2011年7月8日(金)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ECBは市場の予想通り政策金利の0.25%引き上げを決定。
理事会後の会見では、トリシェ総裁がさらなる追加利上げの可能性を
否定しなかったことからユーロは大きく反発。 - ユーロドルはアジア市場からじり安が続き、ECB理事会前には
1.4220まで下落。利上げの決定とトリシェ総裁の会見が始まると
急反発し、底値から150ポイント程の上昇を見せこの日の高値圏で引ける。 - ドル円はADP雇用者数の大幅な改善と失業保険申請件数の減少を受け
重要な節目であった81円30銭を上抜け、81円41銭まで上昇。
6月1日以来のドル高値を更新。 - 株式市場は米経済指標の改善をきっかけに大幅続伸。ダウは93ドル高と
年初来高値に接近。 - 債券相場は続落し長期金利は上昇。労働市場の改善を示す指標や株高から
年後半の景気回復期待が高まる。 - 金価格は3日続伸し2週間ぶりの高値に。ユーロが急反発しドルが売られた
ことが背景。 - 原油価格は反発。在庫の減少と景気回復期待から2ドルを超す大幅高となり
98ドル台まで上昇。 - ECBは投機的水準まで格下げされたポルトガル国債を担保として
受け入れると発表。 - BOE政策金利 → 据え置き
- 週間失業保険申請件数 → 41.8万件
- 6月ADP雇用者数 → +15.7万人(予想は7万人の増加)
| ドル/円 | 81.07 〜 81.41 |
| ユーロ/ドル | 1.4220 〜 1.4375 |
| ユーロ/円 | 115.53 〜 116.79 |
| NYダウ | +93.47 → 12,719.49ドル |
| GOLD | +1.40 → 1,530.60 |
| WTI | +2.02 → 98.67ドル |
| 米10年国債 | +0.032 → 3.141% |
本日の注目イベント
- 日 6月景気ウオッチャー調査
- 日 5月経常収支
- 欧 ビニスマギ・ECB理事講演
- 独 独5月貿易収支
- 英 英6月生産者物価指数(PPI)
- 米 6月雇用統計
- 加 6月カナダ失業率
ECBは市場の予想通り政策金利を25bp引き上げ、1.50%に決定しました。
一部にはギリシャに続きポルトガル国債も「投機的」水準まで引き下げられるなど、域内のソブリンリスクの高まりから
利上げは見送られるのではないかとの見方もありましたが、全会一致で利上げを決めています。
トリシェECB総裁は理事会後の記者会見で「ECBの金融政策スタンスは依然として緩和的だ」とした上で、
「最近の物価動向が中期的に幅広いインフレ圧力上昇につながらないようにすることが不可欠だ」と述べています。
また、域内の経済活動については「不確実性が高まった状態」との認識を示し、ポルトガル国債については
ECBが買いオペをする際の、担保最低格付け規制の適用を中止すると決めたことを明らかにしました。
インフレに対する強い姿勢を示すと同時に、域内のソブリンリスクにも配慮したことを伺わせる決定だったと言えます。
この内容を受けユーロは急速に反発し、対ドルでは1.4220から1.43台後半まで値を戻しています。
また対円でも116円台後半まで上昇しており、折からの米株高に「ドル安、円安」が進み、
典型的な「リスク選好」の形になりました。
ユーロについては基本的なソブリンリスクは残されており、根本的な解決には至っていません。
そのためまだユーロが下落する余地は残っていると見られますが、
今回の利上げによって政策金利は1.5%となり、
高金利通貨とは言えないまでも日米との金利拡大に繋がっています。
今後、この金利差拡大が相場にどのように影響してくるのか見極める必要がありそうです。
さらに、今後の追加利上げについても明確な否定はしておらず、
今後の資源価格の動向によってはさらなる利上げへの姿勢は崩していません。
トリシェ総裁の任期は今年10月で、残すところ3ヵ月余りとなっています。
次期総裁にはイタリア中銀のドラギ総裁が決まっていますが、
最後にもう一度、利上げと言う「置き土産」を残していくかも知れません。
「81円に手の届く位置」にいたドル円は、ADP雇用者数の大幅改善に6月1日以来となる81円台半ばまで上昇しました。
昨日もこの欄で81円30銭を抜けるには「明確なドル買い材料が不可欠」と書きましたが、
昨日のADPはポジティブ・サプライズでした。
NY市場では終日81円台で取り引きされており、これまでのように80円台には押し戻されてはいません。
ドル円はひとまず81円30銭のハードルを越えたことで、次のハードルを目指す展開になりそうですが、一目均衡表を見ると
81円60銭から上値には重要な抵抗線が3本あり、次のハ−ドルを越えるのは「そう簡単ではない」ことが読み取れます。
現在「雲」の中を上昇中ですが、81円半ばから上には実需のドル売りとともに、
「ストップロス」のドル買いも混在していると見られます。
筆者はインターバンクディーラーではないためこれらのフローは見えませんが、
これまでの経験から、売り買いの注文が集まり易い水準かと思います。
テクニカル的に見れば「抜けにくい水準」であることからドル売りを置きたいレベルです。一方「抜けにくい水準」を抜けると、
上昇に弾みがつくことからドルショートを抱えている向きは、そういったレベルをストップロスのメドにする傾向があるからです。
ドル円が本格的に反転するには、まだ時間と水準訂正が必要です。
米景気回復を示すさらなる経済指標や日米金利差の拡大などが考えられますが、
明日の雇用統計にも若干期待が持てそうな気配です。
先月の雇用統計を振り返って見ると、ADP雇用者数が事前予想から大幅に下振れしたことで、
エコノミストなど専門家は政府発表の雇用統計予想数値を大幅に下方修正しました。
しかし結果はそれをも下回る内容で、米雇用市場は再び減少に向かうのではないかとの懸念が急速に高まりました。
今回はその逆で、予想では7万人のADP雇用数は倍以上の15.7万人でした。
今夜の雇用統計にもにわかに期待が高まって来たと言えそうです。
ただ、ADP雇用者数と政府発表の雇用統計には必ずしも相関関係はなく、時として大きくかい離することがあるので注意は必要です。
良い週末を・・・・。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 7/7 | トリシェ・ECB総裁 | 「ECBの金融政策スタンスは依然として緩和的だ」「最近の物価動向が中期的に幅広いインフレ圧力上昇につながらないようにすることが不可欠だ」追加利上げを決定した後の記者会見で。 | ユーロドル1.4220 → 1.43代後半に。 |
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