2011年10月25日(火)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は76円台前半からジリ安の展開となり、NYでは一時76円を
割り込む。日本の輸出の伸びや、欧州債務危機の収束観測からリスクを取り
易くなったことからドル安が進む。 - ダドリーNY連銀総裁の追加緩和に前向きな発言もドル安に反応した。
ただ、長期金利の上昇からドルは買い戻され76円台前半で引ける。 - ユーロドルは欧州市場の朝方1.39台半ばまで買われたものの、その後は
1.4台へのテストも無かったことで利益確定のユーロ売りや、ユーロ圏の総合景気
指数が2ヵ月連続で縮小したことに反応し1.38台半ばまで下落。 - リスク選好の高まりと中国の製造業景況指数が好調だったことから豪ドルが
堅調に推移。対ドルでは1ヵ月半ぶりに1.05台を回復。 - 株式市場は大幅に続伸。キャタピラーなど企業の好決算が続いたことや、
欧州危機回避への取り組みを評価し、ダウは104ドル高で1万1900ドル台を
回復。これでダウはレンジを上抜けしたとの声も。 - 株高から債券相場は軟調。市場のリスク志向の高まりから債券価格は続落し
長期金利は小幅に上昇。 - 金は続伸。原油は大幅に上昇し91ドル台に乗せる。
| ドル/円 | 75.99 〜 76.20 |
| ユーロ/ドル | 1.3828 〜 1.3957 |
| ユーロ/円 | 105.21 〜 106.13 |
| NYダウ | +104.83 → 11,913.62ドル |
| GOLD | +16.20 → 1,652.30 |
| WTI | +3.87 → 91.27ドル |
| 米10年国債 | +0.018 → 2.234% |
本日の注目イベント
- 豪 バッテリーノ・RBA副総裁講演
- 中 中国、EU首脳会議
- 独 独11月GFK消費者信頼感
- 欧 ユンケル・ユーログループ議長講演
- 米 8月ケース・シラー住宅価格指数
- 米 10月消費者信頼感指数
- 米 10月住宅価格指数
- 米 10月リッチモンド連銀製造業指数
- 加 カナダ中銀政策金利発表
NY株式市場が大幅に続伸し、ダウは1万1900ドル台まで回復してきました。
リスク資産である株価が上昇したことで安全資産である債券は下落し、長期金利は高値圏で推移しています。
加えて、欧州債務危機は26日のEU首脳会合で最終的な合意に達するとの楽観的な見方もあり、
市場はにわかに「リスク選好」に傾いています。
「リスク選好」という言葉がまだ適当でないとしても、少なくとも「リスク回避」の流れは後退しています。
その結果、豪ドルやユーロなどの株価に敏感に反応する「高金利通貨」は上昇傾向を見せ、
いずれも約1ヵ月半ぶりの水準を回復してきました。
これらの通貨が対ドルで上昇したことで、ドルは下落し、ドル円でも円買い、ドル売りが機能しやすい状況になっており、
ドルの上値を抑える格好になっています。
本来、「リスク回避」の流れは、高金利通貨が買われ、低金利通貨の円やドルが売り込まれるのがこれまでのパターンでした。
しかし、上述のようにドルは主要通貨に対して売り込まれたものの、円は堅調に推移しており、
対ドルでは75円台で史上最高値更新しています。
これは「リスク回避」の流れが後退したばかりではなく、そこにドル安材料が加わったことが理由かと思います。
FRB高官が追加緩和第3弾に言及し、実施することに前向きな発言をしたことがそれです。
昨日もダドリーNY連銀総裁は、金融当局として住宅ローン金利の過度の上昇を阻止したい考えを示し、
FOMCは借入コストの一段の低下に向け追加措置を講じる可能性があると指摘しました。
同総裁は、9月に政府機関債と政府機関発行の住宅ローン担保証券(MBS)の償還元本を
同MBSに再投資する方針を決めたことについて
「われわれは住宅市場の支援、そして金利の過度の上昇阻止に関心があることを明確に示した」と述べています。
これら一連の発言は、FRB関係者が米経済を「腰折れ状態」から早急に回復させなければならないことが最優先課題であることを
