今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「スイスフラン急反落。」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 週末ということもあり、ドル円は上にも下にも動きにくい展開。
  • 8月の消費者信頼感指数が予想を下回り、ドル円は76円台半ばまで下落したものの、介入警戒感も強まり76円台後半に。ただ、77円台ではドル売り意欲も強く、狭い値幅に終始。
  • ユーロは域内の鉱工業生産が発表され、予想より悪化hしていたことで1.42台後半から下落。依然として1.41−1.43台のレンジを抜けきれない動きが続く。
  • 乱高下を繰り返している株式市場は、小売売上高が好調だったことから小売関連株が上昇。ダウは125ドル高と値幅は依然大きく市場の不安心理を反映している。
  • 債券相場は上昇。消費者信頼感指数が悪化していたことや、NY連銀のダドリー総裁が、金融当局者は米経済に「慎重な評価を下した」と述べたことが手がかり。長期金利は下落。
  • 金は前日に続き下落、原油価格も小幅に下落。
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7月小売売上高 → +0.5%
8月ミシガン大学消費者信頼感指数 → 54.9
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ドル/円 76.52 〜 76.89
ユーロ/ドル 1.4211 〜 1.4293
ユーロ/円 109.00 〜 109.60
NYダウ +125.71 → 11,269.02ドル
GOLD −8.90 → 1,742.60
WTI −0.34 → 85.38ドル
米10年国債 −0.090 → 2.250%

本日の注目イベント

  • 日   第2四半期GDP(速報値)
  • 米   8月NY連銀製造業景況指数
  • 米   8月NAHB住宅市場指数
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演

「市場を注視しながら、やるべき時には介入をする」野田財務大臣は昨日14日(日曜日)、テレビ出演しこのように語っていました。しかし、ドル円は76円台後半での動きで、77円台に入ると売られる展開が続いています。特に、先週の後半3日間は77円台にさえ戻していません。最近は77円台前半が「売り場」とも思える流れが続いていますが、それでも政府・日銀による市場介入は8月4日の一度だけで、先週は介入を実施した形跡はありません。8月4日の介入は77円台10−20銭レベルで行われたことから、少なくとも76円台半ばから後半では再度介入すると読んでいましたが、肩すかしを食らった感じでした。

政府・日銀が最大規模の介入を実施したにもかかわらず円高がさらに進んでいることで「介入の限界」を意識しているものと思われますが、このまま放置しておくとも考えられず、いずれ近いうちに介入を実施してくると思います。その際には、より効果的な成果が上がるよう検討を重ねているものと理解しています。

今後の焦点はいつ史上最高値である76円25銭を割り込むかに絞られます。円以上に最高値が続いているスイスフランに対しては先週、スイス政府が「ユーロにペッグする」対策を検討しているとの報道がありドルやユーロ、円に対して急落しました。また、昨日はスイスの有力紙が、スイス政府とスイス中銀はスイスフランの目標設定について活発な議論を行っている、と伝えています。同紙によると、計画は「準備」されており、スイス中銀は「今後数日中」に目標を設定する公算がある、と報じています。また同紙は、議論はスイス政府の役割が焦点となっており、「適切な計画」が今月17日に導入される可能性があるとも伝えています。

スイスフランがこれで下落に転じ、このままズルズルと値を崩していくとも思えませんが、投機筋にとってはこれまで通り買い進めることに不安を感じることにはなり、一定の抑止力が働くことになります。市場では、投機的なスイス買いが収まればその資金は円に向かうのではとの予想があります。その結果、円がさらに上昇する可能性がある、といった見方です。確かにその可能性はありますが、それでも現在の水準はいつ日銀が介入してもおかしくない水準です。一旦介入すれば、1円〜3円ほど円安方向に持っていかれるリスクもあり、そう手放しに円買いを進めるわけにはいきません。

個人的にはドル円の上値は重く、いずれ近いうちに史上最高値を更新し75円台が見えてくると考えていますが、8月4日の大規模介入以降、翌週には76円台まで円買いが進み、「結局、介入は効かなかった」という印象を多くの市場参加者がもったはずです。確かに市場介入の効果は限られましたが、その後76円台には入ったもの、76円台半ばからは「介入警戒感」が高まり、さらなる円高には繋がっていません。見方を変えれば、介入による効果は限られ76円台に押し戻されたものの、そこから75円台突入には「予想以上の」時間がかかっているというのも事実です。

米経済指標の悪化がリリースされるたびにドルが売られる展開は続いているものの、介入警戒感も思いのほか強いことも頭の片隅に入れて置きたいと思います。今週1週間で76円25銭を割り込めない展開が続いたら、一旦ドルが反発する可能性が出てくるかもしれません。それでも上値は80円程度だとは思いますが、76円台半ばを割り込まずに78円台に乗せるようなことがあれば注意が必要です。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
8/12 ダドリー・NY連銀総裁 「市場金利は全般的に低下した。これは経済活動や雇用にとってある程度の追加支援となるだろう」FOMC声明を受けて。 --------
8/12 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 「(PCEデフレーターなど価格指数の上昇に触れ)こうした経済の変化に対応する適切な措置が追加緩和策とは思えない」FOMCの決定に異議を唱える理由を聞かれて。 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和