今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]


おはようございます。


ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 市場の関心はギリシャ問題に集中しており、ドル円は蚊帳の外。76円台後半での取引が中心で値幅も20銭余りと小動き。
  • ユーロはやや反発。前日大きく売られた仏BNPパリバ株などが反発したことから信用不安が後退。ユーロを買い戻す流れが優勢となりユーロドルは1.37台前半まで反発。
  • 独メルケル首相と仏サルコジ大統領がギリシャ問題について緊急の電話会談を行ったことが判明。また明日、ギリシャの首脳を含めた三者会談を行うことも発表された。
  • 欧州株が反発したことを受け、NYダウも44ドル高と上昇。
  • 債券相場は信用不安がやや後退したことで続落。長期金利は2%目前まで上昇。
  • 金は反発。原油価格も大幅に続伸し、約6週間ぶりに90ドルの大台を回復して引ける。
ドル/円76.81 〜 77.01
ユーロ/ドル1.3623 〜 1.3739
ユーロ/円104.78 〜 105.54
NYダウ+44.73 → 11,105.85ドル
GOLD+16.80 → 1,830.10
WTI+2.02 → 90.21ドル
米10年国債+0.045 → 1.992%

本日の注目イベント

  • 豪   豪9月ウェストパック消費者信頼感指数
  • 日   7月マネタリーベース
  • 日   7月鉱工業生産
  • 欧   ユーロ圏7月鉱工業生産
  • 英   英8月失業率
  • 米   8月生産者物価指数
  • 米   8月小売売上高
  • 米   ガイトナー財務長官講演

市場は「ギリシャ問題一色」です。
デフォルトの可能性が高まり、ギリシャへのエクスポージャーを多く保有する独仏の大手金融機関の株価が下落し、それがさらに信用不安を拡大するという、「負の連鎖」に陥っています。昨日のギリシャの2年債は下落し、これで10営業日続落し、利回りは77%に向かっています。ギリシャ国債の保証率を示すCDSスプレッドは、ギリシャが5年以内にデフォルトに陥る確率が98%であることを示しています。

このような事態に、先週まで「ギリシャが計画通り財政赤字削減が実施できなければ支援ができない」と言っていた独メルケル首相も、さすがに強気の姿勢を貫きとおすこともできず、急遽仏サルコジ大統領と対応を協議した様です。ギリシャ支援に対するドイツ国民の反対があるものの、万が一ギリシャがデフォルトに陥った場合の影響はドイツだけではなく欧州全体、あるいは世界全体に広がることを考えると「突き放してばかりはいられない」状況です。正に「引くも地獄、進むも地獄」と言ったところです。

メルケル首相は13日に放送されたドイツのラジオで「優先課題は制御を欠いた破産を回避することだ。そのような事態はギリシャばかりではなく全ての当事者、あるいは少なくとも多数の国を巻き込む危険性が極めて高いからだ」と語って、「私の姿勢は非常に明確にしてある。ユーロ圏の政治的な一体性を守るためあらゆる措置を講じなければならないということだ。そうしなければ即座にドミノ効果に直面する」と述べています。(ブルームバーグ)先週までの突き放したもの言いとは大きく異なったことで、逆に事態の深刻さが伺われそうです。

また、ギリシャ政府は明日14日に、パパンドレウ首相がフランス・サルコジ大統領、ドイツ・メルケル首相と、ギリシャとユーロ圏の展開について協議することを明らかにしています。ギリシャの財政赤字削減の進捗度を確認するとともに、さらなる削減策を求める可能性が考えられますが、両国の銀行がギリシャの国債を大量に保有している状況下では、支援体制をさらに強化するという方向で話が進むのではないでしょうか。昨日は、BNPパリバやソシエテ・ジェネラルの株価はひとまず反発して取引を終えています。ソシエテのウデアCEO(最高経営責任者)がドル資金の調達には問題がないことを明らかにしたことが背景ですが、日米欧の中央銀行はお互いに通貨を交換しあう「通貨スワップ協定」を結んでおり、いざという時にはECBからのドル資金の借り入れも十分可能かと思われ、資金調達に窮する可能性は低いかと思われます。

事態は欧州発の「リーマンショック」を引き起こさずに済むかどうかという状況です。ユーロドルは反発して1.37台前半まで上昇し、その後再び下落しています。上値はやはり1.3720前後にある「1時間足」の雲の上限を抜けるかどうかです。「1時間足」では8月30日に雲に入ってから2週間、一度も上抜けできていません。このことからも「1時間足の雲の上限」はユーロ反発のメドと見られポイントになろうかと思います。

最後に今後のユーロに関するイベントを確認すると、明日は上述のように独仏に加えギリシャの首相を含めた3者会談が行われます。 現在入手している情報では「電話会談」になる模様です。16−17日にはEU財務相非公式会合がポーランドで開かれ、ギリシャ問題に関する対応が協議される様です。この会合にはガイトナー米財務長官も出席することになっており、同長官は既にユーロ圏の当局者に「危機対応の戦略を強化するよう」促している模様です。また18日にはベルリン州議会選挙が行われ、メルケル政権の反対票が注目されます。結局、ここでのコメントも「ギリシャ一色」になってしまいました。

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/6 メルケル・独首相 「ギリシャが経済調整プログラムに基づく条件を達成できなければ、今月の同国への融資は実行されない」 --------
9/6 トリシェ・ECB総裁 「ギリシャは財政赤字を抑制するために合意した措置をとらなけらればならない」LCIテレビとのインタビューで。 --------
9/6 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 「8月の統計は追加金融緩和の必要性を正当化するには至らなかった」「9月の統計がさらなる緩和策を正当化する可能性は低い」講演で。 --------
9/7 エバンス・シカゴ連銀総裁 「失業率を7%もしくは7.5%付近に押し下げるまで現行の低金利政策を維持すべきだ」ロンドンでの講演で。 --------
9/8 バ−ナンキ・FRB議長 「物価安定の下で経済活動を促進する措置を適切に実施する用意ができている」ミネアポリスでの講演で。 --------
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

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What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和