示しており、次回FOMCでは「QE3」が議論され、場合によっては実施される可能性が高まってきました。
「QE3]の実施は市場へのドル資金のさらなる供給から、金利の低下(低下余地は限られますが)、
低コストのドル資金の調達を可能にし、市場で余ったドルは高金利通貨へ流れ、新興国への投資が再開されるとの連想が働き、
「ドル安」を加速させることに繋がります。
その意味で「円」は、リスク回避時には「安全資産」として買われ、「リスク回避」が後退しドル安の流れになったことでも買われ、
常に円買い圧力があるとも言えそうです。
この流れを断ち切るのは、やはり米長期金利の上昇が必要かと思います。
円高を止めるには、日銀による一段の緩和策の実施で日米金利差が拡大することが不可欠です。
欧州債務問題も26日にはいよいよ「ヤマ場」を迎えます。
欧州銀行への資本増強問題では1000億ユーロ(約10兆5000億円)が準備されそうな状況ですが、域内の銀行は
ギリシャ国債だけを保有しているわけではなく、イタリア国債も大量に保有しており、
10年債利回りは6%前後まで上昇しており、価格は大幅に下落しています。
さらにスペイン国債なども含めると南欧諸国の国債価格の下落に伴う評価損はかなりの額に達しそうです。
市場では1000億ユーロでは足らないとの見方が強く、どこまで増額できるのかが焦点になりそうです。
また、EFSFの基金増額についても1兆ユーロ(約105兆円)必要との試算もあり、どのような形で資金を集めるのか注目されます。
現在SPC(特別目的会社)を設立し、外部から資金を集める方法が検討されていますが、はたして誰が投資をするのか不明です。
26日にはある程度の規模を拡充したうえで合意に達すると観られますが、
その規模によっては「失望感」からユーロ売りが噴き出す可能性も否定できません。
円にようやく値動きがでてきましたが、市場の主役がユ−ロであることは変わらないようです。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 10/3 | ミヒヤエル・フック 独キリスト教民主同盟(CDU)の幹部 | 「ギリシャが債務を全額返済できる可能性があるとは思わない」アイルランドの公共放送とのインタビューで。 | ---- |
| 10/4 | バーナンキ・FRB議長 | 「景気回復は現在、腰折れに近い状態にある。われわれは景気後退に逆戻りしないようにする必要がある。また、確実に失業率の低下が続くようにしなければならない」議会で。 | 株価が急反発。ユーロドル1.32台から→1.33台半ばに |
| 10/9 | サルコジ・仏大統領 | 「銀行の資本増強では、ドイツと完全に一致している」独仏首脳会談後の記者会見で。 | ユーロドル1.34台後半から→1.36台後半に |
| 10/12 | バローゾ・欧州委員会委員長 | 「最も質の高い資本で構成する自己資本比率の相当大きな引き上げをしなければならない」欧州議会で。 | ユーロドル1.36台から1.38台への急伸に拍車。 |
| 10/17 | メルケル・独首相 | 「月曜日には全てが完了しているという夢物語がまたしても根を張りつつあるが、その夢の実現は不可能だ」との見方を首席報道官が記者会見で。 | ユーロドル1.38半ば台から1.37台半ばへ下落。 |
| 10/20 | ピアナルト・クリーブランド連銀総裁 | 「われわれが現在抱える失業問題でとくに厄介な点は、多くの個人の失業状態の長期化だ」「高失業率の最も大きな理由は、消費者と企業、政府の支出がなお低迷していることだ」 | ---- |
| 10/21 | イエレン・FRB副議長 | 「失業と金融混乱の悪影響を受ける米景気の浮揚に必要なら、量的緩和第3弾(QE3)が正当化されるかもしれない」デンバーでの講演で。 | 株価が急反発。ドル円75円78銭の最高値を記録。ユーロドル1.37台から→1.39に |
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