今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年10月20日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ユーロドルは前日の「EFSF2兆ユーロに拡大」報道の余熱もあり
    アジアから欧州時間にかけては上昇。高値1.38台後半まで買い戻しが
    進んだものの、23日の首脳会議への取り組みを巡り、独仏で意見が
    異なっているとの見方から再び下落し1.37台前半まで下げる。
  • ギリシャでは7万人規模のデモが決行され、警官隊との衝突が繰り返される。
  • ドル円は76円台半ばから後半でのレンジ内取り引きが続く。
  • 株式市場は反落。欧州債務危機の解決策をめぐる膠着状態が嫌気されたことや
    ベージュブックの内容にも反応し、ダウは72ドル安で引ける。
  • 株安から債券相場は小幅に上昇。10年債利回りは2.15%で取引を終える。
    ここ2週間は2%台で推移し、この水準が定着してきた模様。
  • 金、原油はともに下落。1ヵ月ぶりに高値を記録した原油価格も2ドルを
    超す大幅下落。
  • 9月消費者物価指数(CPI) → +0.3%
  • 9月住宅着工件数 → 65.8万件
  • 9月建設許可件数 → 59.4万件



ドル/円76.69 〜 76.86
ユーロ/ドル1.3732 〜 1.3870
ユーロ/円105.36 〜 106.53
NYダウ−72.43 → 11,504.62ドル
GOLD−5.80 → 1,647.00
WTI−2.23 → 86.11ドル
米10年国債−0.018 → 2.157%


本日の注目イベント

  • 独   独9月生産者物価指数
  • 欧   ユーロ圏10月消費者信頼感(速報)
  • 米   9月中古住宅販売件数
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   10月フィラデルフィア連銀景況指数
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演
  • 米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
  • 米   7−9月期決算 → AT&T、マイクロソフト








ユーロドルは昨日1日で約140ポイントの値幅を見せ、相変わらず値動きの荒っぽい展開が続いています。


アジア市場から欧州市場にかけては徐々にユーロの買い戻しが進み、前日報道された「欧州救済基金2兆ユーロに拡大」との


報道がくすぶっていたことが背景にあったようです。


ユーロドルは1.3870まで上昇しましたが、ここ連日抜け切れていなかった1.39台前半は、今回も手前でUターンしてしまい


1.37台前半まで売られています。





ユーロは円に対しても同様な動きで、106円台半ばから105円台半ばまで下落しました。


23日にユ−ロ圏の首脳会議が開催されますが、ドイツのメルケル首相は「そこで全てが解決されるわけではない」と、過度の期待を


抑える発言を繰り返しており、サルコジ仏大統領との意見の違いが浮き彫りになっています。


同首相は昨日フランクフルトで講演し、「過去の任務と怠慢の全ての罪を魔法の杖で消すことはできない」と


厳しい表現を用いて、23日の首脳会議が債務危機の「終点」にはならないことを繰り返しています。


ブルームバーグは「フランスとドイツの首脳は両国の見解の相違を埋めるため、19日夜会合を開催した」と報じています。


前日に英紙が伝えた「EFSFの規模を2兆ユーロに拡大することで合意」についても両国からは公式な見解が発表されてはおらず、


市場は疑心暗鬼になっています。


ユーロドルの値動きはこうした状況が背景となり、神経質で、明確な方向性の見えない展開が続いているものと思われます。





こうしたなか、ギリシャでは予定通り大規模なデモが決行されています。


昨日のNHK夜9時のニュースでも、ギリシャからデモの様子をトップニュースで伝えていました。


6回目の資金援助を行う条件としてギリシャが公約した追加の緊縮案は、新たな増税や年金及び賃金の追加削減のほか、


3万人の公務員削減計画が含まれています。


このパッケージは20日夜にも採決される見通しで、デモはこのタイミングに合わせたものと思われます。


警察によれば、今回のデモには約7万人が参加し、これまでの最大規模になっているようです。


ギリシャ国民の気持も分からなくはありませんが、今回の追加緊縮案が議会で承認されなければ、


「ギリシャのユーロ圏からの離脱」を含むギリシャ経済にとって極めて厳しい試練が待ち受けているのは確実です。


ギリシャ発の信用不安が世界中に伝播し、その影響はリーマンショックをも上回るのではないかとの見方もあります。


救済資金の主な出し手である独仏の国民は複雑な気持ちでこの光景を観ているのではないでしょうか。


先日あるTVで、ギリシャへの支援問題に関してインタビューされたドイツ人は


「Stand up and work now!」(立ち上がって、今すぐ働け!)と答えていたのが印象的でした。





欧州の銀行の資本増強に関してJPモルガン・チェースが試算を発表し、それによると厳格化された規制の下では全体で


2300億ユーロ(約24兆4000億円)必要との数字を出しています。


必要額が多いのは、イタリアのウニクレディトとドイツ銀行で、それぞれ135億ユーロ(約1兆4300億円)、117億ユーロ


(約1兆2400億円)と試算されています。





低迷が続いている米住宅市場にやや変化が出ています。


昨日発表の9月の住宅着工件数は65.8万件と、高い伸びを示しました。


内訳をみると、戸建ての伸びは1.7%増でしたが、集合住宅が51%増と高い伸びを示し、


この数値は2008年10月以来の高水準でした。


前日もNAHB住宅市場指数が大幅な改善を見せていましたが、住宅市場の先行きにやや明かりが点灯した可能性があります。


ただ、昨日同時に発表された住宅許可件数は低水準でした。


これは住宅着工の先行指標となるため「米住宅市場の本格的な回復」には、依然懐疑的な見方が多いようです。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/3 ミヒヤエル・フック 独キリスト教民主同盟(CDU)の幹部 「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」アイルランドの公共放送とのインタビューで。     ----   
10/4 バーナンキ・FRB議長 「景気回復は現在、腰折れに近い状態にある。われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業率の低下が続くようにしなければならない」議会で。 株価が急反発。ユーロドル1.32台から→1.33台半ばに
10/9 サルコジ・仏大統領 「銀行の資本増強では、ドイツと完全に一致している」独仏首脳会談後の記者会見で。 ユーロドル1.34台後半から→1.36台後半に
10/12 バローゾ・欧州委員会委員長 「最も質の高い資本で構成する自己資本比率の相当大きな引き上げをしなければならない」欧州議会で。 ユーロドル1.36台から1.38台への急伸に拍車。
10/17 メルケル・独首相 「月曜日には全てが完了しているという夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見方を首席報道官が記者会見で。 ユーロドル1.38半ば台から1.37台半ばへ下落。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和