2011年10月12日(水)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- EU、IMFはギリシャへの第6弾となる融資を実施すると発表。
トロイカ調査団がギリシャ政府と同国の一段の債務削減を条件に合意。
一方、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充を巡っては、唯一批准を終えてない
スロバキアでは第一回投票で拡充案を否決。 - ユーロドルはギリシャへの融資実行が発表されると、ギリシャのデフォルトが
ひとまず回避されるとの見方から買い戻しが優勢となり、一時1.3684まで
上昇。その後スロバキアでの否決の報が伝わり1.36台半ばで引ける。 - ドル円は動かず。ユーロ円はユーロドルの上昇に引っ張られ104円台後半まで
上昇。 - NY株式市場はまちまち。7−9月決算発表が始まり、アルミ大手のアルコアが
増収増益だったことで、ナスダックは上昇、ダウは小幅に下落。 - 債券は小幅に下落。3年債入札は好調だったものの、欧州危機の後退から
安全資産への需要が減少。長期金利は2.15%台に乗せる。 - 金は小幅に反落し、原油価格は小幅に上昇し、ともに小動き。
| ドル/円 | 76.61〜 76.76 |
| ユーロ/ドル | 1.3565 〜 1.3684 |
| ユーロ/円 | 104.02 〜 104.89 |
| NYダウ | −16.88 → 11,416.30ドル |
| GOLD | −9.80 → 1,661.00 |
| WTI | +0.40 → 85.81ドル |
| 米10年国債 | +0.083 → 2.159% |
本日の注目イベント
- 豪 10月ウエストパック消費者信頼感指数
- 欧 トリシェ・ECB総裁講演
- 欧 シュタルク・ECB理事講演
- 英 英9月失業率
- 米 FOMC議事録(9/20,21日分)
- 米 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
ギリシャの財政再建の可能性を調査していたEU、IMF、ECBのトロイカ調査団が、調査を終えたことで
ギリシャに対する融資が実行されることになりました。
同調査団は、同国の財政再建に向けて「重大な進展」があったとの見解を示しております。
これはギリシャが債務削減に向け、さらなる努力を約束し、年金と賃金削減の拡大や2012年予算案の議会通過を
約束したものと思われます。
これでひとまずギリシャのデフォルトの可能性は後退しましたが、同時にギリシャの国債を保有する金融機関の債務削減額が
当初の見込みであった21%を大きく上回る50−60%との案が浮上しています。
ただ、この問題についてはユーロ圏のユンケル議長が「債務減免幅が21%を超える可能性があると発言したが、60%を超える
可能性を示唆したわけではない」と発言しています。
ギリシャの資金繰りが確保されたものの、発行している債務(国債)の額面がそのままでは財政再建が非常に難しく、根本的な問題は
解決されません。
EUの欧州委員会は、金融機関の保有するギリシャ国債のヘアカットも同時に行う可能性が高く、今後は減免比率を巡る議論が
交わされることになります。
これまでも銀行のギリシャ国債の評価額を引き下げ、減免する案は議論されており、7月の支援融資実行の際には21%との合意が
ありました。
しかし、その後ギリシャの財政赤字削減計画を公約通り実現することが難しいことが判明し、さらなる減免が必要な事態になってきました。
問題はその場合には、ギリシャ国債を大量に保有する金融機関の自己資本が減少に繋がり「格下げ」などのリスクがでてくることです。
9日の日曜日にはメルケル首相とサルコジ大統領が会談し、大統領は「銀行の資本増強を行うことでドイツと完全に一致している」との
声明を発表した背景はここにあったことになります。
「第2のデクシア」を出さないために、先ず自行で資本増強を行い、それでも不足するようなら国が関与し、さらに最終的には
EFSFが面倒をみるといった「安全網」が必要だったことになります。
EUとしてはギリシャのデフォルトは避けたく、それによる被害も拡大させないよう、支援融資の実行、銀行の資本増強、さらには
最後の貸し手としてEFSFの拡充を同時に行わなければならないわけです。
昨日はこの拡充案を唯一批准していないスロバキア議会で採決がありましたが否決されています。
今後はギリシャが合意した一段の債務削減策が本当に実施できるのかと、銀行の資本増強が進むかに焦点が移ってきそうです。
べルギーの大手銀行デクシアの破たんもあり、欧州の銀行に対する不安は高まっていますが、昨日はオーストリアの銀行の経営不安も
報道されています。
バローゾ欧州委員長は、域内の銀行の増資を含む諸問題について、12日午後3時の欧州議会で提案を発表すると、ブルームバーグは
伝えています。
来週18日に予定されていたユーロ圏財務相会合は23日に延期されましたが、やはりこのあたりでギリシャ問題が「ヤマ場」を迎える
可能性は高いと思われます。
南欧の財政赤字問題がこれ以上拡大せずに収まれば欧州危機もひとまず沈静化する可能性がありますが、イタリアやスペインにまで
拡大すると、再び同じ問題が起こり、しかもそれはさらに桁違いの規模になります。
独仏などの金融機関はユーロ圏内で相対的に利回りの高い「PIGS」に対するエクスポージャーを多く抱えているからです。
そう考えると、欧州危機の最終章はまだまだ先、と意識する必要がありそうです。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 10/3 | ミヒヤエル・フック 独キリスト教民主同盟(CDU)の幹部 | 「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」アイルランドの公共放送とのインタビューで。 | ---- |
| 10/4 | バーナンキ・FRB議長 | 「景気回復は現在、腰折れに近い状態にある。われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業率の低下が続くようにしなければならない」議会で。 | 株価が急反発。ユーロドル1.32台から→1.33台半ばに |
| 10/9 | サルコジ・仏大統領 | 「銀行の資本増強では、ドイツと完全に一致している」独仏首脳会談後の記者会見で。 | ユーロドル1.34台後半から→1.36台後半に |
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