今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年10月18日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ユーロドルが急落。欧州時間の朝方には1.39台に乗せ、さらに高値を
    伺う気配もあったが、メルケル首相の首席報道官が、危機が解決されると言う
    「夢」が23日の首脳会議でかなう可能性は低いとの政府見解を示したことから
    大幅に下落。
  • ユーロドルは1.38台を割り込み、NY時間では1.37台前半まで下落。
  • 豪ドルなども連れ安に転じ、クロス円の売りも出た模様でユーロ円なども
    軒並み値を下げる。
  • ドル円も結局77円半ばが抜けきれず、米長期金利の下落にも押され
    76円台半ばまで売られる。
  • NY株式市場は大幅に反落。欧州危機が長引くとの見方や、NY連銀指数が
    5ヵ月連続で悪化していたことなどから、ダウは先週末比247ドルの大幅安。
  • 債券相場は反発。ややリスク回避の流れが主流となり、安全資産の国債への需要が
    高まった。
  • 金、原油はともに反落するも値動きは小幅だった。
  • 10月NY連銀製造業景況指数 → −8.48
  • 9月鉱工業生産 → +0.2%
  • 9月設備稼働率 → 77.4%



ドル/円76.60 〜 77.30
ユーロ/ドル1.3726 〜 1.3806
ユーロ/円105.37 〜 106.57
NYダウ−247.49 → 11,397.00ドル
GOLD−6.40 → 1,676.60
WTI−0.42 → 86.38ドル
米10年国債−0.096 → 2.155%


本日の注目イベント

  • 豪   RBA議事録
  • 中   中国7−9月期GDP
  • 独   独WZEW景況感指数
  • 欧   ドラギ・イタリア中銀総裁講演
  • 英   英9月消費者物価指数(CPI)
  • 米   9月生産者物価指数(PPI)
  • 米   10月NAHB住宅市場指数
  • 米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   7−9月期決算 → ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、インテル、アップル
  • 米   バーナンキ・FRB議長講演








ユーロドルは昨日の欧州時間に1.3914まで上昇しましたが、1.400台の大台には届かず大きく反落しています。


ユーロ危機の深まりから1.32台まで売られた後、ユーロ圏の「足並みが揃った」ことから危機回避に関する様々な対策が発表され、


ユーロドルは底値から約700ポイントほど戻しました。


しかし、この水準からさらに上昇し、1.40台にしっかり乗せるにはもう一段のユーロ支援材料が必要と観ていました。


むしろ、ユーロの支援材料はかなり出尽くしており、今後ギリシャ債を保有する域内銀行のヘアカット率や、資本増強の方法など


不透明な要素を多く残しているのが現状でした。





そんな中、メルケル独首相のザイベルト首席報道官が同首相の見解として「このパッケージによって何もかも解決し、月曜日には全てが


完了しているという夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見解を伝えたことで、ユーロは急落しました。


また、ショイブレ独財務相も、各国首脳はブリュッセルでの会議で「決定的な解決策」を示さないと語っています。


23日(月曜日)にはEU、ユーロ圏財務相会合が開催される予定で、そこでは欧州金融安定基金(EFSF)の拡充案や、域内の銀行が


ギリシャ国債の評価に伴う損失をどこまで受け入れるかなどが具体的に話し合われる模様です。


この民間銀行が引き受ける損失割合は、当初7月には21%で合意されていましたが、その後バローゾ欧州委員長などの主張もあり、


現在50−60%程度で話し合われている模様です。


仮に最大で「額面の60%カット」で決まった場合、自己資本比率9%を維持するためには、


200−300億ユーロの資本が必要との試算があり、円で約32兆円もの資金が必要になります。


今後危機を拡大させないためには自己資本比率を9%に高める必要があることを、ショイブレ独財務相も主張しており、


自力でこの目標を達成できない銀行は、自国政府あるいはEFSFの関与を受ける形となることから反発が予想されます、





ドル円は上値を試したものの、結局77円半ばは抜けきれませんでした。


チャートで見ても77円50銭付近では何度も上値が抑えられているのが確認できます。


このままでは再び元の76円台にもどる可能性が出てきましたが、おそらく77円を挟む展開に収まるのではないかと観ています。


76円50−77円のレンジからは、わずかですが上の値位置で推移すると予想します。


欧州危機は9月の時点からは明らかに一歩も二歩も前進しており、「リスク回避」の流れが急速に加速する可能性が後退していると


観られるからです。


そうだとすれば、安全資産の円に対する需要も9月のように大幅に高まるとも考えにくいと思います。


また、日本政府による「円高対策」も今のところは「噂」の域を出ていませんが、その可能性は否定できません。





ただ、明日に予定されているギリシャのストは気がかりです。


ギリシャへの6回目の資金援助を決めたユーロ圏諸国にとって、


大規模な48時間ストを見せられたのではたまったものではありません。


ギリシャがEU、IMFなど「トロイカ」に示した財政赤字削減案が、果たして議会で承認されるのかどうかの不安が頭をもたげます。


場合によってはユーロ圏首脳から批判の声があがることも考えられます。


そうなると、株価が下落し、長期金利の低下、リスク回避の流れに傾き、円への需要が高まる可能性が考えられるからです。





また昨日、格付け会社ムーディーズはフランスの格付け(AAA)が欧州債務危機に伴い、


追加的な負担から圧力にさらされているとの見解を発表しています。


ユーロ圏をけん引する独仏の一角が格下げになれば、再びユ−ロ売りが加速することにも注意が必要です。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/3 ミヒヤエル・フック 独キリスト教民主同盟(CDU)の幹部 「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」アイルランドの公共放送とのインタビューで。     ----   
10/4 バーナンキ・FRB議長 「景気回復は現在、腰折れに近い状態にある。われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業率の低下が続くようにしなければならない」議会で。 株価が急反発。ユーロドル1.32台から→1.33台半ばに
10/9 サルコジ・仏大統領 「銀行の資本増強では、ドイツと完全に一致している」独仏首脳会談後の記者会見で。 ユーロドル1.34台後半から→1.36台後半に
10/12 バローゾ・欧州委員会委員長 「最も質の高い資本で構成する自己資本比率の相当大きな引き上げをしなければならない」欧州議会で。 ユーロドル1.36台から1.38台への急伸に拍車。
10/17 メルケル・独首相 「月曜日には全てが完了しているという夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見方を首席報道官が記者会見で。 ユーロドル1.38半ば台から1.37台半ばへ下落。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和