今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年9月16日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 日米欧の中央銀行がドル資金を無制限に供給することを発表した
    ことで、欧州市場の混乱に伴う信用不安が後退、ユーロが大きく
    買い戻される。
  • ユ−ロドルは1.37台から1.39台前半まで急伸し、欧州株式
    市場も大幅続伸。これまで大きく売られてきたフランスの銀行株などが
    軒並み急反発。
  • ドル円はユーロ円などのクロス円の買いに、76円台半ばから77円台
    まで上昇する場面があったものの、上値は重く76円70銭近辺で引ける。
  • スイス中銀は政策決定会合で、ゼロ金利政策の維持を決定するとともに
    スイスフラン高の阻止を続ける姿勢を継続。
  • 株式市場は3日続伸。5ヵ国の中央銀行がドル資金の供給で合意したことを
    好感しダウは186ドル高。
  • 債券相場は続落。信用不安が後退し株高が進んだことで価格は下落。
    10年債利回りは9月7日以来となる2%台乗せ。
  • 金は大幅続落。前日比45ドル下落し、約3週間ぶりに1780ドル台に。
    原油価格は小幅に上昇。
  • 8月消費者物価指数(CPI) → +0.4%
  • 9月NY連銀製造業景況指数 → −8.8
  • 週間失業保険申請件数 → 42.8万件
  • 8月設備稼働率 → 77.4
  • 9月鉱工業生産 → +0.2%
  • 9月フィラデルフィア連銀景況指数 → −17.5



ドル/円76.60 〜 77.33
ユーロ/ドル1.3772 〜 1.3937
ユーロ/円105.59 〜 106.99
NYダウ+186.45 → 11,438.18ドル
GOLD−45.10 → 1,781.40
WTI+0.49 → 89.40ドル
米10年国債+0.090 → 2.083%


本日の注目イベント

  • 欧   ユーロ圏7月貿易収支
  • 欧   EU財務相非公式会合
  • 欧   ユーロ圏7月経常収支
  • 欧   ゴンザレスパラモ・ECB理事講演
  • 米   9月ミシガン大学消費者物価指数








ECB、BOE、それにSNB(スイス中銀)に加え、FRBと日銀が参加して自国の銀行にドル資金を供給することで合意したことで


欧州発の信用不安が後退し一気に、株高、ユーロ高に傾きました。


今回の合意は短期資金だけでは、年末越えの長めの資金も無制限に供給するところに特徴があります。


ギリシャのデフォルトリスクが高まるにつれ、同国の国債を大量に保有する独仏の大手銀行の株価が急落し、


これが欧州株式市場全体の下落に繋がっていました。


特にフランスの大手銀行の株価は売られ、多くはドル資金の調達コストが上昇し経営を圧迫する事態にまで発展する勢いでした。





日米欧の中央銀行が自国の銀行にドル資金供給を早々に決めたことには、こうした背景があり、


特に年末越えの資金まで供給することで、金融システムの安定化を維持するという意図が観られ、


信用不安が拡大する中「早めに手を打った」と言えます。


今回の措置は2008年のリーマンショック以来のことですが、昨日は偶然なのか、


スイス最大の銀行であるUBSがトレーダーの不正取引で


20億ドル(約1530億円)の損出が発生したことが明るみに出たことと同じタイミングでした。


中央銀行のドル資金供給が発表されたことで、今回のUBSの損出問題の影響は緩和されそうですが、


この問題だけが公表されたのであれば欧州危機の拡大に繋がった可能性は否定できません。


格付け会社ムーディーズは、早速同行の格付けを引き下げ方向で見直すと発表しています。





昨日の発表でユーロドルが大きく買い戻され、1.45台から始まった今回の下落幅の4割程度を戻したことになります。


しかし、ユーロがこのまま上昇に向かうとも思えません。


ドル資金調達の道は確保されたとしても、ギリシャを巡る財政赤字問題は何ら解決していないからです。


本日からポーランドで始まる「EU財務相会合」での決定内容が注目されます。


独仏首脳が、ギリシャのユーロ圏残留を確信するとの声明を発表していることから、


「財政危機に陥った際の救済体制の拡充」が話し合われるものと思われますが、


同時にギリシャに対しては一層の財政赤字削減を求めることが予想されます。


今回の会合にはガイトナー米財務長官も参加します。


ギリシャ発の欧州危機がかなり深刻な状況にきていることが背景だと思われますが、


米国サイドからも何か提案がだされることも考えられます。


いずれにしても、その内容次第では来週のオセアニア市場での相場が値を飛ばす、


「窓開け」の可能性もありポジション管理には注意が必要です。





昨日は米経済指標が多く発表されました。


依然として多くの指標が米景気の減速を表すものでしたが、


その中で8月の消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%上昇していたことがやや気になります。


食品やエネルギー、居住費などが上昇し、市場予想を超えていました。


これはインフレ基調が継続していることと捉えられ、FOMCの政策を制約することに繋がる可能性があります。


特にFRBが注目している「コア指数」も前月比0.2%上昇し、2ヵ月連続の伸びを示しています。


また、週間失業保険申請件数も前週から1万1千件増加して42万8千件でした。


これは6月以来最も高い水準で、「40万件の壁」をなかなか安定的に割り込めない状況が続いています。


上述の中央銀行によるドル資金の供給で欧州市場発の信用不安がやや後退しました。


今週は「ユーロ一色」の流れでしたが、これでいよいよ来週20日から開催されるFOMCに市場の関心が移るものと思われます。


欧州危機は完全に払拭されてはいませんが、市場の目は欧州から米国の「次の一手」に集まってきそうです。





まだ厳しい暑さは残りますが、朝晩の虫の音は日増しに大きくなっています。


3連休です。良い週末を・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
9/6 メルケル・独首相 「ギリシャが経済調整プログラムに基づく条件を達成できなければ、今月の同国への融資は実行されない」     ----   
9/6 トリシェ・ECB総裁 「ギリシャは財政赤字を抑制するために合意した措置をとらなけらればならない」LCIテレビとのインタビューで。     ----   
9/6 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 「8月の統計は追加金融緩和の必要性を正当化するには至らなかった」「9月の統計がさらなる緩和策を正当化する可能性は低い」講演で。     ----   
9/7 エバンス・シカゴ連銀総裁 「失業率を7%もしくは7.5%付近に押し下げるまで現行の低金利政策を維持すべきだ」ロンドンでの講演で。     ----   
9/8 バ−ナンキ・FRB議長 「物価安定の下で経済活動を促進する措置を適切に実施する用意ができている」ミネアポリスでの講演で。     ----   
9/14 独仏首脳 「ギリシャが今後ともユーロ圏内にとどまることを確信している」パパンドレウ・ギリシャ首相との緊急電話会談後の声明で。 ユーロドルが買い戻され、1.36台後半から1.37台に。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和