今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年7月15日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 前日に続きバーナンキ議長は上院の公聴に出席し、「QE3」をすぐに
    実施することはないとの考えを示す。
  • この発言からドルが買い戻される展開となり、ドル円は79円28銭まで
    上昇し、ドル安が一服。小売売上高などの経済指標が予想を上回ったことも
    ドル買いを後押し。
  • ユーロドルもアジア市場では1.42台後半まで上昇したものの、
    ドル買い戻しの流れにユーロ売りが優勢となり1.41台前半まで下落。
  • 株式市場はバーナンキ発言を受け反落。議長が発言の中でインフレ懸念を
    表明したことからダウは売られ54ドル安。米企業の決算発表では
    JPモルガン・チェース、グーグルがともに好決算を発表。
  • 債券相場はまちまち。10年債は小幅に下落し利回りは上昇。
  • 金価格は8日続伸し連日の最高値更新。原油は大幅反落し95ドル台に。
  • 6月生産者物価指数(PPI) → +0.3%
  • 6月小売売上高 → +0.1%
  • 週間失業保険申請件数 → 40.5万件



ドル/円78.95 〜 79.28
ユーロ/ドル1.4115 〜 1.4249
ユーロ/円111.75 〜 112.67
NYダウ−54.49 → 12,437.12ドル
GOLD+3.80 → 1,589.30
WTI−2.36 → 95.69ドル
米10年国債+0.069 → 2.953%


本日の注目イベント

  • 日   日銀金融政策決定会合議事録要旨公表(6/13、14日分)
  • 欧   ユーロ圏5月貿易収支
  • 米   6月消費者物価指数(CPI)
  • 米   7月NY連銀製造業景況指数
  • 米   6月鉱工業生産
  • 米   7月ミシガン大学消費者信頼感指数
  • 米   企業決算 − シティーグループ






前日の議会証言では「必要なら追加緩和の用意がある」と発言し、さらなる金融緩和政策が実施されるとの見方から


ドルが主要通貨に対して売られ、株価は低金利の継続見通しから上昇し、債券相場は下落する反応を見せましたが、


昨日は全く逆の流れになりました。





バーナンキ議長は上院の公聴会に出席し、インフレが上昇していると指摘し、さらに、ただちに景気刺激のための


一段の措置には動かないとの印象を与えドルが買い戻される展開になりました。


また午後には議会で1兆5千億ドルの財政赤字削減で合意できるとの報道も伝わり、懸念されている債務上限の引き上げ問題が


解決するとの観測が広がりドル高への支援材料になっています。





しかし、昨日のムーディーズによる米国債格下げ見通しの発表に続き、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も


この日、年金受給者などへの支払い遅延が起きた場合もデフォルトと見直すと警告しています。


債務上限問題は現時点では依然として合意に向けて交渉中ではあるものの、減税などを含む赤字削減幅を巡って対立が


続いており、ぎりぎりまで長引く可能性があります。


ガイトナー財務長官もバーナンキ議長も仮に米国債がデフォルトになった場合、世界経済に与える影響は計り知れないと警告して


いることから、現実的には米国債のデフォルトは考えにくく、どこかの時点で着地点を見い出し合意に達すると思われますが、


「ブラック・スワン」が起きない可能性が全くないとも言えません。





ドル円は昨日のアジア市場で一時78円47銭まで売られ、前日早朝の水準近辺まで下落しましたがその後79円台まで買い戻され


円高傾向も一服でした。


78円台半ばでも介入の気配はなく、当社の個人投資家からも「どの水準で介入があるのか」と言った照会が多く寄せられました。


昨日もこの欄で書きましたが、日経平均株価などが比較的平静に推移しており、円高による影響も今のところ限定的です。


介入にはさらなる円高観測が必要で、それには円高方向へのスピード感と株価の大幅下落が必要だと思われます。


重要なことは「過度の介入期待感」を持たないことです。介入を期待して買い持ちポジションを膨らませることは大きなリスクが


伴います。


ドル買い持ちを膨らますのは、トレンドが「ドル高」に転換してからでも遅くはないと思います。


足元では「1時間足」よりも短い足では遅行スパンが「好転」しており、ドル反発の気配を見せてはいますが、「4時間足」より長い


チャートでは全てドルの上値が重いことを示しています。


ここ数日は神経質な動きが続くと思われますが、ドル円が80円を頭に「75−80円の新しいレンジ」に入ったのか、あるいは


短期的には売られすぎで再び「80−81円台」に戻すのかを見極めることが重要です。





FRBが金利を引き上げるタイミングはかなり先送りになったことは否めません。


しかし一方で低金利が継続されたことで今後その効果が出てくるとの指摘もあります。


昨日発表されたJPモルガン・チェースの決算発表も市場の大方の予想に反して増収増益でした。引け後に発表された


グーグルの決算は、「売上高」、「1株当たり利益」がともに市場予想を大幅に上回り、引け後の取引では11%も株価が上昇しています。


総悲観の中にもわずかに明かりは見える状況の中、ドル円は底値を探る展開が続くと予想しています。





ユーロも似たり寄ったりです。


財政危機の波はイタリア、スペインにも押し寄せ、ギリシャに対する第二次支援策も先送りされている状況です。


本日にはユーロ圏の銀行に対するストレステストの結果が発表されます。


また、臨時の財務相会合が本日開かれるとの報道もあります。


「ユーロ圏劇場」ではまだまだ「続編」が予定されていそうです。






例年より早く梅雨が明け、熱中症が多発しております。気をつけて下さい。


良い週末を・・・・。















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
7/7 トリシェ・ECB総裁 「ECBの金融政策スタンスは依然として緩和的だ」「最近の物価動向が中期的に幅広いインフレ圧力上昇につながらないようにすることが不可欠だ」追加利上げを決定した後の記者会見で。 ユーロドル1.4220 → 1.43台後半に。
7/13 バーナンキ・FRB議長 「このところの景気低迷が予想よりも根強く続き、デフレリスクが再び上昇する可能性が残っている」「経済情勢により金融政策の調整が適切だと考えられる場合は、当局には対応する用意がある」議会証言で。 ユーロドル1.41台 → 1.42台後、ドル円79円台 → 一時78円台半ばに。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和