今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年8月17日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 注目の独仏トップ会談では通貨ユーロの信任維持については話されたものの
    ユーロ圏共同債の発行については微妙な立場の違いを見せ、ユーロ売りに繋がる。
    ユーロは1.43台半ばまで売られたあと1.44台に戻す場面があった。ユーロ圏の
    第2四半期GDPも予想に届かず上値を重くした。
  • ドル円は前日同様、76円台半ばから後半のレンジを抜けず。
  • 米経済指標はまちまち。相変わらず住宅関連指標が伸びず、鉱工業生産は事前予想を
    上回った。
  • 株価は軟調な寄りつきから大きく下げて始まったが、ウォルマートの好決算が
    小売関連株の相場を押し上げたがプラス圏には戻らず、ダウは前日比76ドル安。
  • 債券価格は上昇。独仏会談でユーロ圏共同債への踏み込んだ議論がなかったことで、
    価格は上昇し金利は低下。
  • 格付け会社フィッチは米国債の格付けを「AAA」で据え置くことを正式に発表。
  • 金価格は大幅に続伸し1785ドルで引ける。引け値では史上最高値を更新。原油は反落。
  • 7月住宅着工件数 → 60.4万件
  • 7月建設許可件数 → 59.7万件
  • 7月鉱工業生産 → +0.9
  • 7月設備稼働率 → 77.5



ドル/円76.66 〜 76.93
ユーロ/ドル1.4359 〜 1.4473
ユーロ/円110.09 〜 110.99
NYダウ−76.97 → 11,405.93ドル
GOLD+27.00 → 1,785.00
WTI−1.23 → 86.65ドル
米10年国債−0.085 → 2.223%


本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏7月消費者物価指数(確報値)
  • 英   BOE議事録
  • 英   英7月失業率
  • 米   7月生産者物価指数
  • 米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演






ドイツ・メルケル首相とフランス・サルコジ大統領がパリで会談しました。


通貨ユーロの安定を図ることや、独仏で危機感を共有しユーロ圏の一層緊密な経済統合を追及していくとの


声明を発表しました。


しかし、注目された「ユーロ圏共同債券」の発行については微妙に立場が違うことが判明しています。





サルコジ大統領はこの問題について「いつの日か想定され得るが、発行は欧州統合プロセスにおける最終段階だ。


最初の段階ではない」と、現状ではまだその準備は整っていないとの立場でした。


一方、メルケル首相は「欧州は持てるリソースをまだ活用しきっていない。ユーロ共同債が今の時点で欧州の信頼回復の


助けになるとは考えていない」として発行には否定的な立場を表しています。





仮に共同債が発行されれば、加盟17ヵ国の資金調達コストが一つになることになり、ギリシャ、ポルトガルなど現在調達コスト


が上昇して苦しんでいる国にとっては大きなメリットがあり、逆にドイツのように域内で最も安全な債券を発行している国にとっては


調達コストの増加に繋がり到底のめない話です。


ドイツが反対することは予想通りで、フランスの立場が注目されましたが、イエスでもノーでもないニュートラルなものでした。





心配なのは、これまでドイツをけん引役として日米よりも堅調だったユーロ圏の経済成長に鈍化の兆しが見え始めたことです。


昨日発表されたユーロ圏の第2四半期GDPは前期比+0.2%と、市場予想を下回り、2009年以降で最も低い成長となりました。


背景はドイツの経済成長に急ブレイキがかかってきたことです。


ドイツは自動車を中心に景気が高水準で続いてきました。フォルクスワーゲンなど自動車各社は最高益を更新してきましたが、最も販売が好調な


中国で、その勢いに陰りがでてきています。


ユ−ロ圏はGDPの7割を独仏で稼いでいると言われています。


今後、フランスにもその影響が出てくるものと思われますが、そうなるとユーロ圏の景気が一気に悪化して来る可能性も出てきます。


ユーロ圏にとっては、財政問題が何とか最悪の事態にならずに済んだのも束の間、今度は景気の悪化に見舞われることにもなりかねません。





ドル円は完全に「夏休みモード」に入っています。


東京市場だけではなく、比較的値動きのある海外市場でも値幅が出ていません。


参加者が少ないことも一因ですが、そもそも上値が重く77円ではドル売り意欲が強い一方、76台半ばでは介入警戒感も強く、


その水準からさらに円買いを進めるにはリスクが高いことも、相場を膠着させている要因かと思われます。


本格的には来週には正常な状態に戻るものと思われますが、すでにお盆も明けそろそろ市場参加者も戻ってきます。


いつまでもこのレンジが続くと思うと危険です。


セオリー通りに動くのであれば、「レンジの抜けた方向へ順張り」です。





豪ドルがややその勢いを戻してきています。


対ドルではさすがに1.05台では売られますが、「1時間足」では1.04台半ばから下には比較的厚い雲にサポートされています。


直近高値の1.1083から先週の急落で記録した安値0.9911の「半値戻し」は、1.0497と計算され売り物がでても当然の水準です。


先週政策金利を据え置き、年末に向け利下げ観測も出ています。


RBAは今しばらく消費者物価指数、資源価格などの変動要因を見極めたいとしていますが、言いかえれば今後「リスク選好」に


戻るのかどうかということにもなります。


「リスク回避」の運用環境がさらに続くようなら豪ドルの上値は限定的と見ています。

















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
8/12 ダドリー・NY連銀総裁 「市場金利は全般的に低下した。これは経済活動や雇用にとってある程度の追加支援となるだろう」FOMC声明を受けて。     ----   
8/12 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 「(PCEデフレーターなど価格指数の上昇に触れ)こうした経済の変化に対応する適切な措置が追加緩和策とは思えない」FOMCの決定に異議を唱える理由を聞かれて。     ----   
8/15 ロックハート・アトランタ連銀総裁 「FRBのバランスシートを拡大もしくは資産ポートフォリオの構成内容の修正は可能だ。景気が縮小領域に逆戻りした場合、これらの措置を十分な規模で実施する限り、非常に高い効果が得られるだろう」アラバマ州の講演で。     ----   

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和