2011年7月14日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- バーナンキ・FRB議長は議会証言で「必要ならば追加緩和を行う用意がある」
と発言し、このところの景気回復の遅れに懸念を表明。 - この発言を受けて為替市場ではドル売りが強まり、株式市場では
緩和期待から株高が加速。 - ドル円は79円台から売られ78円台半ばまで下落するも、介入警戒感
や、長期金利が上昇後一服したことからドル買い戻しが入り79円手前で引け。 - ユーロドルは前日の1.38台を底値を買い戻しが優勢に。バーナンキ発言
をきっかけに1.41台から1.42台に乗せる場面も。 - 株式市場は議長発言が伝わると急騰。ダウは一時150ドルを超す上昇を見せたが
上値も重く、引けは44ドル高。 - 債券相場は反落。長期金利は小幅に上昇したものの2.8%台で落ち着く。
- 金は大幅に続伸し最高値を更新。原油価格も高止まりが続き98ドル台で引け。
| ドル/円 | 78.66 〜 79.36 |
| ユーロ/ドル | 1.4036 〜 1.4241 |
| ユーロ/円 | 111.23 〜 112.14 |
| NYダウ | +44.73 → 12,491.61ドル |
| GOLD | +23.20 → 1,585.50 |
| WTI | +0.62 → 98.05ドル |
| 米10年国債 | +0.007 → 2.884% |
本日の注目イベント
- 欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(CPI)
- 欧 ユーロ圏月例報告
- 米 6月生産者物価指数(PPI)
- 米 6月小売売上高
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 企業決算−JPモルガン・チェース
- 米 バーナンキ・FRB議長、上院銀行委員会で半期金融政策報告
バーナンキ・FRB議長は下院で証言を行い、追加緩和の可能性に触れたことで、米利上げ観測が後退し、為替市場ではドル売り
が強まり、株式市場では低金利政策の継続観測から一時株価が急反発する場面が見られました。
議長は「このところの景気低迷が予想よりも根強く続き、デフレリスクが再び上昇する可能性が残っている」とし、「経済情勢
により金融政策の調整が適切だと考えられる場合は、当局には対応する用意がある」と述べ、今後景気減速が強まった場合
追加刺激策を講じる考えがあることを示唆しました。
また、5月と6月の失業率については「失望させられる内容」だったとし、証言後の質疑応答でも、FRBとして
「あらゆる選択肢を支持し続ける必要がある」と答えています。
春先には「インフレ懸念」が台頭し、低金利政策を必要以上継続した場合のリスクが議論された経緯もありましたが、足元では
「デフレの可能性」がリスクとして捉えられる状況にまで経済状況が変わってきたことを示したことになります。
市場ではさらなる緩和政策は、中国、ブラジルなど「新興国」のインフレを招き、通貨高に繋がることから「実施しにくい」
と見られていましたが、米景気回復のペースが遅く、回復基調を見せていた雇用にも悪化の傾向が見え始めたことで
上記表現に至ったものと見られます。
2008年のリーマンショック以降、FRBはあらゆる手段を排除せず景気回復に全力を傾注してきました。
FRBにとって誤算だったのは「QE2」である程度の回復基調に戻り、その後は巡航速度で景気が回復すると読んでいたものが、
その効果も短期的に終わりそうなことです。
今後「QE3」ないし、それに準ずる政策を実施しても景気が浮揚しない場合には、日本の失われた20年に似た「デフレスパイラル」に
陥る可能性も意識しないわけにはいきません。
かつて日本がデフレから脱却できない状況を「ヘリコプターから札をまけばいい」と発言し、「ヘリコプター・ベン」と称された
バーナンキ議長がどのような手段でデフレの進行を防ぐのか注目されます。
昨日の朝方市場参加者の少ない中、一時78円台の半ばまで下落したドル円は、さらなる下落は無かったものの、結局80円台に
戻ることもなく79円台前半でもみ合いました。
NYでは米金利の引き上げ時期がさらに遅くなるとの見方から再び78円台に入り、現在は79円を挟む水準で推移しています。
懸念されるのは「80円台以下の水準が定着」してしまうことです。
昨日も述べましたが、円が78円台に入っても東京株式市場に与える影響は今のところ限定的です。
また予想通り、その水準でも市場介入は見られませんでした。
野田財務大臣は円高について「少し一方的な動きだ」とは発言しましたが介入については触れていません。
これまでの「断固たる措置を取る」といった常套文句も聞かれなかったことで、現在の水準を容認したとも受け取られかねない状況です。
トヨタ自動車の豊田彰男社長は昨日の記者会見で「日本のものづくりを考える上で理屈上、成り立たない水準」と述べ、
現在のドル円の水準に懸念を表明しています。
ドルも買えない、ユーロも買えない状況から円へ資金が集まり易い状況ではありますが、政府日銀としても介入を含め「次の一手」を
出してこない限り、80円台以下の水準が定着する危険性があります。
個人的は78円を割り込む水準は介入に対する「危険水域」に入ってくると考えます。
3月に記録した76円25銭が視野に入って来るとともに、再び史上最高値を更新する可能性も出てくるからです。
専門家の間にも75円を唱える人が増えてきており、為替市場にも本格的な暑い夏到来です。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 7/7 | トリシェ・ECB総裁 | 「ECBの金融政策スタンスは依然として緩和的だ」「最近の物価動向が中期的に幅広いインフレ圧力上昇につながらないようにすることが不可欠だ」追加利上げを決定した後の記者会見で。 | ユーロドル1.4220 → 1.43台後半に。 |
| 7/13 | バーナンキ・FRB議長 | 「このところの景気低迷が予想よりも根強く続き、デフレリスクが再び上昇する可能性が残っている」「経済情勢により金融政策の調整が適切だと考えられる場合は、当局には対応する用意がある」議会証言で。 | ユーロドル1.41台 → 1.42台後、ドル円79円台 → 一時78円台半ばに。 |
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