今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年10月21日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 欧州危機収束への道のりが近いようでなかなか決まらないことから
    ユーロは上下に振れ、方向性の定まらない相場展開が続く。
  • 独仏のEFSF拡大方針に関する見解が異なることを材料に、
    ユーロドルは欧州市場の1.38台半ばから1.36台半ばまで、ほぼ
    200ポイント下落。その後独仏の首脳が26日までに包括案を決める
    との共同声明が発表されたことでユーロは急伸し、再び1.38台目前
    まで買い戻され、1.37台後半で引ける。
  • ドル円は77円台前半をテスト。フィラデルフィア連銀製造業景況指数
    がマイナス予想からプラス8.7だったことや、米長期金利の上昇が手掛かり。
    しかし77円台ではこれまで通り「壁」に突き当たり、76円台に押し戻されて
    取引を終える。
  • この日はスイスフランも上昇。欧州危機収束への対応がまとまらないことから
    避難先通貨として再び動意づく兆しも。
  • 株式市場は午前中大幅に下げていたものの、後場にはEFSFの枠組みが
    決まるとの見通しで反発。ダウは小幅に上昇し、ナスダックは小幅に下落。
  • 債券相場は下落。26日には欧州首脳が危機回避で結束するとの報道で
    債券への需要が後退。長期金利は2.18%台まで上昇。
  • 複数のメディアはリビアのカダフィ大佐が死亡したと伝える。
  • 金価格は4日続落し、約4週間ぶりに1612ドル台に。
    原油は続落。カダフィ大佐の死亡により、リビアからの原油増産が
    期待されることが背景。
  • 9月中古住宅販売件数 → 491万戸
  • 週間失業保険申請件数 → 40.3万件
  • 10月フィラデルフィア連銀景況指数 → +8.7



ドル/円76.77 〜 77.10
ユーロ/ドル1.3656 〜 1.3814
ユーロ/円105.01 〜 106.18
NYダウ+37.16 → 11,541.78ドル
GOLD−34.10 → 1,612.90
WTI−0.81 → 85.30ドル
米10年国債+0.030 → 2.187%


本日の注目イベント

  • 独   独10月ifo景況感指数
  • 中   シュタルク・ECB理事講演
  • 欧   トリシェ・ECB総裁講演
  • 欧   コスタ・ポルトガル中銀総裁(ECB政策委員会メンバー)講演
  • 米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
  • 米   イエレン・FRB副議長講演
  • 米   タルーロ・FRB理事講演
  • 米   7−9月期決算 → GE
  • 加   カナダ9月消費者物価指数








連日値幅の大きい動きを繰り返すユーロドルですが、昨日も1日で約200ポイントの「大相場」でした。


欧州金融安定基金EFSFの機能拡充を巡って独仏の足並みがそろわないことから、「時間稼ぎ」との印象を拭えず、


市場はすかさずユーロ売りを仕掛ける状況でした。


欧州時間朝方には1.38台半ばまで上昇したユーロドルはじりじりと値を下げ、NY時間には1.36台半ばまで


下落しています。米経済指標が好転していたこともドルを押し上げ、円、ユーロはともに下落基調でした。





その後EU当局が、23日に予定通り首脳会議を開催し、26日にも追加会議を開くと発表。


独仏が共同声明を発表し、「意欲的な危機対策が必要との認識で一致している」と強調。


さらに、一部の関係者の話として、欧州金融安定基金が最大9400億ユーロ(約99兆5100億円)に拡大される、


とのニュースにユーロドルが急反発し、1.3790前後まで値を戻す荒っぽい展開となりました。


独仏首脳はこれまでに何度もトップ会談を行ってきましたが、EFSFの拡充を巡っては最後の部分で、


フランスが主張する、銀行として基金の増大を図る案と、ドイツが主張する、債務保証という形態で債務国を救済してゆく、


いわば保険の形態で行う案で合意に至っていません。





両首脳は共同声明に見られるように「意欲的な解決策が必要」という点では一致していますが、


最後は独仏の「覇権争い」の感もあります。


しかし、本日から開催されるEU、ユーロ圏財務相会合と、最終的には26日の会合で「合意」に達しないと、


さすがに時間稼ぎにも限界があります。


市場はその合意内容次第でもユーロ売りを仕掛けてくる可能性があり、


「ユーロ秋の陣」もいよいよ最終章に突入してきたと言えそうです。





米フィラデルフィア連銀が発表した10月の同地区製造業景況指数は「+8.7」と、前月の「−17.5」から大幅に改善しました。


ブルームバーグによると、この回復幅は過去31年で最大だそうです。


同指数は「ゼロ」が基準で、プラスは拡大、マイナスは景気後退を表しています。


一地区の製造業の景気指数とはいえ、今後NY連銀製造業指数などもどのような変化を見せるのか注目したいと思います。





フィラデルフィア連銀指数は大幅な改善でしたが、9月の中古住宅販売件数はこれまで通り低空飛行でした。


ただ先週にも触れましたが、このところの米経済指標は改善傾向が強まっています。


このため「ハト派」の地区連銀総裁の中には「米景気が2番底に陥る可能性は低い」といった強気の意見も聞かれるような状況です。


米経済指標のなかでは「雇用」が最も重要な指標です。


非農業部門雇用者が10万人に程度の増加で失業率も9.1%という直近の数値は、FRBの目標値とは依然としてかい離していると


言わざるを得ません。


幾つかの経済指標の改善はいずれ「雇用統計」にも好影響を与えるとは思いますが、それにはまだ時間が必要です。





ドル円は77円台乗せを何度か繰り反しながらも76円台に押し戻され、77円台がなかなか定着しません。


米経済指標の改善を背景に、どちらかと言えば「上昇」したがっているように観えますが、77円50銭の「大きな壁」に


上昇を阻まれている状態です。


しかし逆に、その水準を抜けたところには大量の「ストップロス」は置かれていることは容易に想像ができます。


市場参加者は、ドルロングで攻めたらストップは76円50銭以下、ドルショートで攻めたらストップは77円50銭を


超えた水準に置くことで「ボックス相場」をエンジョイしているものと思われます。


その結果、これらの取引がドル円の値幅をより膠着させており、ドル円が動かない理由の一つになっています。


ただどちらかのストップが執行されれば、値動きが一気にスピードを増すことがあります。


用心することにこしたことはありません。





良い週末を・・・・・。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/3 ミヒヤエル・フック 独キリスト教民主同盟(CDU)の幹部 「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」アイルランドの公共放送とのインタビューで。     ----   
10/4 バーナンキ・FRB議長 「景気回復は現在、腰折れに近い状態にある。われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業率の低下が続くようにしなければならない」議会で。 株価が急反発。ユーロドル1.32台から→1.33台半ばに
10/9 サルコジ・仏大統領 「銀行の資本増強では、ドイツと完全に一致している」独仏首脳会談後の記者会見で。 ユーロドル1.34台後半から→1.36台後半に
10/12 バローゾ・欧州委員会委員長 「最も質の高い資本で構成する自己資本比率の相当大きな引き上げをしなければならない」欧州議会で。 ユーロドル1.36台から1.38台への急伸に拍車。
10/17 メルケル・独首相 「月曜日には全てが完了しているという夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見方を首席報道官が記者会見で。 ユーロドル1.38半ば台から1.37台半ばへ下落。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和