の上げ幅は480ドルとなり、1万2400ドル台回復しています。
NYの株高が東京株式市場も含め世界主要市場での株高にも繋がり、世界的な株高傾向となっています。
改めてNY株式市場のダイナミズムを感じざるを得ません。
昨日も書きましたが、NYの株高から「リスク選好」が高まり高金利通貨の豪ドル、ユーロなどが対ドルで上昇し、低金利の円の上昇は
限定的となっています。
昨日は月末ということもあり、輸出企業中心にドル売りが持ち込まれドル円の上値を抑え、ジリジリと値を下げました。
今週中ごろにかけてはドル円は上値を試し、一時81円27銭まで上昇し、テクニカルポイントを幾つか超えましたが、さらに重要な
81円台半ばを超えられず反落しました。
「上値がダメなら、今度は下値を」ということで、80円割れを試しに行ったものの、こちらも押し戻され結局80−81円の
レンジブレイクはならずもとの定位置に戻った格好です。
上にも下にも動けないドル円は今後もユーロの動きに左右されそうですが、
対主要通貨での値位置を見ると、ドル以外では「円安傾向」が続いているように思えます。
豪ドル円は昨日の海外市場では86円75銭まで上昇し、ちょうど1ヵ月ぶりの円安水準でした。ユーロ円でも117円台前半まで
円安が進んでおり、ドル円だけが「かなりの円高水準」だと言えそうです。
これは金利差でみればほぼ説明がつきます。
「豪ドル、ユーロ」などの高金利通貨と、「ドル、円、スイス」のいわゆる「低金利三兄弟」の2つのグループに分けて見ると
傾向が読み取れます。
高金利通貨ではドルに対して多少売られたとは言え水準的には高値を維持しています。
豪ドルの現在のレートは高値から95%程度の水準で推移しており、ユーロにしてもこの10年では0.82台から
1.60台のレンジの中では、足元の1.45は高値に近いレベルだと言えます。
つまり、高金利通貨に対しては明らかに「ドル安」が進行していることになるわけです。
ここでは金利差が決定的な要因になっている可能性があります。
一方低金利通貨グループでは、金利差ではどちらも「だんご状態」ですから、ファンダメンタルズの差が重要で、雇用、住宅
など米国の景気悪化が注目され、円、スイスはともに史上最高値を記録しています。
さらに、クロス円では金利差に加え、円自体の悪材料である財政問題、原発問題などが加味され「円安傾向」が続くのではないかと
予想されます。
ユーロ円がいまいち円安に振れていないのは、やはりギリシャなどの南欧諸国の財政問題が根底にあるからだと思います。
そのギリシャでは緊縮財政関連法案も議会を通り、ひとまず第二次支援体制が議論されるところまで来ました。
今後はギリシャが2015年までに、約束した284億ユーロ(約3兆3千億円)の財政赤字を削減できるのかどうかに
市場の関心が移ってくるものと思われます。
今日から7月。一年の後半が始まります。
今年前半の半年は「未曾有の半年」でした。後半は「復興」の半年にしたいものです。
良い週末を・・・・。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 6/2 | トリシェ・ECB総裁 | 「単一市場と単一通貨、単一の中央銀行がすでにあり、経済的見地からユーロ圏財務省を想定するのは大胆過ぎるだろうか」ドイツでの講演で。 | ---- |
| 6/6 | ユンケル・ユ−ログループ議長 | 「われわれは為替レートの政策を持つべきだとこれまで以上に思っている」「ユーロは他の主要通貨に対して過大評価されている」 | ユーロドル1.46台から → 1.45台に |
| 6/7 | バーナンキ・FRB議長 | 「米経済の生産活動は依然として潜在力を大きく下回る水準だ。そのため、緩和的な金融政策がなお必要とされる」アトランタの会合で | ドル円、80円台前半からやや円高ドル安に。 |
| 6/9 | トリシェ・ECB総裁 | インフレ圧力が続いていることに関して「これはわれわれが次回の政策委員会で利上げを決める可能性のある状態を意味するが、ECBはあらかじめ判断することはせず、政策金利に関する次の決定について特定のペースを示唆しているわけではない」理事会後の記者会見で。 | ユーロドル1.46台から → 1.44台後半に |
| 6/9 | ダドリー・NY連銀総裁 | 「米経済成長は今年下期に上向き、緩やかな回復を支えられるようになるだろう。ただし、最近の失望を誘う経済データは見通しに対する下向きのリスクが増えたことを示している」NYでの講演で。 | ---- |
| 6/14 | ドラギ・イタリア中銀総裁 | 「ECBは債務再編やヘアカット(債務減免)には反対だ」「純粋に自発的なものを除き、いかなる概念も受け入れられない」欧州議会での指名承認公聴会で。 | ---- |
| 6/16 | グリースパン・前FRB議長 | ギリシャ危機を解決する上で「政治システムが機能する可能性は極めて低い」「ギリシャがデフォルトに陥らない公算は非常に小さい」TV番組のインタヴューで。 | ---- |
| 6/19 | パパンドレウ・ギリシャ首相 | 「ギリシャは重要な岐路に立っている。この状況の変革はわれわれの手に委ねられており、それがわれわれの責務だ」議会で。 | ---- |
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